  | 
    
 高性能グラフィックスディスプレイコントローラLSIを発売
 〜座標変換プロセッサ「ジオメトリエンジン(*1)」を搭載〜
  
  
  
 
 
当社はこのほど、 株式会社富士通研究所(本社:神奈川県川崎市,社長:藤崎 道雄)と共同でカーナビゲーションシステムやアミューズメント機器などに最適なグラフィックスディスプレイコントローラLSI「MB86291」と「MB86292」の2製品を開発し、平成13年3月5日より順次出荷を開始いたします。  
 カーナビゲーションシステム市場は、ITS (*2)(高度道路交通システム)の中枢システムの一つとして1999年の180万台から2000年260万台へと成長しております(当社調べ)。カーナビゲーションシステムは、道路交通情報をリアルタイムに表示するVICS (*3)や自車位置を表示するGPS (*4)、音声認識機能、携帯電話などを利用したシステム機能を搭載しており、これらの高度な情報をリアルタイムに処理し描画表示を行うグラフィックスディスプレイコントローラLSIの高速、高性能化が求められています。  
 当社は、新たに、地図データやポリゴン (*5)の頂点座標変換処理を行うプロセッサをグラフィックスLSIに組み込むことにより、画像処理の高速化を図った、グラフィックスディスプレイコントローラLSIを開発いたしました。  
 本製品は、新たに、内部に座標変換を行うプロセッサ「ジオメトリエンジン」を搭載し、座標の変換処理や、面の表裏判定を可能にしました。また、ビデオキャプチャ機能により、テレビ映像とカーナビゲーションの画像を同一画面に表示できます。さらに、メモリを1チップ化したことにより、メモリアクセスを高速化し、描画速度を向上いたしました。これらの新しい取り組みにより、新製品の処理スピードは当社従来比3.7倍(256画素塗りつぶし表示時)を実現いたしました。 
また、従来からの、滑らかなラインや任意に結んだ多角形を表示する描画機能や、透明感のある表現、3次元空間を描画した際の歪み補正、隠面消去などの高品質な3次元グラフィックス処理機能を継承しております。 
 当社はマルチメディア処理を担うグラフィックスLSIにおいて、車載端末向けは勿論、デジタルAV機器や携帯端末機器向けにも、積極的に展開してまいります。車載端末向けグラフィックスLSIにおいては、市場シェア60%の獲得を目指しております。 
 
- 【サンプル価格】
 
 
 - 
| MB86291 |  :  | 7,000円 |  
| MB86292 |  :  | 5,000円 |  
 
 
 - 【出荷時期】
 
 
 - 
| MB86291 |  :  | 平成13年3月 |  
| MB86292 |  :  | 平成13年5月 |  
 
 
 - 【販売目標】
 
 
 - 10万個/月(2製品合計)
  
 
  
 
- 【MB86291/MB86292の主な仕様】
 
 
 - 
| テクノロジ |  :  | CMOS 0.25ミクロンプロセス |  
| 動作周波数 |  :  | 100MHz(最大値,外部供給クロック : 14.32MHz) |  
| 動作電圧 |  :  | 内部回路部 2.5±0.2V   I/O部 3.3±0.3V |  
| 消費電力 |  :  | MB86291 : 2W(100MHz時、Vdd=2.5±0.2V) 
MB86292 : 1.7W (100MHz時、Vdd=2.5±0.2V) |  
| メモリ |  :  | MB86291 : 2メガバイトSDRAM 
MB86292 : FCRAM(R)と接続可能 |  
| パッケージ |  :  | MB86291 : プラスチック HQFP(*6)-208ピン 
MB86292 : プラスチック HQFP-256ピン |  
 
 
 - 【MB86291/MB86292の主な特長】
 
 
 - 
| ・ | 表示機能 |  :  | 100メガピクセル/秒の描画機能(100MHz内部動作時) |  
| ・ | 対応表示解像度 |  :  | 1024×768(最大) |  
| ・ | 表示カラー |  :  | 8ビット/ピクセル(カラーパレット表示時) 
16ビット/ピクセル(RGB表示時) 
各5ビットの直接カラーを使用 |  
| ・ | 画像表示 |  :  | 最大4階層まで、画面を重ね合わせ可能。下2階層を左右分割可能 |  
| ・ | 64ピクセル×64ピクセルのハードウェアカーソルを2個使用可能 |  
| ・ | ホストインターフェイス |  :  | 各種業界標準CPUに対応 |  
| ・ | 2D |  :  | ポイント,ライン,トライアングル,ポリゴン,BLT(*7),パターン描画 |  
| ・ | 3D |  :  | ポイント,ライン,トライアングル,Zバッファ法による隠面消去(*8) |  
| ・ | 特殊効果 |  :  | アンチエリアシング(*9)、太線・破線処理、アルファブレンディング(*10)、グーロシェーディング(*11)、テクスチャマッピング(バイリニアフィルタ  リング(*12)、パースペクティブコレクト(*13))、タイリング(*14) |  
| ・ | リファレンスボードをご提供 |  
 
  
 
【用語説明】 
- 
- (*1) ジオメトリエンジン : 
 - 地図データやポリゴンの頂点座標変換処理等を行うプロセッサ。
 - (*2) ITS(Intelligent Transport Systems) : 
 - 高度道路情報システム。最先端の情報通信技術を用いて人と道路と車両とを情報でネットワークすることにより、交通事故、渋滞などといった道路交通問題の解決を目的に構築する新しい交通システム。
 - (*3) VICS(Vehicle Information & Communication System) : 
 - 交通規制や渋滞などの道路交通情報をリアルタイムに送信し、カーナビゲーションに文字・図形で表示するシステム。
 - (*4) GPS(Global Positioning System) : 
 - 複数の静止衛星から電波を受信し、自位置を判別するシステム。
 - (*5) ポリゴン : 
 - コンピュータグラフィックスにおいて、2次元や3次元のデータの形状を表現するときに使用する三角形や多角形。
 - (*6) HQFP(Quad Flat L-leaded Package with Heat sink) : 
 - 表面実装パッケージの一種。
 - (*7) BLT(BlockTransfer) : 
 - 矩形のパターンデータを転送描画する処理方法。
 - (*8) Zバッファ法による隠面消去 : 
 - メモリ(Zバッファ)領域に各ピクセルの奥行きの情報を書込んでいき新たなポリゴンを描画する時、Zバッファと比較し、手前になるピクセルのみ描画する処理。
 - (*9) アンチエリアシング : 
 - 線の境界を描画前のピクセルカラーと色をブレンドすることにより、斜め線のギザギザを滑らかに見せる処理。
 - (*10) アルファブレンディング : 
 - 2つの画像の色を混ぜ合わせることによって、透過効果を表現する処理。
 - (*11) グーロシェーディング : 
 - 各頂点の輝度からリニアに各ピクセルの輝度を求める輝度補間シェーディング。
 - (*12) バイリニアフィルタリング : 
 - テクスチャマッピング処理時、テクスチャピクセルの近傍4点を指定点からの距離に応じて色をブレンドして描画する処理方法。
 - (*13) パースペクティブコレクト : 
 - テクスチャマッピングを行う際、3次元の射影による歪みを補正する処理方法。
 - (*14) タイリング : 
 - 描画するピクセルのカラーを指定座標に対応するタイルパターンから読み出して描画する方法。
  
  
 
【商標】
- FCRAMは、富士通株式会社の登録商標です。
 - 製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
  
 
以 上 
  
  |