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クリーンルーム中の分子汚染発生状況をリアルタイムに観測株式会社富士通研究所(社長 : 藤崎道雄、本社 : 川崎市)は、広島大学(工学部 奥山 喜久夫教授、島田 学助教授)とクリーンルームメーカーである株式会社朝日工業社(社長 : 高須 康有、本社 : 東京都港区浜松町)と共同で、最先端半導体の動作不良の原因となる半導体ウエハの分子汚染(*1)の発生原因を特定し、その削減対策に有効なリアルタイムモニタ技術を開発いたしました。
今回開発した技術を用いると、今までリアルタイムで観測できなかった半導体クリーンルーム中の酸やアルカリ等の汚染物質を、「いつ、どこから、どのように発生しているか」特定できるようになります。
なお、本技術の詳細は、4月20日から早稲田大学で開催される空気清浄学会にて発表する予定です。
【開発の背景】 近年の最先端半導体デバイスは、微細化の進展と新材料の採用により、分子汚染による動作不良の発生が深刻になってきており、デバイスの製造環境や半導体ウエハの保管中の分子汚染を低減する必要性が高まっています。
従来、半導体製造プロセスに影響を及ぼす分子汚染物質を測定するには、空気中の汚染物質を数10分間集めて分析するか、クリーンルーム中に半導体ウエハを数日間放置して、付着した汚染物質を分析するしかありませんでした。そのため、汚染状況が判明するまで非常に時間がかかり、汚染発生状況を正確に把握することが不可能でした。
そのため、分子汚染の発生場所やタイミングを正確に把握できるリアルタイムの観測技術の開発が望まれていました。
【開発した技術】 今回開発したのは、半導体ウエハと同じ材料の表面を持った水晶振動子に汚染物質が付着することで、発振周波数が微妙に変化するのを検出する小型・高感度なQuartz Crystal Microbalance(QCM)技術(*2)と、小型センサ本体(図1)、および測定データの解析技術(図2、3)です。
その特長は、以下の通りです。
本技術を用いた、最先端半導体工場のクリーンルームでの1年半にわたる評価測定実験の結果、ウエハ表面に付着する分子汚染量が、1平方センチあたり約1ナノグラム(10億分の1グラム)という高感度で長期間安定に観測できることがわかりました。また、半導体製造装置の稼動状態に同期して、周囲に分子汚染を飛散させている状況を正確に観測することができました(図3)。
今後、広島大学と共同で汚染物質がセンサ表面にどのように付着、脱落するかといった挙動解析を進め、2002年末ごろをめどに製品化する予定です。
[図2、図3はクリックすると拡大表示されます] 以 上 プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容、お問い合わせ先などは、発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。ご不明な場合は、富士通お客様総合センターにお問い合わせください。 |
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