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[ PRESS RELEASE ](電子デバイス)
2005-0113
2005年7月12日
富士通株式会社

高性能32ビットCAN内蔵マイクロコントローラーを新発売

〜業界最多レベルの11通信チャネルを搭載し、高度な処理を高速に実行〜

当社は、車載ネットワークの世界標準規格として普及しているCAN(注1)およびLIN(注2)に対応した、高性能な32ビットマイクロコントローラー「MB91270」シリーズを開発し、本日よりサンプル出荷を開始します。

本製品は、32ビットの高性能CPUコアに、通信インターフェースを業界最多レベルの11チャネル搭載しており、高度な処理を高速に実行できるため、自動車の安全性をさらに向上させる制御ユニット(注3)の開発が可能となります。

現在、自動車はさまざまな制御を行う車載ネットワークの普及により、高性能化が進んでいます。今後はさらなる安全性向上のために、たとえば、カメラやレーダーで外界からの情報を取得し、素早く解析することで、自動的にスピードや車間距離を制御することなどが求められています。

今回開発したマイクロコントローラー「MB91270」シリーズは、このような背景をふまえ、高性能32ビットCPUコア「FR60Lite」に、車載ネットワークであるCAN、LIN、メモリとの通信を行うI2C(注4)という多彩な通信インターフェースを搭載しています。搭載された通信チャネルは合計で業界最多レベルの11チャネルです。本シリーズによって、多くのデータを使用する高度な処理を高速に実行でき、より安全性の高い制御ユニットの開発が可能となります。


MB91F272S

当社は、1998年より車載ネットワーク用マイクロコントローラーに注力しており、16ビットCAN内蔵マイクロコントローラーは世界市場でトップレベルの高いシェアを獲得しています。32ビットCAN内蔵マイクロコントローラーのラインナップを強化していくことで、より高性能で安全性の高い制御ユニットの開発に対応していきます。

【販売価格、および出荷時期】

製品名 サンプル価格(税込) サンプル出荷時期
「MB91F272」 1,500円 2005年7月12日
「MB91F272S」 1,500円 2005年7月12日
  • 「MB91F272」はクロック(注5)が2系統(メインクロック、サブクロック)。
  • 「MB91F272S」はクロックが1系統(メインクロックのみ)。

【販売目標】

月間10万個 (2製品合計)

【本シリーズの特長】

  1. 高性能な32ビットCPUコアを搭載

    最大内部動作周波数32メガヘルツで動作可能なRISC型(注6)のCPUコア「FR60Lite」を採用しており、入出力データを高速に処理することができます。

  2. 多彩な通信インターフェースを業界最多レベルの11チャネル搭載

    通常、1制御ユニットに1マイクロコントローラーを使用しますが、1つの制御ユニットで11チャネル分のデータ処理を実行できるため、より高性能な制御ユニットを開発できます。

    インターフェース チャネル数 特長
    CANインターフェース 1チャネル 32メッセージバッファ(注7)を搭載
    LIN対応UART(注8) 7チャネル SPI(注9)通信が可能
    I2Cインターフェース 3チャネル 標準モード・高速モード対応
  3. 各種センサーからのアナログ信号を入力するADコンバーターを24チャネル搭載

    エアバッグ、カーエアコン、ABS(アンチロックブレーキシステム)などの制御ユニットに接続される各種センサーから、24チャネル分のアナログ信号を入力することができるため、より高性能な制御ユニットを開発することができます。

  4. CPU動作監視用の専用ハードウェアタイマーを搭載

    CPU動作の監視を行い、信頼性を向上しています。また、タイマー用の専用ICが不要なため、低コスト化にもつながります。

  5. 16ビットマイクロコントローラー「MB90340A」シリーズとピンの互換性を保有

    当社16ビットCAN内蔵マイクロコントローラー「MB90340A」シリーズと電源などの専用ピンの互換性を保っています。そのため、制御ユニットの開発時に、ほぼ同じ実装基板を使用でき、開発工数を削減することができます。

【商標について】

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

注釈

(注1)CAN:
Controller Area Network。車載ネットワークのシリアル通信方式の一種。主にダッシュボードのメーターやボディ制御(乗員検知、エアコンなど)、エンジン制御などに使用。(最大通信速度毎秒1メガビット)
(注2)LIN:
Local Interconnect Network。車載ネットワークのシリアル通信方式の一種。ドアミラーやワイパーなど比較的制御が簡単な機器との通信に使用。(最大通信速度毎秒20キロビット)
(注3)制御ユニット:
カーエアコン、エアバックなどのアプリケーションを制御するシステム。制御ユニットは車載ネットワークで接続されている。
(注4)I2C:
Inter IC Bus。フィリップス社が定義するシリアル通信方式の一種。複数の機器を2本の信号線でデータのやり取りを行うインターフェース。(標準モードは最大通信速度毎秒100キロビット、高速モードは最大通信速度毎秒400キロビット)
(注5)クロック:
マイクロコントローラー内部の各回路間で処理の同期を取るための信号。
(注6)RISC型:
Reduced Instruction Set Computer。マイクロプロセッサの設計様式の一つ。個々の命令を簡略化することで高速処理を可能にする。
(注7)メッセージバッファ:
送受信するデータを一時的に格納する記憶領域。
(注8)UART:
Universal Asynchronous Receiver and Transmitter。外部デバイスとの同期、非同期通信を実現する通信インターフェース。今回のプロセッサでは、LINにも対応。
(注9)SPI:
Serial Peripheral Interface。フリースケール社が定義するシリアル通信方式の一種。1本または2本の信号線でデータのやり取りを行う。

関連リンク

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