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富士通研とリコー、業務活動情報の記述フォーマットを共同開発〜次世代Web技術を用いてナレッジの蓄積、活用が容易に〜
なお、本件は、11月9日から広島で開催された国際会議「International Semantic Web Conference (ISWC2004)」で発表いたしました。 【開発の背景】インターネットやブロードバンドの普及に伴い、ネットワーク上で多種多様なシステムや機器を介して、さまざまな情報が流れるようになりました。来たるユビキタス社会では、ユーザーがいつでもどこでも自由にネットワーク上のシステムや機器を用いて、情報を組み合わせて業務を遂行する業務スタイルが確立されると期待されています。 【課題】しかし、これまでの情報記述フォーマットは、「Webページや画像など特定メディアを対象としたもの」「e-コマースなど特定の業務に特化したもの」「特定の機器間に限定されたもの」がほとんどであり、それらを利用して人がどのような活動をしたのかを記述する共通的なフォーマットは存在しませんでした。このため、異なる種類のシステムや機器を組み合わせて業務活動を行なった場合、個々のシステムや機器に閉じてしか情報を共有することができませんでした。 【開発した記述フォーマット】今回開発した記述フォーマットは、業務活動のさまざまな場面に共通して現れる「人」や「モノ」に注目し、それらに関する基本情報と、互いの関係を記述するためのものです。フォーマットでは、企業を構成する人や組織、業務で利用するシステムや機器、業務で生産されるドキュメント、業務で発生するミーティングなどのイベントに関する情報の意味を、コンピュータが理解できる形で定義しています。 また、今回開発した記述フォーマットの定義には、次世代Web技術として注目されているセマンティックWebの中核仕様であるOWL Web Ontology Language(注4)を用いています。今後セマンティックWebの発展と共にOWLに基づいて記述されたシステムや機器が世界的にも増えてくることが予想され、将来的にそれらとの情報交換を容易にするためです。 【効果】今回開発した記述フォーマットを用いて、富士通研究所は、タスクコンピューティング技術(注5)をベースにして各種の機器が連携するミーティングナレッジ管理システムを開発しました。このシステムでは、RFIDタグとの組み合わせにより、日常のミーティングにおける「誰が誰にどういう資料をプレゼンした」「誰がどういう会議に出た」などの活動情報を本記述フォーマットで自動的に記録することが可能となります。さらに、記録した活動情報を自動分析することで、「誰がこの仕事に詳しいか」「誰と誰が一緒に仕事をしているか」といった人に関する知識を抽出し、ある技術に詳しい社内専門家の人脈を探すといった高度なKnowWho(注6)検索を実現し、業務における生産性向上に貢献します。 一方、リコーは、デジタル複写機などの情報機器やドキュメント管理などのアプリケーションをシームレスにつなぐためのプラットフォーム「ドキュメントハイウェイ(注7)」と連携するナレッジリソースの検索システムのプロトタイプを開発しました。このシステムでは、ドキュメント管理システム内のプロジェクト情報をもとに人、組織、プロジェクトといった多様なリソースが保有するナレッジを抽出し、特定のナレッジを持った人、組織、プロジェクトといった様々なリソースを検索することで、オフィスにおける生産性向上・知識創造を支援します。 【今後】今後、開発した記述フォーマットの仕様を公開するなど広く標準化に向けた協力を求めながら活動をすすめ、本記述フォーマットの業界標準化を目指していきます。 また、本形式の利用例として開発した富士通研究所のミーティングナレッジ管理システムについては、さまざまなシステムや機器との接続性を検証し、2006年度の製品化を目指した研究開発を進めていきます。 一方、リコーのナレッジリソースの検索システムは、ドキュメントハイウェイ上の新たなサービスとしてお客様に提供することを目指しています。 以上 注釈
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