[ PRESS RELEASE ] |
平成14年10月30日
STマイクロエレクトロニクス
富士通株式会社 |
STマイクロエレクトロニクスと富士通
FRAMを搭載した非接触スマートカードICを共同で開発
STマイクロエレクトロニクス(社長兼最高経営責任者:パスクァーレ・ピストリオ:以下ST)と、富士通株式会社(代表取締役社長:秋草 直之、本社:東京都千代田区丸ノ内、以下 富士通)はこのほど、富士通製FRAM(Ferroelectric Random Access Memory:強誘電体RAM)を搭載した非接触スマートカードIC「ST19ZR01」を共同で開発しました。
本ICは、STにとって、EEPROMとSRAMの替わりにFRAMを搭載した初めてのスマートカードICです。STは、認証済みのDESアクセラレータ回路とソフトウェアライブラリを搭載したサンプル品を、2002年末までに出荷する予定です。
「ST19ZR01」は、高度なセキュリティにより市場で評価されているSTの「ST19」スマートカード・プラットフォームと、高速書き込み・読み出し、低消費電力、高信頼性などの特長をもつ富士通のFRAM技術が融合したICであり、電子乗車券やIDカード等に最適です。
「ST19」スマートカード・プラットフォームは、最新のISO15408セキュリティ認証(コモン クライテリア)の認定を世界で初めて取得しました。「ST19ZR01」は、このプラットフォームのセキュリティに関する利点を全て実装しており、さらに、ISO14443-B規格に準拠しています。また、高速な暗号演算処理を実現するDESアクセラレータ回路と、オンチップメモリ用セキュリティ・ファイヤウォールを搭載しており、最高424Kbpsの高速データ通信に対応しています。
FRAM技術は、EEPROM技術に比べて、高速書き込み(200ns以下)、低消費電力などの優れた特長があります。「ST19ZR01」は、1.5キロバイトのFRAMを内蔵し、10年を超える高いデータ保持能力を有しています。本ICが現在使用しているFRAMのセル構造は、2トランジスタ2キャパシタです。今後は、1トランジスタ1キャパシタの新しいセルデザインを採用し、さらなるチップ面積の縮小と低コスト化を図る予定です。
STの「ST19」スマートカード・プラットフォームは、独自のEEPROM技術を基本に開発され、長年にわたり、さまざまな製品が、携帯電話(GSM)、銀行、医療、その他の分野のスマートカード・アプリケーションに幅広く使用されてきました。今回のFRAM搭載ICの追加により、電子乗車券などの非接触スマートカード・アプリケーションに多くの利点と新たな可能性がもたらされることになります。
富士通は、1996年よりFRAM技術の開発に取り組んでおり、1999年に、世界で初めて量産に成功しました。富士通のFRAMは、量産開始以降、ICカードやその他の分野向で、FRAM混載LSIやバッテリバックアップSRAMの代替用途など幅広い分野で使用されています。
本ICは、欧州で最大規模のスマートカード展示会として、11月5日から11月7日まで、フランス(パリ)で開催予定の「Cartes2002」において、ST、および富士通が出展する予定です。
【商標】
- FRAMはラムトロン社の登録商標です。
- 製品名等の固有名詞は、各社の登録商標または商標です。
以 上
プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容、お問い合わせ先などは、発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。ご不明な場合は、富士通お客様総合センターにお問い合わせください。
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