通信事業者向け
次世代のソフトウェア開発会社「ルシーダ社」を米国シリコンバレーに設立
富士通株式会社(以下、富士通)は、社内のビジネスシーズの発掘・育成メカニズムである「スピンアウト・プログラム (*1)」の適用例としては海外初のルシーダ社(LUCIDA, Inc.)を平成12年11月に設立いたしました。ルシーダ社は通信の最先端技術が結集している米国シリコンバレーに本社を置き、このほど、米国・アジア・日本市場をターゲットに次世代ソフトウェアの開発事業を本格的に展開いたします。
IP、フォトニック、3Gモバイルなど、通信業界は常に激しい技術革新と競争が起きております。このような環境において現在の通信事業者の課題は、従来のネットワーク設備への重点投資から、投資効果を明確に意識した利益体質への転換、顧客満足度の向上、高度化したネットワークを活用した新規事業の開拓へと移行しております。
ルシーダ社は、富士通の通信ソフトウェア技術開発部門を前身とするチームが独立し、米国・アジア・欧州の通信業界に精通した人材を共同設立者にむかえ設立いたしました。富士通で培った通信ソフトウェア開発技術と豊富なビジネス経験を核に、米国の最先端技術を融合し、次世代のビジネス運用管理システムを提案し、お客様の課題解決のサポートをいたします。また、中国を始めとする海外リソースの活用により、製品・サービスを低コストかつ迅速に提供してまいります。
今後、ルシーダ社は有力なベンチャーキャピタルからの出資も視野に入れて、シリコンバレーのベンチャースピリットを最大限に活かした迅速な経営を実施していきます。
【会社概要】
(1)社 名 | : | LUCIDA, Inc.(URL: http://www.lucidainc.com/) |
(2)本 社 | : | 1353 Dell Avenue, Campbell, CA. 95008 U.S.A. |
(3)設立日 | : | 平成12年11月3日 |
(4)資本金 | : | US$2,080,000 (平成13年5月1日現在) |
(5)代表者 | : | President and CEO 豊島 康文 (Toyoshima, Yasufumi) |
[役員構成] | : |
Board of Director: Dr. Ray Chen
(サンノゼ大教授、前台湾立法院議員、RayTronグループ会長)
Board of Director : Kamran Hasan
(Cresnet社長、前コンサート社シニアマネジャ)
Board of Director : Hisashi Morikawa
(森川 久 現富士通第一トランスポート事業部システム制御部長) |
(6)社員数 | : | 30名(常勤役員2名を含む) |
(7)事業内容 | : | 通信事業者向け運用管理システムの開発と販売、通信ソフトウェアの開発受託など |
(8)売上目標 | : | 2001年度 US$5M |
【LUCIDA, Inc.の事業内容】
1.通信事業者向け次世代ビジネス運用管理システム「Lucida Insight(TM)」の開発と販売
- ネットワークの情報をビジネス管理からエンドユーザまでリアルタイムに直結させ、顧客サービスの向上、新規サービス開発、経営資源の有効利用を実現する次世代ビジネス運用管理システム
- 今後の主流であるIPサービスや次世代携帯電話(3G)サービスをターゲット
2.ソフトウエアの受託開発 [特に通信関連ソフトウエア]
- シリコンバレーの先進技術・情報を積極的に活用した設計開発
- 中国を始めとした海外リソースを活用し、低価格化を実現
- 現地法人・オフィスによる母国語での密着した顧客サポート
3.通信システム運用管理のコンサルテーション
ルシーダ社の技術チームは、DWDM (*2)、SDH/SONET (*3)、アクセス系機器 (*4)、3G、ルータなどネットワーク機器を対象とした通信ソフトウェアの開発経験と、SNMP (*5)、TL-1 (*6)、Q3 (*7)、CORBA (*8)、XML (*9)などのあらゆるプロトコルの技術・ノウハウを蓄積しており、お客様のあらゆるニーズに対応した信頼性の高い製品やサービスを提供することができます。
また、ルシーダ社は、中国を始めとした海外リソースを効率的に活用したグローバル開発体制を既に構築しており、お客様に低コストかつ迅速なサービスを提供いたします。さらに、国際色豊かな人材により、各国との豊富なビジネス経験を背景とした、英語、中国語、日本語などお客様の母国語による"現地主義"サービスを徹底してまいります。
ルシーダ社は、今後とも富士通との緊密な連携を図りながら、独立した迅速かつ柔軟な経営により、時代を先取りしたシリコンバレーの最先端技術やサービスを世界のお客様に提供してまいります。
【代表者の略歴】
氏名 | : | 豊島 康文 (とよしま やすふみ) |
出身 | : | 1950年兵庫県生まれ |
学歴 | : | 1973年大阪大学工学部卒業 |
職歴 | : | 1973年富士通株式会社入社 1989年Fujitsu America Inc.(サンノゼ)出向 2000年富士通株式会社退職、LUCIDA, Inc.設立 |
【用語説明】
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- *1 スピンアウト・プログラム
- 富士通内にある優れたビジネス・シーズの発掘と、外部リソースとの緊密な連携による新しい有力な企業を育成する。スピンアウト企業と富士通はWinWinの関係を実現し、新たなグループ経営のあり方とグループ全体としての競争力の強化、事業基盤の拡大を追求する。
- *2 DWDM [Dense Wavelength Division Multiplexing 高密度波長分割多重]
- 一本の光ファイバケーブルに数十波、数百波の光波をのせて従来の数十倍、数百倍の情報を伝送する方式
- *3 SDH/SONET [Synchronous Digital Hierarchy / Synchronous Optical Network]
- 光ファイバーを用いた高速デジタル通信方式の国際規格
- *4 アクセス系機器
- 通信ネットワークに電話機やコンピュータなど各種端末機器を接続するための装置の総称
- *5 SNMP [Simple Network Management Protocol]
- TCP/IPネットワークにおいて、ルータやコンピュータ、端末など、ネットワークに接続された通信機器をネットワーク経由で監視・制御するためのプロトコル
- *6 TL-1 [Transaction Language 1]
- 旧Bellcore (現Telcordia)が開発した北米の通信機器でもっとも使われている通信機器をネットワーク経由で監視・制御するためのプロトコル
- *7 Q3
- ITU-Tが開発した通信機器をネットワーク経由で監視・制御するためのプロトコル
- *8 CORBA [Common Object Request Broker Architecture]
- OMGが定めた異機種分散環境上のオブジェクト(プログラム部品)間でメッセージを交換するためのソフトウェア(ORBと呼ばれる)の仕様
- *9 XML [eXtensible Markup Language]
- World Wide Web Consortium(W3C)が制定した文書の構造を記述する言語
以 上
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