[ PRESS RELEASE ](製品・サービス) |
2004-0019
2004年1月27日
富士通株式会社 |
光通信システム用波長分散スロープ付き可変分散補償器を開発
〜長距離光通信で利用する全波長帯の正確な波長分散補償を実現〜
通信量の大容量化に伴い普及が進められている、毎秒10ギガビット以上のDWDM伝送システムでは、波長分散補償が不十分な場合、受信部で正確な信号が受信できず回線品質の劣化が発生します。また、波長分散は各回線の光ファイバの種類や回線距離などによって変化し、DWDM伝送システムでは、全波長帯の正確な波長分散補償が要求されています。
今回開発した補償器は、各種類の光ファイバに対して行う波長分散スロープごとの分散補償機能の設計と、回線距離に応じた分散補償の任意設定により、DWDM伝送システムなど高速・長距離光通信システムで利用するすべての波長帯の正確な分散補償を実現できます。
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VIPA(バイパ)型 波長分散スロープ付き可変分散補償器 |
また、縦170ミリメートル(以下、mm)、横130mm、高さ29mmと、現在一般的に利用されている分散補償機能を有した分散補償ファイバに比べ、分散補償部のスペースを体積比で約10分の1に縮小することも可能です。
【本製品の特長】
- 長距離光通信で利用する全波長帯の正確な波長分散を補償
現在一般的に利用されている分散補償ファイバでは、各回線の光ファイバの種類や回線距離に応じて、分散補償に必要な長さのファイバを設置することが必要でした。
本製品は、各種類の光ファイバに対して行う波長分散スロープごとの分散補償機能の設計と、回線距離に応じた分散補償の任意設定を行うことにより、各回線の光ファイバの種類や回線距離に依存することなく、長距離光通信で利用する全波長帯の正確な波長分散補償を実現できます。
また、きめ細かい分散補償が必要な長距離光通信システム構築において、回線設計における分散補償設計の簡易化、分散補償器の調達・在庫の圧縮、システム敷設時の導入作業および回線ルート変更時の設定作業の簡略化など、効率的な分散補償マネジメントが可能となります。
- 分散補償部の省スペース化に貢献
縦170ミリメートル(以下、mm)、横130mm、高さ29mm の小型サイズを実現しており、各回線の光ファイバの種類や回線距離に応じて分散補償に必要な長さを設置する分散補償ファイバに比べ、分散補償部のスペースを体積比で約10分の1に縮小することも可能です。
当社は、4月より本製品のシステム評価用製品サンプルを出荷し、お客様のニーズに応じ、各種光ファイバに対応した波長分散スロープ付可変分散補償器を提供していきます。
なお、製品サンプルを1月28日から30日まで東京ビッグサイトで開催される「ファイバーオプティクスEXPO(FOE2004)」に出展する予定です。
【商標について】
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
用語説明
- (注1)
- VIPA(Virtually Imaged Phased Array):薄板の両面に反射膜をコーティングした波長分散素子(VIPA板)および反射ミラーにより構成された富士通が特許権を有する分散補償デバイス。
- 波長分散:波長ごとに異なる伝送速度の違い。
- 波長分散スロープ:波長分散が変化する度合い。
関連リンク
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