|
||
|
|
実用レベルの自動車衝突解析をキャンパスグリッド上で実現〜広島大学、マツダ、富士通の共同研究で、教育用パーソナルコンピュータの夜間空き時間を利用し実用レベルの性能を達成〜 国立大学法人広島大学(以下、広島大学)とマツダ株式会社(以下、マツダ)、富士通株式会社(以下、富士通)は、多数の教育用パーソナルコンピュータをつなげて夜間の空き時間等を利用し大規模計算を行うキャンパスグリッドでの共同研究を行い、実用レベルの自動車の衝突解析を行うことに国内で初めて(注1)成功した。 この結果は、キャンパスグリッドが低コストで実用的な計算機環境であることを裏付けるものとして注目される。今後、広島大学ではこのキャンパスグリッドを地域社会へ公開し、地域産業に貢献することを目指している。 なお、本技術の詳細は、10月14日に開催された広島大学情報メディア教育研究センター(注2)(以下、IMC)主催の定期研究会「グリッドコンピューティング最前線」で発表された。 【背景】IMCでは、研究用基盤として用いられている高性能サーバだけでなく、500台の教育用パーソナルコンピュータをグリッド技術により融合させ、夜間の空き時間等を利用して大規模計算を行うことのできるキャンパスグリッドを構築し、今春より運用を開始している。グリッドの利用を広げるためには、これまでの環境では難しかった医療、工学、バイオ、理学研究などの実用レベルの大規模シミュレーション計算により検証することが求められていた。 【開発した技術】今回、広島大学大学院工学研究科構造システム工学講座の岡澤重信助教授は、IMCキャンパスグリッドを利用し、実シミュレーションモデルに基づいた自動車の衝突解析の実証実験を行った。 今回の実証実験では、マツダが提供する実用レベルの下記解析モデルを用いたシミュレーションの実証を岡澤助教授が担当し、グリッドシステム利用のためのコンサルテーションを富士通が担当。また、今回の実験で利用した衝突解析ソフト「LS-DYNA」は、LSTC社(注3)と富士通で共同で実用化してきたものである。
【効果】今回、IMCキャンパスグリッド上のパーソナルコンピュータ17台で上記解析モデルのシミュレーションを行い、約44時間で解析を行うことができた。(従来の計算機環境で10時間から50時間。使用するCPU数により変動。) IMCの500台のキャンパスグリッドを利用すると、同時に約30パターンのシミュレーションを行うことができ、幅広い解析が可能となる。 今回の実験結果は、キャンパスグリッドの有用性を示すとともに、製造業におけるCAE(注5)分野でもパーソナルコンピュータのグリッドを利用できる可能性も示している。また、キャンパスグリッドは、大学が所有する計算機資源の有効活用の点でも大きな意義がある。IMCでは、キャンパスグリッドを地域社会に提供していく計画である。 広島大学の岡澤助教授は次のようにキャンパスグリッドへの期待を述べている。 【今後】岡澤助教授の所属する構造システム工学講座では、今後もキャンパスグリッドによる解析を続けながら、様々な工学分野への適用を模索する。 マツダでは、引き続きキャンパスグリッドの共同研究を重ね、ネットワーク能力、PCスペック、ライセンスコストなどの問題解決を図りながら、将来の商品開発領域における活用の可能性を検証していく。 また、富士通は、広島大学で有効性が実証されたキャンパスグリッドを、他の大学や企業でも利用できるよう推進していく。 【商標について】記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標である。 以上 注釈
プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容、お問い合わせ先などは、発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。ご不明な場合は、富士通お客様総合センターにお問い合わせください。 |
|