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[ PRESS RELEASE ] |
2002-0094
平成14年4月22日
富士通株式会社 |
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サイエンス系Gridソリューション提供開始
当社は、サイエンス分野向けを対象に、Grid(グリッド) (*1)の構築や教育、運用サポートを行う「サイエンス系Gridソリューション」を6月より提供開始いたします。
本ソリューションは、当社の高性能プラットフォームであるUNIXサーバPRIMEPOWER(OS : Solaris)、IAサーバPRIMERGY(OS : Linux)、スーパーコンピュータVPPシリーズ(OS : UXP/V)などを中心にお客様のGrid構築を支援するものです。
Gridとは、ネットワーク上のサーバやストレージ、データベース、アプリケーション、人的資源などのさまざまな資源をあたかも自分の端末にあるかのように使える仮想的なコンピュータシステムのことで、各種の研究機関や大学などで、研究開発、導入が始まっています。
このシステムによって、研究者は、これまで手に入れることがむずかしかった、計算能力や膨大なデータベース、さまざまなアプリケーション、専門家のアドバイスなどを自分の端末から簡単に利用できるようになると期待されています。
当社は、 株式会社富士通研究所(社長 : 藤崎道雄、本社 : 川崎市)と共同で、このGridの開発に早くから取り組んでおり、すでにe-Japan構想におけるGrid関連プロジェクトであるITBL (IT-Based Laboratory)プロジェクト (*2)においてGridミドルウェアソフトを納入したほか、スーパーSINET(スーパーサイネット)プロジェクト (*3)においては、GridのミドルウェアであるGlobus Toolkit (*4)を富士通製スーパーコンピュータVPPシリーズに移植し、九州大学、京都大学、名古屋大学のVPPにインストールしております。また、このGlobus Toolkit移植及び、Grid関連全般の技術について独立行政法人産業技術総合研究所と研究を行っております。
さらに、Gridの研究や標準化を推進する世界的なコミュニティであるGlobal Grid Forum(GGF) (*5)に日本企業として唯一スポンサーとして参加しているほか、欧州におけるGrid研究プロジェクトEUROGRIDの一環として、UNICOREプロジェクト (*6)にも参加するなど、国内外にわたり数多くの実績があります。
今回提供を開始するGridソリューションは、実績ある当社のグリッド関連技術をサイエンス分野向けに提供するもので、社内関連部署からなるサイエンスGrid推進チームを発足させ、今後の展開を加速させていきます。さらに、このGrid関連技術がサイエンス分野だけでなく、ビジネス分野にも大きなインパクトをもたらすものと考えており、ビジネス分野への対応も進めております。このように富士通は来るべきGrid社会に向け積極的な支援を行ってまいります。
【サイエンス系Gridソリューションの概要】
【サービス内容】
- Grid構築サービス
当社製高性能UNIXサーバPRIMEPOWERシリーズ、高性能IAサーバPRIMERGYシリーズ、スーパーコンピュータVPPシリーズを対象にGlobus Toolkitの導入・セットアップ、ネットワーク構築、Gridミドルウェアソフト開発、アプリケーション開発、お客様固有のGrid構築などを実施します。
- Gridサポートサービス
お客様のGridにおけるGlobus Toolkitに関する質問、トラブルへの対応と障害情報、機能拡張情報などの定期的な情報を提供します。
- Grid教育サービス
Globus Toolkit によるGridの構築、管理および使用方法などのGridに関する教育サービスを提供します。
- 【提供価格】
- 価格はいずれも個別見積です。
- 【販売目標】
- 今後3年間で260億円(300ユーザ、関連ハード製品を含む)
【ソリューションの特長】
- 当社の高性能UNIXサーバPRIMEPOWER、高性能IAサーバPRIMERGY、スーパーコンピュータVPPシリーズまでのさまざまなプラットフォームに対応
- Grid基盤となるソフトの開発、Gridミドルウェアソフト開発からアプリケーションを組み込んだGrid構築まで幅広い範囲でのお客さまGrid構築を支援するソリューションを提供。
- Grid構築の設計フェーズから運用フェーズまで全フェーズに渡ってお客さまのGrid構築・利用を支援するソリューションを提供
- 【用語解説】
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- *1 : Grid(グリッド)
- ここでいうGridとは、電力供給ネットワークを意味する「パワーグリッド」を語源とし、世界に分散するサーバやデータベース、アプリケーションなどのコンピュータ資源を電気や水道を使うようにいつでもどこでも容易に使えるようにする技術のことを指します。
- *2 : ITBL(IT-Based Laboratory)プロジェクト
- ITを活用して計算機資源の仮想的な共同研究環境を構築するプロジェクトのことです。日本原子力研究所、理化学研究所などの旧科学技術庁傘下にあった研究機関が推進しており、そのほかの研究機関、大学等へも拡張を予定しています。
- *3 : スーパーSINET(スーパーサイネット)プロジェクト
- サイエンス分野での研究拠点の拡大・研究資源や研究体制の充実を目的として10ギガビット/秒の超高速・広帯域の光通信技術を用いた基幹ネットワークを整備する文科省のプロジェクトです。国立情報学研究所が中心となり、国立研究所・全国共同利用大型計算機センター等が参画しています。これらの機関を接続する研究活動が、高エネルギー物理・核融合、バイオインフォマティクス、ナノテクノロジー、宇宙科学・天文学、GRIDなどの研究テーマ毎に開始されています。
- *4 : Globus Toolkit
- Gridを実現する業界標準のミドルウェアです。プロトコルとAPI(プログラム使用規約)を実装しているのが特徴です。
- *5 : Global Grid Forum(GGF)
- Gridを推進するオープンコミュニティです。富士通もスポンサーとして参加しています。
- *6 : UNICORE(Uniform Interface to Computing Resources)
- ヨーロッパにおけるGrid関連のプロジェクトのひとつです。ドイツ政府がスポンサーとなって1997年から始まりました。その成果はヨーロッパでのさらに大きなGridプロジェクトであるEUのEUROGRIDのコア技術として採用されています。
- 【商標について】
- 記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以 上
プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容、お問い合わせ先などは、発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。ご不明な場合は、富士通お客様総合センターにお問い合わせください。
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