携帯電話向け
送受信回路を内蔵したPLL周波数シンセサイザLSI新発売

当社はこのほど、 富士通ヴィエルエスアイ株式会社(本社:愛知県春日井市、社長:武田 宏史)と共同で、1.5GHz帯域PDC方式 (*1)の携帯電話向けに、DualPLL (*2)周波数シンセサイザLSI(MB15G125)を開発し、5月24日より発売いたします。
本製品は、DualPLL周波数シンセサイザに送受信回路を内蔵することで、外付けの送受信回路が不要になり、携帯電話の小型化に貢献いたします。
近年、携帯電話の出荷台数は、1年間に、ワールドワイドで30%以上成長しております。平成12年度の携帯電話出荷台数は4億1千万台、平成13年度は、約5億台に達すると予想されております(富士通調べ)。このような市場のもと、携帯電話の必須部品であるPLL周波数シンセサイザLSIへの需要もますます高まっております。
本製品は、従来製品のパッケージ[BCC (*3)-48(寸法:7.0×7.0×0.8mm)]をそのままに送受信回路の内蔵を実現しております。本製品を搭載する携帯電話では、送受信回路分(パッケージサイズ最大:5.0×5.0×0.8mm)小型化が図れます。
加えて、当社先端技術のBiCMOSプロセスU-ESBIC3 (*4)を採用したことにより、従来のPLL周波数シンセサイザと外付けの送受信回路製品の組み合わせに比べ、約30%の低消費電流化を実現しております。
当社は、これまでPLL周波数シンセサイザにおいて、最先端の製品を提供しており、世界シェア約33%(当社調べ)とトップシェアをもっております。今後も、市場の拡大が見込まれる携帯電話向けPLL周波数シンセサイザを核に、周辺のRFデバイスやインターネット関連デバイスの開発を積極的に展開してまいります。
【サンプル出荷】
- 平成13年 5月24日から
【価格】
- 600円(税別)
【販売目標】
- 70万個/月
【主な仕様】
1.搭載回路 | 送信部 | : | 直交変調(*5)器、アップコンバータ(*6)、可変利得AMP(*7) |
受信部 | : | 2nd Mixer(*8)、Lim AMP(*9)、RSSI(*10) |
IF/RF | : | DualPLL(1.75GHz/500MHz) |
2.電源電圧(Vcc) | 送信・受信部 | : | 2.7V〜3.3V |
PLL部 | : | 2.7V〜3.3V |
3.消費電流 | 送信部 | : | 27mA (Vcc=3V時) |
受信部 | : | 3mA (Vcc=3V時) |
PLL部 | : | 4mA (Vcc=3V時) |
待受け時 | : | 1μA |
【用語説明】
-
- *1 PDC方式(Personal Digital Cellular system):
- デジタル携帯電話の方式の一種です。
- *2 DualPLL(Dual Phase Locked Loop ):
- 周波数帯域の異なる2つのPLL回路について、発振周波数と入力または基準周波数との位相差を検出して帰還回路を制御し、発振器の周波数を一致・同期させる。
- *3 BCC(Bump Chip Carrier):
- 表面実装パッケージの一種です。
- *4 U-ESBIC(U-groove isolated Emitter base Self-aligned BiCMOS)3:
- 当社のBiCMOSプロセステクノロジです。高周波数性能を支配するエミッタ幅の誤差を極限までおさえ、低電流領域での安定した高周波動作が可能です。
- *5 直交変調:
- デジタル信号を無線で使用する0°90°などの周波数位相情報と振幅情報を変調します。
- *6 アップコンバータ:
- 低い周波数から高い周波数へ変換する回路です。
- *7 可変利得AMP(Amplifier):
- 増幅器の利得を可変制御することができる増幅回路です。
- *8 2nd Mixer:
- 受信信号処理過程で2番目に信号の混合を行う回路を指します。
- *9 Lim AMP(Limiter Amplifier):
- 受信状態により変動する入力信号レベルを、一定レベルの出力信号に増幅する回路です。
- *10 RSSI(Received Signal Strength Indicator):
- 中継局からくる受信信号の強度にあわせて、送信電力を制御するための回路です。
【商標】
- U-ESBICは、富士通株式会社の商標です。
- その他の製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以 上

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