[ PRESS RELEASE ](製品・サービス) |
2003-0179
2003年9月30日
富士通株式会社
株式会社富士通研究所
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大容量光ディスク、高集積半導体用フォトマスクなど、ナノサイズの光学設計を支援
電磁波解析ソフトウェア「Poynting®」(光学対応版)販売開始
近年、通信デバイスや基板回路の設計・開発を行う場合、試作前にそれらの高周波特性や漏洩電磁波をシミュレーションするために、電磁波解析ソフトウェアが広く利用されるようになっています。富士通では、このような分野に対して、2002年よりFDTD法(*2)を用いたシミュレータ「Poynting® 」を提供してきました。
今般、両社共同で、主にマイクロ波帯で実績がある同製品の基本部分に、光の波長帯で使用するための様々な機能やノウハウを付加し、近接場光など、ナノサイズの光の挙動を解析するソフトウェアとして、製品化しました。
これにより、光学解析を必要とする様々な分野で、お客様は、通常のパソコンを用いて、3次元の高精度な光学シミュレーションをおこなうことが可能となります。
また、高機能なGUIにより、お客様は簡単にナノサイズの解析モデルの作成と、計算結果の可視化が行えるため、光学設計のための工数を大幅に削減できます。
本製品は、現行のDVDをしのぐ記録密度の光ディスクや、高密度集積回路を作る微細加工用フォトマスク、大容量光通信用の導波路デバイス、近接場光を用いた高精度な顕微鏡などの開発を強力にサポートいたします。
なお、光学対応のための技術は、経済産業省の支援を受けて実施した、平成14年度の(財)光産業技術振興協会の受託プロジェクト「大容量光ストレージ技術の開発事業」(平成15年度からNEDOプロジェクト)の成果を用いて開発したものです。
【販売価格および出荷時期】
製品名 |
販売価格(税別) |
出荷時期 |
Poynting®/V01L13 |
500万円 |
10月24日 |
*保守費用については、96万円(税別)/年となります。
【販売目標】
2006年度末までに売上10億円
【本製品の特長】
- 従来困難であった光波長帯での金属媒質モデルに対応
従来困難であった、光の波長帯での金属媒質モデルに対応しました。これにより、近接場光応用で重要な表面プラズモン増強(*3)などの現象のリアルな計算が可能となりました。この機能を利用することで、金属モデルを含む近接場光のシミュレーションが容易に実現できます。
- 光学分野での実用的な入射波の波源モデルを装備
光学分野で使用する際に必要な入射波の波源モデルを装備し、偏光、入射角度、開口形状、入射強度分布、レンズ使用など、光学分野固有のパラメータが設定できるので、実用的な解析が可能です。
- GUIによる簡単なモデル作成
高機能なグラフィカル・ユーザ・インターフェースにより、ナノサイズのモデル作成や、計算結果のリアルな3次元表示ができ,お客様の光学解析・設計を強力にサポートします。
- 差分格子の自動分割および部分的微細化による高効率で高精度な計算
計算を行う際に必要となる差分格子は,マウスの1クリックで自動生成されます。さらに、必要に応じて部分的に微細な格子を自由に設定でき、高い計算精度を保ったまま効率の良いシミュレーションを実現することができます。
【動作条件】
Microsoft® Windows® 2000,
Microsoft® Windows® XP professional が動作するPC/AT互換機
【商標について】
- 記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
用語説明
- (*1)近接場光:
- 光の波長より小さい領域で支配的な役割をする光の局在成分です。
- (*2)FDTD法:
- Finite-Difference Time-Domain Methodの略称で、電磁波の挙動をコンピュ
ータで計算する手法の一種です。
- (*3)表面プラズモン増強:
- 金属表面の電子によって電場が増強される現象です。
関連リンク
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