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強誘電体メモリを使用した不揮発セキュアDPGAを開発株式会社富士通研究所(社長 : 藤崎道雄、本社 : 川崎市)は、不揮発性メモリである強誘電体メモリに電子機器の論理動作情報を外部漏洩の心配なく記憶できる世界初の不揮発セキュアDPGA(Dynamically Programmable Gate Array)(*1)を開発いたしました。
今回開発した技術を用いると、電源を入れるたびに外部メモリから読み込んでいた機器の動作情報を、強誘電体メモリ上に外部漏洩の心配なく常時記憶しておけるので、システムの信頼性と高速動作、低コスト化が可能になります。
なお、本技術の詳細は、6月11日からホノルルで開催されているVLSI回路シンポジウムにて発表いたします。
【開発の背景】 近年、電子機器の製品開発スピードの増加に伴い、ゲートアレイ開発コストが増加しており、短期に開発できるFPGA(Field Programmable Gate Array)(*2)の重要性が高まっています。
高速のFPGAは、SRAMにFPGAの論理動作を規定する情報(コンフィギュレーション情報)(*3)を蓄積しているため、電源を切るとその情報が消失してしまいます。この情報の消失を防ぐため、現状のシステムでは外付けのPROM等の不揮発メモリにコンフィギュレーション情報を蓄積して、電源投入時にFPGA上のSRAMに転送していたため、PROMのコスト増や、ボード面積の増大という問題がありました。
そこで、コンフィギュレーション情報を消さずに、ボード面積も小さくできる技術の開発が望まれていました。
不揮発性メモリの一種である強誘電体メモリは、不揮発であり、かつCMOSロジックとの製造プロセスでの相性もよいことから、SRAMを置き換える市場にも利用されています。しかし、読み出し時に強誘電体メモリに特有なプレート線(*4)を駆動しなければならず、高速FPGAに要求される10ナノ秒以下での高速読み出しが難しいという欠点がありました。
【開発した技術】 今回開発したのは、論理動作情報の蓄積部に不揮発性の強誘電体メモリを使用し、電源を落としても、情報が消えない不揮発セキュアDPGAです。
その特長は、以下の通りです。
これらの技術によって、高機能で、不揮発のFPGAを実現でき、FPGAの市場をさらに拡大できるものと期待しています。また、量産デバイスとしてFPGAを使用する場合も、セキュリティの確保により、製造工場にてコンフィギュレーション情報を書き込んだ状態で出荷することができます。
以 上 プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容、お問い合わせ先などは、発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。ご不明な場合は、富士通お客様総合センターにお問い合わせください。 |
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