[ PRESS RELEASE ] |
2002年11月27日
北陸先端科学技術大学院大学
富士通株式会社
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北陸先端大と富士通 グリッドコンピューティングに関する共同プロジェクトを開始
北陸先端科学技術大学院大学(学長:示村悦二郎、所在地:石川県能美郡辰口町、以下 北陸先端大)と富士通株式会社(以下、富士通)は、11月1日に、「協調プロジェクト支援推進環境に関する研究」と「統合システムの設計および開発」に関する共同研究開発プロジェクトを実施することで合意いたしました。
これは、平成14年度より文部科学省が新たに開始した、情報通信分野における「ITプログラム」(*1)の委託事業のうち、「eサイエンス」実現プロジェクト(*2)実施テーマの一つである「スーパーコンピュータネットワーク上でのリアル実験環境の実現」の研究開発実施機関として北陸先端大が選定されたことに伴うものです。
なお、本テーマの研究開発は、北陸先端大、富士通のほか、京都大学、広島大学、日本原子力研究所、金沢医科大学の計6機関による産学官共同プロジェクト「VizGrid」として実施いたします。
【共同研究開発プロジェクト実施の背景】
政府は「IT基本法」(高度情報通信ネットワーク社会形成基本法)に基づき、「e-Japan戦略」を推進中で、その中で研究環境のIT化を促進してきております。今回の共同研究は、研究環境のIT化を促進するとの観点から実施されている「eサイエンス実現プロジェクト」と呼ばれる、大学等がもつ知見・ノウハウ等の研究ポテンシャルを活用して産学官連携体制にて推進されるプロジェクトの一つに位置づけられたものです。
近年、科学技術分野では計算機インフラとして、地理的・組織的に分散したコンピュータやデータベースなどを統合・接続したグリッド環境が整備されつつあり、そのような環境を利用して各研究機関が協調して課題に取り組むこと(コラボレーション)が重要になってきています。本共同研究は、グリッド環境下でのコラボレーションを支援するための画像処理技術、通信技術等の研究開発と、医療分野、核融合分野での実証を目的としたものです。
【共同研究開発の概要】
- (1) 共同研究開発の目的
- この共同研究では、「スーパーコンピュータネットワーク上でのリアル実験環境」として、時間・空間・分野を超えたコラボレーション環境を実現することを目的としています。
- (2) 共同研究開発テーマ
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- 協調プロジェクト支援推進環境に関する研究
- 統合システムの設計および開発
- (3) 共同研究開発の主な内容
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- 実世界指向と仮想現実の統合による遠隔協調
- 臨場感(視覚、聴覚、力・触覚)を伝えることによる直感的な情報交換
- 遠隔地との協調環境下における遠隔機器制御(実験装置、計測装置、端末装置)
- データの構造化、動的階層化、時系列管理による研究者の視点でのデータアクセスと研究状況の把握
- シミュレーションの進行状況に合わせた自動リアルタイム可視化(静止画、動画)および自動配信
- 大規模データアーカイブ中からの視覚的かつ高速なデータ検索
なお、VizGridプロジェクトでは、「VizGridシンポジウム2002」(会期:平成14年11月28日、場所:株式会社富士通研究所(神奈川県川崎市中原区))を開催する予定です(*3)。
【用語解説または注釈】
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- *1 ITプログラム
- 我が国が取り組むべき情報通信分野の国家的な研究開発課題について、産学官の最も能力の高い研究機関を結集し、総合力を発揮できる体制により取り組むことを目的として、平成14年度から文部科学省が新たに開始した委託事業です。
- *2 「e サイエンス」実現プロジェクト
- 研究開発現場に高速研究情報ネットワーク等の高機能ITを活用することにより、研究開発スタイルを変革し、新たな研究分野(融合研究領域等)を創出する「e サイエンス」の実現に向けた、研究情報基盤技術の開発・整備・実証等を行うプロジェクトです。
- *3 VizGridシンポジウム2002
- VizGridプロジェクトの主催で、Virtual Reality、グリッドに関して世界をリードされている著名な研究者の講演と、VizGridプロジェクトメンバーによる開発技術の紹介が行われます。詳細につきましては、以下をご参照下さい。
VizGridシンポジウム2002:http://www.vizgrid.org/symposium-jp.html
以 上
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