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[ PRESS RELEASE ] |
2002-0142
平成14年6月13日
富士通株式会社 |
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富士通が理化学研究所と
バイオインフォマティクスの共同研究を開始
富士通株式会社(社長 秋草直之、以下 富士通)は理化学研究所ゲノム科学総合研究センター(所長 和田昭允、以下 理研GSC) (*1)と、タンパク質の相互作用に関する情報に基づき、遺伝子間の関係性を推論するバイオインフォマティクスの共同研究を開始することで合意しました。
本共同研究の目的は、病気を引き起こす原因となる遺伝子(原因遺伝子)や創薬ターゲットとなる遺伝子を推定するのに役立つ、最先端の生命科学者、ゲノム創薬開発者に有益な情報環境を提供することです。
今回の共同研究により、富士通の高度な情報技術と理研GSCの世界トップレベルのバイオ研究技術を融合して、理研GSCはバイオ研究進展のための新たなバイオ情報処理技術の普及を、富士通はバイオ研究者の個別のニーズに合ったシステムの提供およびサービスビジネスの実施を目指します。本共同研究の推進にあたっては、富士通が運営する研究者・エンジニアのためのネットコミュニティNetLaboratory (*2)を利用します。
本共同研究では、病気の原因遺伝子や創薬ターゲットを推定するのに適した形式のデータベースを構築し、そこに蓄積したデータから遺伝子間の関係性を推論するシステムの開発を行います。さらに、研究者の新たな知識の発見を支援するために、病気の原因遺伝子や創薬ターゲットに関する様々な種類の情報を結びつけて、効果的に表現する方法の研究を行います。
- 1. 具体的な共同研究内容(図参照)
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(1) | 遺伝子間の関係性を推論するためのデータベース構築
ある遺伝子の振る舞いが他の遺伝子に与える影響に関する公開情報(文献情報、実験情報)から、病気の原因遺伝子や創薬ターゲットの推定に有用な情報を抽出し、蓄積する手法の開発 |
(2) | 遺伝子間の関係性を推論するシステムの開発
(1)のデータベースを利用して病気の原因遺伝子や創薬ターゲットの候補を推定し、関連性の高い候補から順にランキングする手法の開発 |
(3) | 様々な種類の情報の効果的な表現方法の研究
(2)のシステムで得られた病気の原因遺伝子や創薬ターゲットの情報と、文献や実験など詳細な説明情報を結びつけて、研究者が新たな知識を発見するために利用しやすい形式で情報を表現する方法の研究 |
- 2. 共同研究期間
- 平成14年4月22日より平成15年3月31日まで
- これ以降の共同研究の継続は、年度ごとに見直す予定です。
- 【注釈】
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- *1 理化学研究所ゲノム科学総合研究センター
- 生命科学の総合的な理解を目指し、網羅的な生命リソースの創出とデータ収集を行っています。取り扱う対象は「動物」から「植物」まで幅広く、「個体レベル」から「分子レベル」にまたがって研究を連携させることが可能な世界的にも例のない総合センターです。
- *2 NetLaboratory (http://www.netlaboratory.com/)
- 富士通 館林システムセンタ内に設置され、「科学技術の発展と普及への貢献」を基本理念とした、研究者・エンジニアのためのネットコミュニティです。先進のITを活用し、バイオ、CAE(Computer Aided Engineering)、材料設計、HPC(High Performance Computing)等の先進分野においてインターネットを活用した研究・開発の支援の"場"を提供しています。
- 【商標について】
- 製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以 上
共同研究の全体イメージ [クリックすると拡大表示されます]
プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容、お問い合わせ先などは、発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。ご不明な場合は、富士通お客様総合センターにお問い合わせください。
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