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Windows版分子モデリング・ソフト「CAChe」の最新バージョンを発売開始
〜 創薬にかかる期間の半減も可能に 〜
当社はこのほど、分子構造を計算しシミュレートする分子モデリング・ソフト「CAChe(キャッシュ)」 (*1)のWindows版最新バージョン「CAChe 5.0」を9月30日より発売開始いたします。
価格は企業・官庁向けは70万円から、教育機関向けは20万円からで、国内、海外を合わせて2003年3月までに1000本の販売を目標とします。
医薬品の世界では、がんなどの病気の原因となる特定の遺伝子やたんぱく質を調べ、その働きを抑える薬を開発したり、個人個人の遺伝子に合わせた効き目の高い薬を開発するといったゲノム創薬に関心が寄せられています。
本製品は、ゲノム創薬で重要となるたんぱく質の立体構造の解析や、薬が体に効くかを検証するドッキング・スタディー (*2)を、創薬化学者自らがWindowsパソコンで行えるようにするもので、一般的に10年以上かかると言われる創薬にかかる期間の半減も可能です。
本製品では、データ入力および計算が可能な原子数を、これまでの1,000から約20,000まで増加させ、さらに新たな機能としてアミノ酸の入力・編集を可能とさせる等機能強化を図り、たんぱく質のような生体高分子のモデリングを可能としています。
なお、本製品については、8月27日から開催される米国化学会(ACS: American Chemical Society)にて発表を行う予定です。
本製品の発売を前に、Windows版CAChe 4.4(現バージョン)を50%から60%引きでご提供する特別企画キャンペーンを、2001年 9月30日まで実施します。さらに、最新バージョン5.0へのアップデートを定価の約半額にてご提供いたします。
【機能強化の概要】
1.プロテイン対応機能(高分子対応)
- レセプター(たんぱく質)とインヒビター(薬)とのドッキング・スタディーが可能。
- MOZYME法(*3)による大規模分子の半経験的分子軌道計算が可能。計算可能原子数が1,000 原子から約20,000原子(メモリに依存)に大幅アップ(オプション)。
- スーパーインポーズ(分子の重ね合わせ)機能の強加。
- PDB(プロテイン・データ)ファイルからの変換フィルター及びアミノ酸残基等の情報を変換。
- プロテイン(高分子)向け各種プロパティー検索機能をサポート。
- シークエンス・ビュー(アミノ酸のシークエンス入力、ポイント・ミューテーション、その他)をサポート。但し、シークエンス・ビューは、Windows 版Medicinal CACheおよび CAChe Worksystem Proのみでサポートします。
2.PM5パラメータ
- MOPAC2000(*4)のPM3パラメータよりも生成熱が約4倍高精度なPM5パラメータ(*5)を追加。
- PM5パラメータに、Li,Be,B,Na,Mg,K,Ca他の新パラメータを追加。さらに、従来のPt,Fe,Cu,Agに加え、Mo,V,Pd遷移金属パラメータを追加。
3.Gaussian 98 インターフェース
Gaussian 98 (*6)のfchkファイルよりCACheファイルへの取り込みが可能。CACheのTabulatorにより分子軌道図、静電ポテンシャル面、等電子密度面他が作成できます。fchkファイルから読み込めるデータは次の通りです。
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・分子の構造 ・全SCFエネルギー ・双極子モーメントとそのxyz成分
・軌道エネルギー ・分子軌道係数 ・基底関数(f軌道まで)
【商品体系と価格】
CACheパッケージ製品(Windows版 8種類)
- Quantum CAChe :量子分子軌道パッケージ(MOPAC2000,ZINDO,Ex Huckel, Mechanics, Dynamics,Tabulator,GUI)。
企業・官庁:\1,400,000 教育機関:\400,000
- CAChe Worksystem :Quantum CAChe にProjectLeaderをプラスしたパッケージ。
企業・官庁:\2,100,000 教育機関:\600,000
- Medicinal CAChe :医薬分野にターゲットを置いたパッケージ。
企業・官庁:\1,750,000 教育機関:\500,000
- Ab initio CAChe :密度汎関数法DGaussを標準に装備した分子軌道計算パッケージ。
企業・官庁:\2,100,000 教育機関:\600,000
- CAChe Worksystem Pro :上記Ab initio CACheに、ProjectLeaderをプラスしたパッケージ。
企業・官庁:\2,800,000 教育機関:\800,000
- 配座探索CAChe :安定な分子の配座構造を自動探索する為の様々な機能 (CONFLEX,Mechanics)を装備したパッケージ。
企業・官庁:\1,200,000 教育機関:\350,000
- パーソナルCAChe :Mechanics,ExHuckel を装備した入門パッケージ。
企業・官庁:\700,000 教育機関:\200,000
- CAChe サテライト :GUIにProjectLeaderをプラスしたパッケージ。計算はサーバ上で行う。
企業・官庁:\875,000 教育機関:\250,000
【販売目標】
- 2003年3月までに国内、海外を合わせて1000本
【用語説明】
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- *1 CAChe
- Computer-Aided Chemistryの略で、分子の安定構造の探索や化学反応の予測、各種スペクトル計算、遷移状態探索ができる実験化学者向けソフト。
- *2 ドッキング・スタディー
- レセプター(人間の体=たんぱく質)とインヒビター(薬)のドッキング(薬として体に効くか)を検証すること。(薬とたんぱく質の各々の分子のかたちや静電性、疎水性等がスタディーに必要になります)
- *3 MOZYME法
- MOPACの計算手法を大規模分子(たんぱく質等)向けに改良した最新計算手法。
- *4 MOPAC2000
- 半経験的分子軌道計算の代表的なソフトウエアの最新バージョン、富士通のコンサルタントDr. James Stewart氏の開発。
- *5 PM5パラメータ
- 半経験的分子軌道計算MOPACで使用する代表的な計算用パラメータの最新版の名称。
- *6 Gaussian 98
- Gaussian Inc.の登録商標で、代表的な非経験的分子軌道計算のソフトウエア。
【商標】
- 掲載されている会社名、商品名はそれぞれの会社の商標または登録商標です。
以 上
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