[ PRESS RELEASE ](製品・サービス) |
2003-0227
2003年12月22日
富士通株式会社 |
分子動力学計算ソフトウェア「Materials Explorer」を発売
〜ナノテク、新素材の研究開発に貢献〜
|
|
当社はこのほど、新素材の開発などに際し、対象物質の原子や分子の挙動の変化をパソコン上でシミュレーションできるソフトウェア「Materials Explorer(マテリアルズエクスプローラ)」を12月25日より販売します。
本製品は、「WinMASPHYC(ウィンマスフィック)」の後継製品であり、従来に比べ、日本語対応、ガイド機能の強化、対応材料の多様化など、様々な使い勝手、機能向上を図っています。
本製品により、半導体・金属のコーティング、ナノ材料などに関わる様々な研究・開発が容易かつ短期間に実現できるようになります。
|
|
|
|
近年、材料開発においては、ナノテクノロジ分野で見られるように、原子や分子の挙動の変化を解明して、微細な物質単位レベルで行う開発に焦点が移されつつあります。
その際、ガラス中のイオンがどのように拡散するかなど、実験では得られない情報を必要とする場合もあり、コンピュータ上での原子や分子のシミュレーションが不可欠になっています。
当社では、同分野を支援するソフトウェアとして、1998年より、「WinMASPHYC(ウィンマスフィック)」を提供してきました。これまで、国内外でのお客様の声を反映し、表面吸着や結晶成長、損傷などをシミュレーションする様々な機能を強化しながら、化学業界や大学の研究機関などを中心に、約1,000本販売してきました。
今般、同製品のユーザインタフェースを日本語化し、データ作成から実行まで利用者をナビゲートする機能を強化してより使いやすくするとともに、金属やセラミックなど、対応できる材料を大幅に拡大いたしました。
本製品は、研究内容に応じて4つのグレードからお選びいただけます。
-
Standard | : | 分子動力学を初めて学ぶ方のための入門向け機能を搭載した製品です。計算の実行や計算結果表示など、基本的な機能を利用できます。 |
Professional | : | 様々な材料を取り扱う研究・開発者向け機能を搭載した製品です。Standard版の機能に加え、計算結果の機能解析などが可能です。 |
Master | : | Professional版の機能をさらに拡張し、弾性定数や速度自己相
関関数など、より高度な解析機能を利用できます。 |
Ultra | : | 外場(電場、磁場他)、結晶成長、表面吸着など高度な機能を搭載しています。 |
なお、当製品は、2004年1月20日(東京)および1月23日(大阪)に開催される「計算化学新製品発表セミナー(当社主催)」にて詳しくご紹介する予定です。
【販売価格および出荷時期】
製品名 |
販売価格(税別) |
出荷時期 |
Materials Explorer Standard |
10万円 |
1月上旬 |
Materials Explorer Professional |
60万円 |
1月上旬 |
Materials Explorer Master |
120万円 |
1月上旬 |
Materials Explorer Ultra |
240万円 |
1月上旬 |
※別途、教育機関むけ価格もご用意しております。
【販売目標】
【各製品の特長】】
- 日本語対応、およびウィザードによるガイド機能
ソフトウェア本体、マニュアル、チュートリアルが日本語対応となりました。
また、初心者向けの「標準モード」と上級者向けの「エキスパートモード」があり、利用目的によって使い分けることができます。「標準モード」では、ウィザードによるガイドに沿って操作することにより、データの作成から計算の実行までを簡単に行うことができます。「エキスパートモード」では複雑なモデリングの設定が可能で、「標準モード」ではできない詳細な条件設定および計算が可能です。
- 計算のためのパラメータ見積もり機能(Ultra版のみ)
分子動力学計算は、計算対象に依存した時間刻み幅、熱浴の仮想質量係数などの専門的なパラメータの設定が必要となります。本製品のUltra版には、計算時のパラメータを見積もる機能を搭載しており、予め妥当なパラメータの設定をすることで計算の異常を未然に防ぎます。
- 計算実行中の状態をモニター可能
長時間のシミュレーションを行う際、正常に進行していることをリアルタイムに確認することができます。
- 様々な物質を固体、液体、気体の各状態でシミュレーション可能
複雑な原子構造を作成できるモデリング機能および、多彩なポテンシャル関数・ポテンシャルパラメータライブラリを装備しており、金属から蛋白質まで様々な物質を固体、液体、気体の各状態でシミュレートできます。
- 分子モデリングツール、電荷決定ツールのサポート(Master版、Ultra版)
分子モデリングツールにより自分がシミュレートしたい分子をコンピュータ上で作成することができます。
また、正確なシミュレーションを行うためには、分子内の原子の電荷を決定する必要があります。従来の分子軌道法での電荷決定は、大きな分子に対しては非常に計算コストがかかりましたが、付属の電荷決定ツールを用いることで、低コストで電荷の決定ができます。
- 近接する原子や分子の構造緩和機能(Ultra版のみ)
液体のシミュレーションを行うには、原子や分子をランダムに配置する必要がありますが、現在の一般的手法では、この配置を行う際に原子や分子が非現実的な位置に重なって正しい結果が得られないという問題があります。Ultra版の「近接する原子や分子の構造緩和機能」は、原子や分子を現実的な位置に再配置できるため、正しい結果を導き出すことができます。
【動作環境】
OS: Microsoft®Windows®2000、Microsoft®Windows®XP
【商標について】
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
関連リンク
プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容、お問い合わせ先などは、発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。ご不明な場合は、富士通お客様総合センターにお問い合わせください。
|