|
||
|
|
世界初!シリコン基板上に高品位な強誘電体光学単結晶膜の形成に成功〜光デバイスとLSIの1チップ化に道〜
本技術は、将来の超小型光通信システムに向けて開発したもので、文部科学省の科学技術振興調整費「産学官共同研究の効果的推進(マッチングファンド)」を利用して達成されたものです。 なお、本技術の詳細は、6月に中国杭州で開催される第4回アジア電子セラミックス会議(AMEC-4)で発表する予定です。 【開発の背景】インターネット上でのデータ通信量が増大しており、大容量で高速な光通信システムの家庭への普及に向け、装置の小型化が求められています。従来の光通信システムは、光変調器など光信号を処理するデバイスと電気信号を処理するシリコンLSIの異なるデバイスが組み合わされて用いられており、システムの小型化にはこれらを1チップ化することが有効です。 【課題】光デバイスとシリコンLSIの1チップ化を実現するためには、透明で光の伝播損失が小さく、しかも電界で屈折率を変化させることのできる材料をシリコン基板上に形成させる技術が必要となります。 電圧を加えると屈折率が変化する電気光学材料として強誘電体(注3)があります。これまでもシリコン基板上へ強誘電体膜を形成させる試みはありましたが、光が伝播するのに必要な1マイクロメートル以上の厚みまで規則正しい原子配列を保ったまま形成させることが難しく、シリコン基板上で高い電気光学効果をもつ材料が存在しないという課題がありました。 【開発した技術】今回開発したのは、シリコン基板上へ強誘電体光学単結晶膜を形成させる技術です。シリコン基板と強誘電体結晶との間に複数の層を導入することで、原子配列の乱れをおさえ規則正しく配列した強誘電体単結晶膜(エピタキシャル膜(注4))を、シリコン基板上に形成する技術を実現しました。 開発した技術の特長は、以下のとおりです。
【効果】今回開発した技術は、光デバイスとシリコンLSIとを1チップ化した新しい小型の光通信用デバイスの実現に道を開くものです。電気光学特性は、光通信に用いられている波長(1.55マイクロメートル)の光で、ニオブ酸リチウムの1.5倍となる1ボルト当たり27ピコメートル(27pm/V)の電気光学定数(注5)を確認しています。また伝播損失は1センチメートル当たり3デシベル(3dB/cm)以下(注6)で、実用可能なレベルであることを確認しています。 【今後】今後、本技術を元に、更なる電気光学特性の向上と、大面積のシリコン基板上により均質で高品質な電気光学結晶を形成可能なプロセス技術の確立を図ります。 以上
注釈
関連リンク
プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容、お問い合わせ先などは、発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。ご不明な場合は、富士通お客様総合センターにお問い合わせください。 |
|