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[ PRESS RELEASE ](ソフト・サービス)
2005-0097
2005年6月28日
富士通株式会社
株式会社富士通研究所

「オーガニックストレージ技術」を活用したアウトソーシングサービス提供開始

〜富士通データセンター内に大容量・長期保管用ストレージファームを設置〜

富士通株式会社(以下、富士通)はこのほど、株式会社富士通研究所(以下、富士通研究所、注1)との共同開発による「オーガニックストレージ技術(注2) (特許出願中)」を活用したお客様向けのアウトソーシングサービスとして「オーガニックストレージサービス」を7月より提供開始します。

本サービスは、富士通データセンター内に専用ストレージファームを設置し、この環境を利用して提供するものです。対象となるデータは、基幹業務や電子商取引で求められるような高速なアクセス性は必要ないものの、定期的な参照・更新が発生するため磁気テープ媒体の適用が向かないビジネス文書、動画像を含む映像データ、研究開発実験データ、設計図面、過去の電子メールデータなどです。

本サービスにより、お客様は、日々増大するデータを安全かつ最適な投資で管理することが可能になります。

図

近年、行政機関・企業のお客様が扱うデータ容量は増加の一途をたどっており、それを保管するためのストレージ機器への設備投資ならびにその維持管理ためのコストは大きな負担となっています。また、その内容も高度な機密事項や個人情報を含むものであり、セキュアな情報管理が不可欠です。

その中でも、ビジネス文書、動画像を含む映像データ、研究開発実験データ、各種アーカイブデータなど、リアルタイムの更新の必要はなくても、定期的に参照されるデータや日々着実に蓄積されていくデータにいかに対処するかが情報管理の大きな課題のひとつになっています。

こうした状況を踏まえ、今般富士通は、富士通研究所との共同開発による「オーガニックストレージ技術」を活用したお客様向けのアウトソーシングサービスとして、「オーガニックストレージサービス」を業界で初めて提供いたします。

これにより、ニアライン(注3)活用を中心に、ビジネス文書、動画像を含む映像データ、研究開発実験データ、設計図面、過去の電子メールデータ、さらにはe-文書法準拠文書、電子カルテなどについて、お客様の利用実態に応じて、安全かつコストパフォーマンスに優れた情報管理ができるようになります。また本サービスでは、スモールスタートに最適なオンデマンド型課金を適用し、お客様のビジネスの拡大に合わせた効率的な投資が可能です。

富士通では今後、新技術の特性を活かした新たなストレージファームを、今後のILM(Information Lifecycle Management、注4)サービスやオンデマンドサービスなど、富士通アウトソーシングサービス全般のストレージ基盤として活用してまいります。

【販売価格、および提供開始時期】

商品名 参考価格(税別) 提供開始時期
「オーガニック ストレージサービス」 月額100万円
(5テラバイトの場合)
7月1日

【販売目標】

今後3年間で導入企業100社、受注額10億円を目標とします。

【オーガニックストレージサービスの特長と効果】

  1. 大容量・長期保管を実現

    ストレージファームから必要な容量の仮想ボリューム(お客様専用の論理領域)を自由に切り出してご利用いただくため、お客様のビジネスの拡大に合わせて小容量(500ギガバイト)からスタートし、エクサバイトクラスの大容量までオンデマンドに容量を追加していくことができます。

    また、ストレージファームを構成する機器の新陳代謝が可能であり、機器自体が陳腐化し、その機能を維持できなくなった場合でも最新機器への入れ替えによりサービスを継続できます。これにより、構成機器の寿命を超えた長期に渡るデータ保管サービスを提供していきます。機器の入れ替え中もサービスは継続可能であり、お客様の業務へ影響を与えません。

  2. さまざまな保管要件に柔軟に対応

    ストレージファーム内の仮想ボリュームへのアクセスを行うアクセスサーバ機能を、標準機能として提供いたします。本機能により、NFS(注5)、CIFS(注6)などの基本的なファイルアクセス機能に加え、お客様のご要望に応じたさまざまなオプション機能を提供することができます。提供を予定しているオプションサービスは以下の通りです。

    - 汎用バックアップソフトによるバックアップサービス

    - 認証サーバ連携(アクセス権一括管理)

    - ウイルススキャン

    - スナップショット(誤処理消去データ復旧)

    - クォータ(容量制限)など

  3. 安心安全なデータ保管を実現

    アクセスサーバと仮想ボリューム間において、アクセス開始時に、お客様ごとの暗号キーを格納したICカードを利用する認証処理を行うことで、誤ったボリュームへのアクセスを防止し、ストレージファーム共用時のセキュリティを確保します。また、情報漏洩防止のために、ストレージファーム内での暗号化サービスオプションも提供を予定しています。また、富士通データセンターは、ISMS(注7)やプライバシーマーク(注8)などの認定基準に対応しており、重要なデータについて、情報漏洩や地震・火災などからのリスクが低減可能となります。

  4. 運用を始めとするお客様の各種作業負荷を低減

    富士通のデータセンター内に設置したストレージファームを、運用管理とセットにしたサービスとして提供します。お客様は、設備投資のための予算化作業や導入作業、監視・運用・保守といった日常的な作業から解放され、データ保管に伴うさまざまな負荷が低減します。

【サービス提供形態】

富士通データセンター内にオーガニックストレージ技術を適用したサーバ群と各種監視・制御サーバ群を集約し、お客様のサーバ機器が遠隔地、もしくは既に富士通のアウトソーシングサービスを契約済で富士通データセンター内にあっても、ワンストップサービスとしての提供が可能です。(詳細は添付資料)

【商標について】

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

「オーガニックストレージサービス」は商標登録出願中です。

以上

注釈

(注1)株式会社富士通研究所:
社長 村野和雄、本社 神奈川県川崎市。
(注2)オーガニックストレージ技術:
最小構成要素となるディスクノード(自律制御ソフトウェアを付加したディスク装置)を汎用ギガイーサスイッチで接続、お客様の業務データを各ノードに分散保管する技術。自律的にノード結合させることで、装置自身が新陳代謝を行う巨大な仮想ディスクを作り出し、ディスク障害時の自己修復、容量不足時の容易なディスク拡張を実現。
(注3)ニアライン:
データ復旧時などの必要なときのみにアクセスするバックアップストレージと、常にオンラインでアクセスがあるプライマリストレージの中間に位置付けられるストレージ。アクセス頻度は低いものの、比較的高速のアクセスが求められる。
(注4)ILM(Information Lifecycle Management):
データの価値は時間の経過などによって重要度が変化し、その重要度に合わせて最適なストレージで保存するという考え方。
(注5)NFS(Network File System):
UNIXで使用されるファイルシステムの一つ。別サーバのファイルにネットワーク経由でアクセスできる。
(注6)CIFS(Common Internet File System):
Windowsネットワークで使用されている、ネットワーク上のリモートファイルシステムにアクセスするためのプロトコル。
(注7)ISMS(Information Security Management System):
情報セキュリティ管理全般に関する国際的な第三者適合性評価の制度。
(注8)プライバシーマーク:
個人情報を扱う電子システムを対象とした、日本情報処理開発協会(JIPDEC)が管理するセキュリティ認証プログラム。

関連リンク

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