[ PRESS RELEASE ] |
2004年7月7日
情報・システム研究機構 国立遺伝学研究所
富士通株式会社 |
遺伝研と富士通 世界最高速の次世代バイオデータベースを共同開発
〜常識を打破る1000倍の検索スピードと大幅な費用(TCO)削減効果で世界のスタンダードを目指す〜
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国立遺伝学研究所(静岡県三島市、所長代行:小原雄治、以下 遺伝研)と富士通株式会社(東京都港区、代表取締役社長:黒川博昭、以下 富士通)は、ポストゲノム時代を迎えてますます重要性が高まるバイオ分野(2010年 25兆円の市場規模)の研究・ビジネス基盤となるデータベース技術について、世界最高速を実現する次世代データベースシステムを共同で開発研究し、この分野における世界のデファクトスタンダードを目指すことで合意しました。
今回共同開発するシステムは、富士通製のXML型データベースエンジン「Interstage Shunsaku Data Manager Enterprise Edition(以下 Interstage Shunsaku,インターステージ シュンサク)」を基盤技術として採用しております。この発表に先立って開発したプロトタイプシステムでは、既に現行システムと比べて100倍以上の高速化を実現しています。
なお、プロトタイプシステムは、遺伝研の生命情報・DDBJ研究センター(センター長:五條堀孝、以下 DDBJ)を通じて、本年中に全世界に向けて一般公開する予定です。
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遺伝研の生命情報・DDBJ研究センターは、欧州の分子生物学研究所(EMBL)、米国の国立衛生研究所(NIH)とともに、3大国際DNAデータバンクとして日本DNAデータバンク(DDBJ: DNA Data Bank of Japan)を運営しており、世界最大のゲノムや遺伝情報の構築・提供を行っています。 DDBJは、全省にわたる様々な生物のゲノムプロジェクトのデータや特許庁の公開データなどが集積され、わが国の国際的な生命科学研究の拠点として位置付けられています。
現在、3,500万件、398億塩基(新聞200年分)のDNAデータが登録され、その登録件数は爆発的な勢いで(年率2倍)増大しています。また、その利用者数は1日1万件を越えるアクセスがあり、DNAデータベースの高速化は「生き馬の目を抜く」ほど激しいといわれるバイオ開発研究の国際競争の鍵となると理解されています。
本共同開発では、富士通が世界に先駆けて開発した「Interstage Shunsaku」という全く新しいXML型データベースエンジンを先端的な基盤技術として活用します。この世界初の新技術は、大規模なデータ量、大量の検索要求に対しても世界最高速の検索性能を実現でき、利用者の様々な検索要求に対し瞬時に結果を返すことができます。したがって、今回の共同開発が成功すれば、個体−器官−組織−細胞−分子レベルに独立した現在の研究がこれまで以上に円滑に推進できるだけでなく、医療の最前線で、ガンや高血圧、糖尿病などの疾患をキーとして各分野の最新研究成果に基づくテーラーメード医療も可能になり、さらに新薬の開発など研究開発期間の画期的な短縮が期待できます。つまり、健康・医療ユビキタス社会の到来を一層加速する事ができると考えられます。また、このようなデータベース検索の超高速化は、世界中の利用者の獲得を可能とし、バイオ情報での事実上の国際標準化を達成することになります。
富士通とDDBJは、Interstage Shunsakuが元来通常の文書検索の超高速処理を目指したものであることから、先進情報技術を必要とする急成長のバイオ分野を大規模で複雑なデータ処理技術の格好の実践的試験の場として捉え、この共同開発を通して、次世代バイオデータベースシステムを開発研究していきます。この分野での実績を元に、富士通はこの新技術をさまざまなビジネス分野にも拡大し、世界展開を狙うとともに、DDBJは情報生物学分野における世界のリード役としての位置付けを確立したいと考えています。
【商標について】
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以上
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