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[ PRESS RELEASE ] 2001-0124
平成13年6月28日
富士通株式会社
次世代携帯電話用途向け

PLL周波数シンセサイザLSI 3製品を発売

フラクショナル-N技術およびSCCT方式を採用

MB15F80UL


当社はこのほど、株式会社九州富士通エレクトロニクス(本社:鹿児島県薩摩郡、社長:泉 忠博)、富士通ヴィエルエスアイ株式会社(本社:愛知県春日井市、社長:武田 宏史)と共同で、50MHz〜2.6GHz帯対応PLL(*1)周波数シンセサイザLSI 3製品(MB15F83UL,MB15F86UL,MB15F88UL)を開発し、6月28日より発売いたします。
新製品は、フラクショナル-N(*2)技術およびノイズ補正回路SCCT(*3)方式を採用し、ロックアップタイム(*4)の高速化と低消費電力化を実現したことにより、携帯電話の品質向上に貢献いたします。

携帯電話市場の成長に伴い、携帯電話の必須部品であるPLL周波数シンセサイザLSIへの需要もますます高まっております。
新製品は、高速周波数切替などの次世代デジタル携帯電話システムの要求に対応可能なフラクショナル-N技術を採用しております。スプリアルノイズ(*5)については、当社独自のノイズ補正回路SCCT方式を採用したことにより、低消費電力(18ミリワット)と、当社従来製品比約2倍の高速ロックアップタイム(約140マイクロ秒)を実現いたしました。 [※GSM (*6)アプリケーション使用時]
また、最先端のBiCMOSプロセスU-ESBIC4(*7)を採用したことにより、低消費電力化と高周波2.6GHz帯域への対応を可能にしました。
さらに、高速ロックアップタイム用の切替端子やLPF部品(*8) 以外の外部部品が一切不要であるとともに、小型BCC(*9)-20パッケージを用いているため、実装面積を最大36%縮小できます。

当社は、PLL周波数シンセサイザにおいて、世界シェア約33%(当社調べ)とトップシェアを占めております。 今後も、市場の拡大が見込まれる携帯電話向けPLL周波数シンセサイザを核に、周辺RFデバイスやインターネット関連デバイスの開発を積極的に取り組んでまいります。

【サンプル出荷時期】
2001年6月28日
【サンプル価格】
300円 (税別)
【販売目標】
800万個/月
【主な特長】
  1. さまざまな携帯電話方式(GSM,W-CDMA,TDMA等)に対応するため、最大動作周波数別に消費電流を最適化した3製品を提供。
    (1)MB15F83UL
    (モジュロ(*10):13固定,動作周波数2.0GHz/0.60GHz,消費電流5.8mA電源電圧3V時)
    (2)MB15F86UL
    (モジュロ:3〜16可変,動作周波数2.0GHz/0.60GHz,消費電流5.8mA電源電圧3V時)
    (3)MB15F88UL
    (モジュロ:5or8 選択,動作周波数2.6GHz/1.2GHz,消費電流6.0mA電源電圧3V時)

  2. 高速ロックアップ時間 : 従来品(FxxSL/F7xSP)とくらべて、約50%高速化を実現。

  3. 低電源電圧動作保証 : Vcc=2.7V〜3.6V

  4. シリアルデータにより2値電流値切り替えの定電流型チャージポンプ回路を採用 : ±1.5mA, ±6.0mA

  5. 高感度fin入力を実現:Pfin(min)=-15dBm保証(50Ω系)

  6. 小型薄型パッケージ対応 : TSSOP-20ピンおよび標準厚さ0.55mm超薄型パッケージBCC-20ピン対応。

  7. ピン配置 : 従来品 MB15F7xSP/F7xULシリーズと同等、容易に置き換え可能。
【用語説明】
*1 PLL(Phase Locked Loop)
位相同期ループ。出力された発振周波数と入力または基準周波数との位相差を検出して帰還回路を制御し、発振器の周波数を一致・同期させます。
*2 フラクショナル-N(Fractional-N)
分数分周方式です。
*3 SCCT方式(Spurious Cancellation based on standardized Constant Time System)
フラクショナル-N(分数分周方式)にともなう位相差を補正する回路方式です。
*4 ロックアップタイム(Lock up time)
周波数切替時間です。
*5 スプリアスノイズ(Spurious noise)
目的の信号以外の信号やひずみ、回路間の干渉によって生じる不必要なノイズ成分です。
*6 GSM(Global System for Mobile Communications)
デジタル携帯電話方式の一種です。主にヨーロッパやアジア各国で使用されています。
*7 U-ESBIC(U-groove isolated Emitter base Self aligned Bi-CMOS)
当社独自のBiCMOSプロセステクノロジ。高周波数性能を支配するエミッタ幅の製造誤差を極限までおさえ、低電流領域での安定した高周波動作が可能です。
*8 LPF(Low pass filter)
不要な高周波領域を除去して、必要とする低周波領域のみを取り出すための回路です。
*9 BCC(Bump Chip Carrier)
表面実装パッケージの一種です。
*10 モジュロ(Modulo)
分数分周の分子数です。

以 上

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