[ PRESS RELEASE ](製品・サービス) |
2004-0062
2004年4月7日
富士通株式会社 |
家庭用ブロードバンド・ネットワーク機器向け
セキュリティLSIを新発売
〜双方向毎秒100メガビットの高速通信と暗号処理を両立可能に〜
近年、FTTHやADSLをはじめとする常時接続型ブロードバンド・ネットワークの普及に伴い、家庭用ブロードバンド・ネットワーク機器においても高度なセキュリティが重要となっています。しかし、従来の機器では、暗号処理の一部をCPUに依存する方式であるため、CPUの処理能力が低いと通信速度が低下する問題がありました。
「MB86978」は、暗号処理をCPUに依存することなく行うインライン方式(注2)を採用しています。家庭用ブロードバンド・ネットワーク機器向けのセキュリティLSIとして、本方式を採用したのは本製品が初めてです。双方向100Mbpsの高速通信と暗号処理を同時に実現可能となるため、家庭用ブロードバンド・ネットワーク機器に最適です。
加えて、通信プロトコルについては、IPv4、および今後普及が見込まれるIPv6(注3)の両方に対応した柔軟性の高い仕様となっています。
|
MB86978 |
「MB86978」は、同時に販売を開始する機能拡張用LSI「MB86979」を併せて使用することで、確立可能な暗号通信路(トンネル)の数を増やすことができるため、企業向けネットワーク機器にも適用できます。
また、「MB86978」と、すでに提供を開始しているIPフォワーディングLSI「MB86977」(注4)を搭載した「VPN(注5)ルータ開発キット」も同時に販売を開始します。本キットを利用することにより、高性能VPNルータを短期間で開発可能となります。
【サンプル販売価格、および出荷時期】
製品名 |
販売価格(税別) |
出荷時期 |
MB86978 |
5,000円 |
4月7日より |
MB86979 |
5,000円 |
4月7日より |
VPNルータ開発キット |
50万円 |
6月より |
【販売目標】
【主な仕様】
プロセス |
CMOS 0.18マイクロメートル |
電源電圧 |
内部回路部;1.8V、入出力部;3.3V |
MACブロック |
IEEE802.3対応(WAN側、LAN側 計2ポート) |
PHY(注6)インターフェース |
RMII/MII選択可能 |
トンネル数(SA、注7) |
64件(暗号方向:64件、復号方向64件) |
暗号化/復号機能 |
DES/3DES(注8)、AES(注9) |
認証機能 |
HMAC-MD5, HMAC-SHA-1(注10) |
CPUインターフェース |
16、32ビット SRAMインターフェース |
パッケージタイプ |
FBGA(注11)-337ピン |
パッケージサイズ |
幅13mm、奥行13mm、高さ1.15mm |
【商標について】
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
用語説明
- (注1)IPsec(IP Security)処理:
- IPsecは、インターネットプロトコルを用いた暗号通信の規格。IPsec処理とは、具体的に暗号・復号化、認証処理を指す。
- (注2)インライン(Inline)方式:
- LSI内でIPsecパケット処理(暗号・復号化、認証処理の高速化)をする方式
- (注3)IPv6(Internet Protocol version 6):
- IPv4に改良を加えた次世代インターネットプトロコル。
- (注4)IPフォワーディングLSI「MB86977」:
- ルーティング、およびフィルタリングを行うLSI。双方向100Mbpsの高速通信が可能。(2002年6月27日発表済み)
- (注5)VPN(Virtual Private Network):
- インターネットなどの公衆網を使用しながら、拠点間を専用線接続した場合と同等のセキュリティを確保し、安全な通信を実現する技術。
- (注6)PHY(Physical):
- 物理層(OSI参照モデルにおける第一層)。
- (注7)SA(Security Association):
- 暗号通信を始める前に、暗号化方式や暗号鍵などの情報を交換・共有して確立された安全な暗号通信路。
- (注8)DES/3DES(Data Encryption Standard):
- DESはデータを暗号化する標準方式の一つ。3DESは、DESを3回繰り返すことで暗号強度を向上させるもので、一般に高速処理が困難とされている。
- (注9)AES(Advanced Encryption Standard):
- DESに代わる次世代の共通鍵暗号化方式。
- (注10)HMAC-MD5、HMAC-SHA-1:
- HMACは鍵付きハッシュ関数。MD5、SHA-1はハッシュアルゴリズム。
- (注11)FBGA(Fine-pitch Ball Grid Array):
- 超小型・多ピン対応表面実装型のパッケージ。
以上
関連リンク
プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容、お問い合わせ先などは、発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。ご不明な場合は、富士通お客様総合センターにお問い合わせください。
|