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[ PRESS RELEASE ](技術)
2004-0084
2004年5月18日
株式会社富士通研究所

Webサイトのビジネス価値を向上させるサイト評価手法を開発

株式会社富士通研究所(注1)は、Webサイトのビジネス価値を向上させるサイト評価手法を開発しました。当社独自の評価手法「シナリオウォークスルー法」を発展させ、これを3段階のメニューとして提供可能としています。ビジネス目的にあった効果的なサイト構築が可能となり、Webサイトの顧客満足度や売上げへの貢献、問い合わせコストの削減などが期待できます。

今回開発した手法は、ビジネス価値の高いWebサイトを実現したいお客様に、コンサルティングやシステム構築サービスを効果的に提供するためのものです。

【開発の背景】

商品購入や企業間の取引でのインターネットの利用が拡大し(注2)、企業にとってWebサイトの重要性がますます高まっています。その一方で、サイトのユーザビリティ(使いやすさ)が悪ければ、利用者が購入手続を途中で断念するなどの機会損失や、コールセンターへの多数の問合せによるコスト増加が生じてしまいます。

現在、このような問題を解決するために、利用者の使いやすさを評価する「ヒューリスティック評価(注3)」や「ユーザビリティテスティング(注4)」といった評価手法が用いられていますが、近年、利用者の視点に加え、ビジネスへの貢献という視点からのサイト評価法を求める声が高まっています。

【課題】

ビジネスに適したサイトを実現するためには、利用者の視点での評価に加え、事業の視点でサイトの目的を明確化し、これらをサイト運営者や開発者が共有する必要があります。しかし、これまでは、サイトの目的が複数あることに加え、不特定多数の利用者の多様な利用状況を想定しなければならないことから、サイトの目的が曖昧に扱われ、ビジネス目的に最適化したサイトになっていない場合が多くありました。

【開発した手法】

今回開発したのは、当社独自のユーザビリティ評価手法「シナリオウォークスルー法」を発展させたWebサイト評価手法です。シナリオウォークスルー法は、Webサイトで実現すべき利用者の行動をシナリオ(注5)として記述することを特徴とする評価手法で、サイトの目的の明確化と、目的を阻害する問題点の発見が可能です。 今回、Webサイト評価の専門家でないお客様にも評価や改善のポイントを判りやすく提供できるよう、3段階のメニューとして提供できるようにしました。その特長は下記の通りです。

  1. 簡易サイト評価

    Webサイトの利用シーンの中で、ビジネスで重要と考えられる少数(1〜2)のシナリオを短時間で設定・評価するためのものです。シナリオウォークスルー法の導入を検討するお客様に、手法のメリットを体感していただくことが可能です。過去の適用事例で特に重要度の高かったシナリオのパターンや、お客様サイトと競合サイトを比較してシナリオをカスタマイズするノウハウを整理しました。

  2. 詳細サイト評価

    シナリオウォークスルー法を、ビジネスの目的に合ったサイト構築向けに特化させたものです。ビジネス分析の基本的手法であるイシューアナリシス(注6)を応用し、ビジネスの目的をシナリオに落とし込むプロセスを強化しました。ビジネス目的達成のための優先課題をシナリオに反映することが可能です。

  3. 定量サイト評価

    Webサイト改善の効果を、定量的かつ実証的に評価するためのものです。サイト利用の記録であるWebサーバのアクセスログからシナリオの達成度を計測し、改善の前後を比較できます。データ集計のノウハウとパターンの整理により、購入手続きの完了率、関連商品の同時購入率など、様々なシナリオの達成度を計測できます。

【効果】

開発した評価手法は、様々なWebサイトを対象に適用検証を行っています。

富士通のグループ会社のサイトのひとつに適用した例では、サイト開発者がサイトの目的をシナリオの形で把握した上でサイトを改善した結果、改善前に達成可能なシナリオが15%であったのに対し、改善後には70%のシナリオが達成可能となりました。

社団法人情報処理学会様のWebサイト(http://www.ipsj.or.jp/)リニューアルに利用して頂いた例では、改善前の評価では達成可能なシナリオが10%であったのに対し、改善後には60%(注7)のシナリオが達成可能となりました。

物販サイトで一部のシリーズ商品の紹介ページを改善した例では、そのページを訪れた利用者がシリーズ商品をまとめて購入する割合が約5倍に向上した事がわかりました。

適用検証を行ったお客様からは、「シナリオや問題点が、ユーザビリティ専門家でなくてもわかり易く、議論し易い」という評価を頂いています。

【今後】

本手法を用いたWebサイトの評価改善サービスを、富士通株式会社と株式会社富士通インフォソフトテクノロジより提供する予定です。

以上

用語説明

(注1)株式会社富士通研究所:
社長 藤崎道雄、本社 川崎市
(注2)商品購入や企業間の取引でのインターネットの利用が拡大:
日本の電子商取引の2002年度から2003にかけての市場成長率 BtoB36%、BtoC80%(経済産業省「情報経済アウトルック2003」2003年6月発表)。
(注3)ヒューリスティック評価:
ユーザビリティ専門家が、既知の経験則と照合することによりインターフェースを評価し、ユーザビリティの問題点を明らかにする手法。
(注4)ユーザビリティテスティング:
被験者が与えられた課題を実行する様子を観察してインターフェースの問題点を抽出する手法。
(注5)シナリオ:
サイト上で実現すべき利用者の行動と背景を具体的に記述したもの。「おじいちゃんが2週間後の孫の誕生日に向けてCMで見たおもちゃを探す」など。
(注6)イシューアナリシス:
主にコンサルティングファームで用いられるビジネス分析手法。目的を逐次的に分解することで、課題を網羅的かつ排他的に洗い出し、ツリー構造で整理した上で、課題の優先度を検討する。
(注7)改善後には60%:
今回のリニューアルでは、データベースから動的に生成されるページは改善の対象外とした。引き続きサイト改善を進める事により、さらなる向上が期待できる。

関連リンク

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