[ PRESS RELEASE ](技術) |
2005-0079
2005年5月31日
株式会社富士通研究所
富士通株式会社 |
次世代光ネットワークにおける相互接続性を「FLASHWAVE 7500」で確認
〜NICT主催による10GbE-LANPHYインターフェース相互接続実験に参加〜
【相互接続実験参加の背景】
現在、北米市場を中心として、10GbE-LANPHYと呼ばれる通信規格をベースとした光伝送システムの導入が進んでいます。富士通も、第3世代都市圏(メトロ)向けで約8割となる高いシェア(注7)と多くの導入実績がある波長多重光伝送システム「FLASHWAVE 7500」に、10GbE-LANPHYインターフェースを実装しています。
しかし、10GbE-LANPHYは元々がインターネット機器を中心に発展した規格であるため、次世代光ネットワークの規約であるOTN上で運用するための詳細は標準化されておらず、異なるベンダー間での相互接続性の確認もなされていませんでした。
今回のNICT主催の相互接続実験は、キャリア間相互接続インターフェースの確立を目指し、10GbE-LANPHYに基づく光信号をOTN上で転送するための規約標準化に向けた取り組みです。この取り組みに、相互接続性検証ワーキンググループのメンバーとして参加し、「FLASHWAVE 7500」が、10GbE-LANPHYインターフェースを実装した他社のシステムと相互接続可能であることを確認することは、富士通のお客様にも大きな意味を持っています。
【相互接続実験による成果】
今回の相互接続実験により、「FLASHWAVE 7500」が、他社の10GbE-LANPHYインターフェースを実装したシステムと、10GbE-LANPHYの信号に特別な処理を施すことなく、約10マイクロ秒と極めて小さな遅延時間、100%のデータ転送効率で、接続可能なことが確認できました。
【今後】
今後も、相互接続検証実験を実施するメンバーの一員として、協力して標準化の推進を図るとともに、OTNなど次世代光ネットワークにおけるキャリア間相互接続インターフェース技術の確立を図っていきます。
以上
注釈
- (注1)株式会社富士通研究所:
- 社長 村野和雄、本社 川崎市中原区。
- (注2)「FLASHWAVE 7500」:
- 最大40波長を多重伝送可能なDWDM(高密度波長分割多重装置)システム。SONET/SDH系の信号をはじめとしてイーサネットやファイバーチャネルなどデータ系プロトコルの信号を収容し、多様な通信とトポロジに適用が可能。
- (注3)Optical Transport Network:
- 光の波長の信号を2地点間の接続(光パス)として取り扱う概念に基づいた大容量波長多重化転送ネットワーク。OTNアーキテクチャー(構築技術および構築技術に関する取り決め)は、国際電気通信連合・電気通信標準化部門においてG.872として1999年2月に勧告されている。
- (注4)10GbE-LANPHY:
- 2002年にIEEE 802.3aeとして標準化された転送速度毎秒10ギガビットのイーサネット物理層に関する規格の通称。膨大なデータの転送処理が可能なため、企業向けIPネットワークにおいて急速に拡がりつつある。
- (注5)10GbE-LANPHYインターフェース相互接続実験:
- NICTが主催するけいはんなオープンラボ相互接続検証ワーキンググループ(主査:慶応義塾大学 山中直明教授)を中心に行われた相互接続実験。同ワーキンググループは、OTN上で10GbE-LANPHY信号を直接転送するためのインターフェース規約の検討、標準化に向けた提案を進めており、株式会社富士通研究所および富士通株式会社もメンバー。今回の実験には、NICT、国内キャリアおよびベンダー8社、海外ベンダー1社が参加。詳細については、以下リリースを参照のこと。
http://www2.nict.go.jp/pub/whatsnew/press/h17/050531-1/050531-1.html
- (注6)独立行政法人情報通信研究機構:
- 理事長 長尾真。
- (注7)約8割となる高いシェア:
- 第3世代都市圏(メトロ)向け波長多重光伝送システムであるROADM(Reconfigurable Optical Add/Drop Multiplexing)システムの富士通のシェアは、ワールドワイドで75%、北米市場で83% (調査会社RHKの2005年3月のレポートによる)。
関連リンク
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