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[ PRESS RELEASE ]
2005年10月21日
立命館大学
富士通株式会社
株式会社富士通中国システムズ

「ナーススケジューラV4.0」販売開始

〜立命館大学と富士通の産学連携成果
従来製品比で速度最大4倍、精度10倍向上〜

株式会社富士通中国システムズ(以下、FJCS)(注1)はこのほど、看護師勤務割作成システム「ナーススケジューラV4.0」を開発し、富士通株式会社(以下、富士通)およびFJCSより10月21日より販売を開始します。

なお、当新製品は、立命館大学と富士通グループとの産学連携の成果であり、立命館大学の最新のアルゴリズムを搭載しています。

【新商品開発の背景】

看護師の業務は24時間勤務のチーム交代制で、各チームの患者対応スキルの組み合わせやレベリング、個人希望への対応など複雑な制約条件を満たす必要があります。このため対象看護師の人数が多くなると月間スケジューリング作成に多くの労力と時間を要していました。

【「ナーススケジューラ V4.0」について】

富士通とFJCSは、自動スケジューリング機能の強化を図るため、立命館大学情報理工学部亀井且有(かめいかつあり)教授のソフトインテリジェンス研究室と提携し、新アルゴリズムを採用した「ナーススケジューラV4.0」を開発しました。

新アルゴリズムは、共存型遺伝的アルゴリズム(GA)(注2)をベースとし、解の探索空間拡大と多次元パレート最適選択により精度向上を実現する「スケジューリング装置」(学校法人立命館特許申請中)です。

(立命館大学 亀井研究室 http://www.spice.ci.ritsumei.ac.jp/

新アルゴリズムの採用により、勤務割作成が従来のバージョンに比べ約4倍の高速化と約10倍の精度向上が期待できます。これにより、スケジュ−ル作成時間を大幅に短縮します。

加えて、操作性とセキュリティー機能を向上させ、再計算情報の保持機能と各種集計表や統計表などを強化しました。

【今後の取り組みについて】

立命館大学は、1995年に大学初の「リエゾンオフィス」を設置。2001年には、ベンチャーインキュベーション推進室、2003年には、知的財産戦略推進室を設置。「産学連携支援機能」に加え、「知的財産マネジメント機能」「インキュベーション機能」を「リエゾンオフィス」に集結し、「ワンストップサービス」体制を実現・稼動いたしました。

本成果もこのような支援体制のもと、本学教授の研究成果を「知的財産」として権利化(特許申請中)し、同社に技術移転したものです。今後も、本学と同社は、本成果の他分野への応用や新たな産学連携による成果の創出など、積極的な取り組みを推進していきます。

富士通は、1970年代より先進ITを活用した医療情報システムを、病院や診療所をはじめとするヘルスケア分野のお客様に提供してまいりました。

特に近年は、電子カルテシステムを中心に診療分野でご使用いただくソリューションに注力し、今後は、診療分野の業務によりフィットし、真に医療の質の向上に貢献できるソリューションを開発・提供していくことが急務と考えております。

今回、発表する「ナーススケジューラV4.0」は、診療分野で大きな比重を占める看護部門の業務を大幅に効率化することが期待できます。

FJCSは、富士通ヘルスケアソリューション事業本部配下で、全国の病院トータルシステム開発から適用までを手がけています。その中の一分野として看護師現場業務のIT化に着目し、ナーススケジューラビジネスを展開しています。今後とも医療現場の業務改善・効率化・安全性の追求、看護師の患者サービス向上をご支援してまいります。

【立命館大学と富士通の産学連携について】

立命館大学と富士通は、2003年8月1日に学生の専門性をより一層高める新たな人材育成に重点をおいた幅広い産学連携体制を組むことで協定を締結しました。

具体的には、以下の取り組みを行なってきました。

  • 高度プロフェッショナル人材育成
  • 国家プロジェクトへの共同参画
  • 大学リソースのコンテンツ化推進

【「ナーススケジューラ」について】

FJCSは、1993年に「ナーススケジューラV1」、1996年に「ナーススケジューラV2」、2001年に競争型遺伝的アルゴリズムを採用、自動スケジューリング機能を備えた「ナーススケジューラV3.0」、2003年にノンカストマイズ型の「ナーススケジューラV3.0ライト」を開発し、富士通とFJCSより販売しています。

「ナーススケジューラ」は、多くの方にその効果を認めていただき、2005年3月現在で、全国220の医療機関でご採用いただいています。(大学病院:10病院、300床以上の大規模病院:168病院、100床から300床の中規模病院:38病院、100床以下の小規模病院:4病院)

【「ナーススケジューラ」、従来商品との比較】


新商品(V4.0) 従来商品
V3.0 V3.0ライト
適用アルゴリズム 共存型GA+スケジューリング装置 競争型GA 共存型GA
精度
(師長修正箇所)
1箇所程度 約10箇所 約10箇所
作成時間比目安 計算 1 + 手修正 3 = 4 4+17=21 2+17=19
個別カストマイズ 不可
  • 作成時間比:看護師30〜40名の勤務割を手作業で作成するのに要する時間を100とする
  • Intel® Pentium® Mプロセッサ1.4GHz メモリ 512MBで測定

【販売価格】(税別)

クライアント台数 1台 2台〜10台
ナーススケジューラV4.0基本機能 100万円 100万円
自動勤務オプション 15万円 15万円 x クライアント台数
超過勤務オプション 100万円 100万円
(基本機能、超過勤務オプション共クライアント数が11台〜20台は150万円、21台以上は200万円です。)
[導入費用例](税別)
  • 病床300床、6病棟規模の病院様に「ナーススケジューラV4.0」基本機能、自動勤務オプションを導入の場合
    パッケージ価格「ナーススケジューラV4.0」 (基本+自動勤務オプション) 190万円
    導入費用 150万円
    合計 340万円
    上記以外に別途ハードが必要ですが、下記仕様に準拠していれば既設パソコンが利用可能です。

【販売目標】

今後3年間で300本

【システムの動作環境】

(1) クライアント
コンピュータ本体Intel® Pentium® 4プロセッサ、または、Intel® Pentium® Mプロセッサ を搭載したパーソナルコンピュータ(Pentium®1.2GHz以上を推奨)
基本ソフトウェアMicrosoft® Windows® 2000 Professional、または、Microsoft® Windows® XP Professional、Microsoft® Windows® XP Home Edition
必須ソフトウェアMicrosoft® ACCESS 2000以降
メモリ512MB以上
ハードディスク空き容量4GB以上を推奨
モニタ1024 x 768以上の解像度のモニタ 256色以上
(2) サーバ
コンピュータ本体Intel® Pentium® 4プロセッサ、または、Intel® Pentium® Mプロセッサを搭載したパーソナルコンピュータ(Pentium® 2GHz以上を推奨)
基本ソフトウェアMicrosoft® Windows® 2000 Server、 または、 Microsoft® Windows® Server 2003
必須ソフトウェアMicrosoft® SQL Server 2000 SP3a以降
メモリ1G以上
ハードディスク空き容量40GB以上を推奨 (全オプションでの運用の場合)

【商標について】

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

注釈

(注1)株式会社富士通中国システムズ:
本社所在地:広島県広島市
代表取締役社長:藤田 栄保
(注2)共存型遺伝的アルゴリズム:
遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm:GA)は、生物の遺伝と進化のしくみを模倣した多目的・多制約問題の最適化手法で、競争型GAが個体に制約条件を課して評価するのに対し、共存型GAでは複数の個体からなる集団全体の改善を同時に行う。また多重制約や多目的に対して自由度の高い探索を行うことが可能。

関連リンク

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