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世界最高速!毎秒144ギガビットで動作する光通信用ICを開発
今回開発した技術は、毎秒100ギガビット以上の伝送速度に対応した次世代通信用LSIを実現させるためのものです。 本技術の詳細は、6月6日から米国フォートワースで開催されているIMS 2004(International Microwave Symposium)で発表します。 【開発の背景】将来の回線容量増大に備え、テラビット級(テラは1兆)の光通信システムの実現を目指した研究開発が世界中で行われています。その手段として、複数の光信号を多重化する波長分割多重(WDM)(注5)方式が有効ですが、同時に1波あたりの伝送速度を高めることも検討されています。セレクタ回路や多重化回路(マルチプレクサ)はそのための主要回路技術であり、毎秒100ギガビットを超える超高速回路の実現が世界的に注目されています。 【課題】マルチプレクサのような大規模回路では、データが最終段の回路ブロックに到達するまでに遅延時間が生じます。データはクロックのタイミングで処理されるため、通常、クロック遅延回路を用いてこの遅延時間を補償しています。しかし、データ速度が毎秒100ギガビット以上になると、データスロット(1データの時間的長さ)が10ピコ秒以下(ピコは1兆分の1)と極めて小さくなるため、クロックの遅延時間の制御には高い精度が求められます。 また、回路を構成するトランジスタには高速性と高い歩留まり(注6)が要求されます。高速化は、トランジスタのゲート電極を微細化することで達成できますが、従来、化合物半導体で用いられてきた微細ゲート電極(断面構造がT型)では、ゲート長が0.1マイクロメートル以下になると機械的な強度が下がり、十分な歩留まりが得られなくなるという欠点がありました。 【開発した技術】今回開発したのは、InP-HEMT回路を高速化する技術です。
【効果】開発した技術を用いて、測定器限界である毎秒144ギガビットで動作するセレクタ回路と、毎秒100ギガビットで動作する4対1マルチプレクサを実現しました(図2)(図3)。今回開発したセレクタ回路はデジタル回路としては世界最高速度で動作しています。本技術によって、次世代光通信など100ギガビット超級の通信システムの実現に目処が立ちました。
【今後】今後は、今回開発した技術をもとに、マルチプレクサやデマルチプレクサ(分離回路)をはじめとした高機能・高集積回路の開発とそのさらなる高速化を進め、テラビット級の通信システムの開発へ貢献していきます。 以上 用語説明
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