当社は、このほど、組込み用プロセッサファミリ『FR-V』の普及版プロセッサコアFR400を開発しました。本プロセッサコアを内蔵した「MB93401」を、多機能プリンタ、デジタルスチルカメラ、携帯情報端末等を対象に、7月下旬より「統合開発環境キット」とセットで発売いたします。
『FR-V』ファミリは、VLIWアーキテクチャを採用した、アプリケーションに柔軟に対応できる当社の最新プロセッサです。平成12年6月より、4並列VLIW アーキテクチャを採用した高性能モデルとして、FR500シリーズの「MB93501」を発売しております。
今回開発したFR400シリーズは、命令並列度を2つに絞り込み(2命令同時実行可能)、低価格化と、低消費電力化を図った『FR-V』ファミリの普及版です。
「MB93401」は、FR-V命令セット2命令(32ビット長整数命令、メディア処理演算命令)を同時に実行でき、JPEG *2やMPEG4 *3等に最適な高速メディア処理(2128MOPS *4)を実現しております。 さらに、FR500シリーズの「MB93501」に比べ、500ミリワット(プロセッサコア部のみ)と1/3以下の低消費電力化を図っております。
「FR-Vデザインキット(MB93090)」は、アプリケーション開発や評価を容易に行うために必要な基本ハードウェア(CPUボード、メインボードなど)や、ソフトウェア統合開発環境(SoftuneR Tools *5)などをキットにしたものです。これにより、最先端アーキテクチャVLIWを意識せずに、効率良くプログラム開発を行えます。
当社は、今後も、「FR500」、「FR400」コアをベースに、デジタル家電、モバイル製品等のアプリケーションニーズに対応したシステム・オン・チップ(SoC)を提供してまいります。
【サンプル価格/提供時期】
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・ | FR-Vプロセッサ FR400シリーズ「MB93401」 | : | 3千円 (2001年7月末) |
・ | FR-Vデザインキット「MB93090」 | : | 60万円 (2001年7月末) |
【販売目標】
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・ FR400シリーズプロセサコア内蔵SoC製品:200万個/年
【MB93401の主な特長】
- CMOS 0.18ミクロンプロセス
- 最大2命令同時実行のVLIWアーキテクチャFR400プロセッサコアを内蔵
- 整数パイプライン×2、メディアパイプライン×2
- 命令キャッシュ、データキャッシュともに8Kバイト
- 最大性能532MIPS*6、2128MOPS(内部動作:266MHz時)
- SDRAM直結高速メモリーインターフェイス 133MHz、32/64ビット幅
- ROM直結可能ローカルバスインターフェース 16/32ビット
- ローカルバスからバスマスタがSDRAMへ透過アクセス可能
- ソフトウェア制御が可能な省電力機構内蔵
- ソフトウェアのデバッグを効率良くサポートするDSU(Debug Support Unit)搭載
- コア消費電力500mW以下 (266MHz動作時)
- パッケージ FBGA*7-288
【用語説明】
- *1 VLIW(Very Long Instruction Word):
- 命令長が長く、一命令で複数の処理を同時に実行できるプロセッサのアーキテクチャです。
- *2 JPEG(Joint Photo graphic Experts Group):
- カラー静止画の圧縮・伸張方式です。
- *3 MPEG4 (Motion Picture Expert Group 4):
- カラー動画の圧縮・伸張方式です。
- *4 MOPS(Million Operation Per Second):
- 1秒間に百万回のディジタル信号処理を行なうプロセッサなどの性能指標に用いられる単位です。
- *5 統合開発環境SoftuneR Tools:
- FR-Vデザインキットに添付されているSoftuneToolsは、使用期限が限定されております。
- *6 MIPS(Million Instructions Per Second):
- 1秒間に百万回の演算処理を行なうプロセッサの一般的な処理性能指標に用いられる単位です。
- *7 FBGA(Fine pitch Ball Grid Array):
- 表面実装型パッケージの一種です。
【登録商標】
以 上

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