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車載レーダー用ミリ波高周波モジュールの低コスト化技術を開発〜世界で初めて、ミリ波回路の樹脂パッケージへの実装を実現〜
本技術は、車載レーダーの普及を促進させ、より安全な社会の実現に貢献するものです。今回開発した技術は、車載レーダーへの応用のほか、ミリ波超高速データ通信等の機器の低コスト化にも適用可能です。 【開発の背景】自動車の安全性をより高めるために、ミリ波回路を用いた車載レーダーの実用化が進みつつあります。車載レーダーのミリ波回路では、周辺の障害物や相対速度の情報を得るために、77ギガヘルツ付近の非常に高い周波数の電波を用いています。すでにユーディナデバイス株式会社では、セラミックパッケージにミリ波集積回路をフリップチップ実装(注4)した車載レーダー用ミリ波高周波モジュールを製品化していますが、車載レーダーの普及には、このミリ波回路モジュールのさらなる低コスト化が不可欠となります。 【課題】車載レーダーのミリ波回路では、非常に高い周波数での動作に対応するためにP-HEMT(注5)などのガリウム砒素系の化合物半導体を用いていますが、耐湿性の確保のために、これをセラミックパッケージに気密封止する必要がありました。しかも、高い周波数での特性を確保するためには、0.2ミリ程度の非常に薄いセラミックが必要です。このことが、ミリ波回路モジュールを低コスト化する上で妨げとなっていました。 【開発した技術】今回開発したのはミリ波回路モジュールを低コスト化する技術です。化合物半導体を用いたミリ波集積回路の配線部分を、ポリイミド・窒化膜・配線金属を用いた多層配線とすることで、チップ面積を縮小すると同時に集積回路自体の耐湿性を向上させ、世界で初めて、樹脂パッケージへ実装することを可能としました。 また、配線最上層を接地金属とする逆マイクロストリップ線路(注6)構造にし、これをフリップチップ実装することで、集積回路のチップサイズがミリ波の2分の1波長以上となると発生する共振を抑えることにも成功しました。 【効果】今回開発した技術により、樹脂パッケージでも十分な信頼性と高周波特性を持ったミリ波回路モジュールを構成できるようになりました。樹脂パッケージのコストは従来のセラミックパッケージに比べると10分の1以下です。また、配線の多層化により、ミリ波集積回路のチップ面積は現行の3分の1以下となりました。 さらに、樹脂パッケージはセラミックパッケージに比べて割れにくいため、樹脂パッケージ部にアンテナを接続するための導波管(注7)インターフェイスを持たせることが可能となりました。 【今後】今後、量産化技術を確立し、2007年頃のミリ波回路モジュールとしての製品化を目指します。 以上
注釈
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