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[ PRESS RELEASE ]
2002-0280
平成14年12月5日
富士通株式会社

世界初!
薬物代謝予測支援ソフトウェア「BioFrontier/P450」販売開始

当社は、株式会社富士通九州システムエンジニアリング(以下 FQS)と薬物代謝予測支援ソフトウェア「BioFrontier(バイオフロンティア)/P450」を共同開発し、12月5日より販売開始します。

本製品は、生体内で薬物などを分解するたんぱく質(以下 代謝酵素)であるチトクロームP450(*1)の薬物代謝反応データから、未知の代謝物を予測することが可能な世界初のソフトウェアです。

研究者は本製品を利用することで、薬物代謝過程の解析や創薬の初期段階における候補化合物の絞込みを、実際に化合物の合成、実験をおこなわずに可能となり、新薬開発を効率化できます。

具体的には、

  • 新薬候補化合物から毒性のある代謝物が生成される可能性の検討
  • 新薬候補化合物の体内での安定性の検討
  • 生体内で代謝されることで薬の効果を発揮する新薬候補化合物のデザイン
  • 代謝生成物の構造決定

などにおいて、本製品を活用できます。

本製品に登録されているチトクロームP450の薬物代謝反応データとその構造データは、クロアチア・ザグレブ大学のレンディク教授が収集しているデータを、FQSがデータベース化したものです。FQSは、これらのデータの国内独占販売契約を結んでおり、今後毎年300〜400件の新規データを追加していく予定です。

【「BioFrontier/P450」の主な機能】

  1. 新薬候補化合物の代謝予測機能

    新薬候補化合物の分子構造式から、代謝生成物と関与するチトクロームP450を予測し、根拠となる既知の代謝反応を表示します。他社製のソフトウェアで作成したMOLfile(*2)形式の分子構造式ファイルを読み込むこともできます。

  2. 薬物代謝反応データの検索機能

    分子構造式・化学反応式から、チトクロームP450の薬物代謝反応データやそれらの薬物、代謝生成物、代謝反応の誘導剤/阻害剤の分子構造式を検索することができます。また、化合物の名称による検索もできます。検索結果の分子構造式をMOLfile形式に、化学反応式をRXNfile(*2)形式にそれぞれ出力できます。

  3. 実験データの追加登録機能

    MOLfile, SDfile(*2)形式の分子構造式、RXNfile, Rdfile(*2)形式の化学反応式のデータを追加登録することができます。

【販売価格】

BioFrontier/P450 Webシステム(1サイトライセンス) : 3,000,000円
BioFrontier/P450 データ(1サイトライセンス) : 2,000,000円/年間

1サイトライセンスで、同一事業所内の範囲で利用できます。

【販売目標】

今後2年間で国内100セット

【動作環境】

  • サーバ
    OSWindowsNT4.0 SP2 以降, Windows2000, WindowsXP
    サーバアプリケーションApache Tomcat 4.1.12 以降
    java実行環境Java2 SDK standard Edition V1.3.0 以降
  • クライアント
    OSWindows98, WindowsNT4.0 SP2 以降, Windows2000, WindowsXP
    ブラウザInternetExplorer5.5 SP2 以降、Netscape Communicator4.75 以降

【用語説明】

*1 チトクロームP450
酸素を活性化して、多くの代謝反応(主として酸化反応)を触媒する代表的な酵素群。その中の数十種類の生体異物代謝酵素が、近年医薬品の開発やその使用上で注目されています。生体異物代謝酵素は、生体異物が長期間生体内に留まらないように、異物を代謝することで水に溶け易くし、体外へ排出されやすくします。近年、医薬品の効果の個人差や生体異物の発ガン性に、チトクロームP450が関与していることが明らかにされつつあります。
*2 MOLfile,SDfile,RXNfile,Rdfile
米国MDL Information Systems, Inc.が開発した分子構造式や化学反応式を分子内の原子種、原子の座標、原子間の結合表などのテキスト情報で表現するデファクトスタンダードのファイル形式。

以 上

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