[ PRESS RELEASE ](技術) |
2004-0058
2004年3月31日
株式会社富士通研究所 富士通株式会社 |
ナレッジワーカーの生産性向上を実現するコラボレーション支援システムを開発
【開発の背景】
現在、各企業では、競争優位を確保するために、激しい環境の変化に対応しながら、タイムリーに差別化のための新しいサービスを生み出すことが求められています。そのためには、新製品開発やお客様ニーズへの迅速な対応など、取り組んでいる課題やそのときの状況に応じて、ダイナミックかつ柔軟に、部門を越えてナレッジワーカーが協調(コラボレーション)しながら、業務を行うことが不可欠です。
【課題】
業務上のコラボレーションにおいて、現在、電子メールが多用されています。しかし、多数のナレッジワーカーが関与し、複数のコラボレーションが並行する場合、コラボレーションの全貌を把握することが困難になり、業務全体の効率化が難しくなります。また、従来の電子メールの管理機能では、メールそれぞれの関係は表現できますが、実際の業務の進捗状況までは管理できませんでした。
【開発したシステムの特長】
今回開発したのは、ナレッジワーカーの効率的なコラボレーション状況を支援するために、ナレッジワーカーの間の依頼関係と依頼ごとのコミュニケーション状況を管理するシステムです。その特長は以下の通りです。
依頼関係と状況のツリー表示により一目でコラボレーションの全体像を把握
依頼と回答という形式で部門を越えて人を伝わっていく依頼の連鎖を、画面上でツリー上に表示し、さらに各依頼が未着手か作業中か回答されたかをリアルタイムに確認できます(図1)。
個々の依頼のコミュニケーション履歴表示によりコラボレーションの詳細を把握
一つの依頼の中で、どのようなやり取りにより作業が進められているのかを把握できます。
電子メールを使ったイベント通知によりリアルタイムに状況の変化を把握
Webアプリではリアルタイム性が損なわれるため、操作されるごとに電子メールで通知しますが、通知するかどうかの判断と、通知を受け取るかどうかの判断は、操作の内容により異なってくるため、ナレッジワーカーの判断を取り込めるよう工夫されています。
【効果】
今回開発したシステムにより、最初の依頼者は、現在の進行状況がわかるほか、別案件が発生したときに依頼先の手が空いているかどうかを知ることができるようになります。また、依頼を受けた側では、最上流でどのようなやり取りがあったかを知ることができるため、当初の趣旨から外れることなく手戻りのない効率的な作業が行えます。そのため、依頼された内容や経緯、進捗状況、関係者などの確認にかかる時間を大幅に短縮でき、また、遅れている業務や遅れそうな業務とそのボトルネックの発見が容易となるため、ナレッジワーカーの生産性の向上が可能となります。特に顧客への迅速な対応が必要な企業にとっては顧客対応のスピードアップが期待できます。
なお、本技術のデータ管理機能は、富士通のCRMパッケージ『BroadChannel』の依頼報告管理の一部として利用されています。
【今後】
ユーザーインターフェイスについての検討をさらに進め、機能向上を行うとともに、蓄積データの分析による新しいコラボレーション支援サービスを開発していく予定です。
以上
図1 依頼関係のツリー表示 [クリックすると拡大表示されます]
用語説明
- (注1)株式会社富士通研究所:
- 社長 藤崎道雄、本社 川崎市
関連リンク
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