半導体チップの構造解析ツール新発売
当ツールは、半導体チップの構造解析に最適で、構造解析システム「VOXELCON (ボクセルコン) V4 」(基本セット価格 400万円)のオプションとして販売します。当ツールの基本セット価格は400万円で、今後3年間で50セットを販売する予定です。
「VOXELCON V4」は「ボクセル技術」 (*2)を使った構造解析システムで、人間の骨や自動車の部品などの複雑な3次元形状物の構造解析にご利用いただいてきました。
今回提供する構造解析ツールは、「多層配線の形状入力ソフトウエア(カストマイズも含む)」「操作方法の教育」より構成されています。
今回の新製品を用いると、ボクセル技術を半導体チップの構造解析に適用できるため、試作品を作成せずに、半導体の内部強度や温度分布、振動状態の解析ができます。
さらに、 株式会社富士通研究所(本社 : 川崎市、社長: 藤崎道雄)と共同開発した構造解析用のテンプレートを提供しているため、およそ従来の9分の1の期間(約10日間)での構造解析が可能になります。
これらにより、集積度の高い半導体が短期間で設計できます。
本製品の特長は以下の通りです。
- 試作が不要
半導体チップおよび実装基板を含めて、熱応力や温度分布など、量産工程に進む前に、半導体の力学的な特性を、試作なしで解析できます。
- 開発期間の短縮
近年、ますます微細化が進む半導体の集積技術(銅配線 Low-k絶縁素材 など)および、プロセス技術に対応する、高精度な力学シミュレーションが可能になり、次世代の半導体開発の期間短縮、コスト削減、品質の向上や製造歩留まりの改善など、物性およびプロセスの両面で大きな効果があります。
- 豊富な解析機能
LSI内部の多層配線に対する、製造時の荷重状態および熱負荷による影響などの解析が可能です。さらに、静的解析(応力および熱応力)、定常熱伝導解析や実固有値解析の機能があります。
- [価格(税別)]
- 半導体チップの構造解析ツール 400万円より
- *当ツールをご利用いただくには構造解析システム「VOXELCON V4」(400万円より)が必要です。
- [販売目標]
- 今後3年間で50セット
- *半導体チップの構造解析ツールのみ
- 【用語解説または注釈】
-
- *1 : 構造解析
- 自動車、航空機、船舶、車輌、建物などの構造物に、力や熱が加わったときに内部に発生する応力、あるいは振動状態を、実験や試作をすることなく、コンピュータを用いたシミュレーションにより求める技術。
- *2 : ボクセル技術
- ミシガン大学の菊池教授により、80年代に研究が始められ、90年代に実用化がされた構造解析技術。任意の形状を数百万個の微細な6面体のサイコロ(ボクセル)に分割して表現する。CTスキャンのイメージからモデルを構築し解析する方法としても注目されている。
なお、「VOXELCON V4」は、株式会社くいんと(本社 : 府中市、社長 : 石井恵三)と富士通長野システムエンジニアリングが共同開発したもので、富士通を含む3社で2000年7月から販売しております。
- 【商標について】
- 記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

LSI多層配線の静的応力解析 [クリックすると拡大表示されます]
以 上

|