英国ナショナルヘルスサービス（National Health Service）より
富士通が8億9600万ポンド（約1,700億円）の契約獲得

富士通は、今回の契約対象地域全域に診療情報システムを導入するにあたり、適宜既存の医療情報システムとの統合や新システムの開発、導入を推進していく予定です。またシステムの導入効果を十分に発揮させるために、トレーニングをあわせて提供します。

富士通サービスのディビッド・コートリーCOO（最高業務執行責任者）は以下のように述べています。「NHSのスタッフとして認定を受けている医者であれば、一般診療医（GP）や病院の臨床医（hospital clinicians）を問わず、英国のどの診療所や病院からでも瞬時に正確な患者の診療情報にアクセスすることができるようになります。これによって、医療従事者はより多くの時間を患者の治療にあてることができるようになり、今までとは比べものにならないほどの大きな効果が期待できます。」

このシステム導入によって、1,300万人の患者および、7つの戦略的医療機関（Strategic Health Authorities）や81のプライマリケア財団（Primary Care Trusts）、48の病院財団（Hospital Trusts）、18の精神医療財団（Mental Health Trusts）、12の緊急医療財団（Ambulance Trusts）および1,938拠点の 一般医診療所（GP practices）に所属する25万6,000人のNHSスタッフが恩恵を受けることになります。

ディビッド・コートリー氏はまた、「このNHSの積極的な近代化プログラムに期待される恩恵を確実に引き出すために、富士通は必要なプレイヤを選抜し組織しました。富士通は、このプログラムによって英国南部地域の医療サービスを劇的に改善させることが、自分たちの役割であると認識しています。」と述べています。

NHSのIT担当局長（director general of NHS IT）であるリチャード・グレンジャー氏は「全ての患者に対して各人の診療情報を開示することは、国家のIT化において非常に重要なプログラムとして位置付けられており、この仕事を富士通と一緒に推進できることを大変嬉しく思います。富士通のこのプロジェクトに対するコミットメントは調達プロセスにおいて明確に実証されてきました。私は患者および医療機関のプロフェッショナルに世界トップレベルのソリューションを提供するために、富士通とともに働きたいと考えています。」とコメントしています。

富士通のチームは、富士通アライアンス（Fujitsu Alliance）と呼ばれ、富士通がプライムコントラクターとしてシステムインテグレーションを担当し、中核の医療アプリケーションについてはIDX Systems Corporation とBritish Telecomが、医療アプリケーションの導入とデータ移行は TATA Sonsの一部門であるTata Consultancy Serviceが、またセキュリティとトレーニングはPricewaterhouseCoopers LLPがそれぞれ担当する編成になっています。

2003年2月、英国厚生省は国家プログラムにおける、地域サービスプロバイダー（Local Service Provider）を公募しました。合計99のITプロバイダーが応募し、5月に31社が次の応募プロセスのフェーズへ選抜されました。候補者リストは8月には12社に絞られました。この12社は、英国の5つの地域の中から、1地域またはそれ以上の地域に対し、自社の適性によって自由に選択し応札しました。

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。