EJBはサーバ上の業務アプリケーションの共通仕様であり、本コンソーシアムはコンポーネントの可搬性を実現するための規約策定とその普及を目的とし、6社を発起人として10月6日設立予定です。会長は、NTTコムウェア社長、松尾勇二が就任予定です。
- 注 : 「可搬性」
- 一定のルールに基づいて作成されたソフトウェアが特定のハードウェア、OS、ミドルウェアに依存することなく、複数の環境で動作することを当該ソフトウェアには可搬性があるという。
【本コンソーシアムの活動内容】
- 今年12月までに、EJB仕様に基づく複数ベンダのサーバ上で動作を可能とするためのポータブルコンポーネント規約を策定
- 2001年4月には、コンポーネントの流通を促進するための品質公開情報規約を策定
- 上記規約策定後、各規約の普及及び規約に準拠して作成されたコンポーネントの流通、普及を目指す。
現在では世界の主要なアプリケーションサーバがEJB対応をしており、今後、アプリケーションサーバ上で稼動するコンポーネントの流通が期待されております。
その実現のためにアプリケーションサーバ・ベンダ各社によるEJB仕様の解釈の違い、仕様の実現方法の違いなどを意識した、設計技術の整備がコンポーネント開発者に対して必要となっております。また、コンポーネントを利用するアプリケーション開発者がコンポーネントを選択する際に参照する機能説明や品質などの公開情報についても一定の基準が求められております。
本コンソーシアムでは、コンポーネントの可搬性を高めるために、ポータブルコンポーネント規約をまとめます。さらに、コンポーネントの普及および流通の促進を目的に、設計ガイド、EJBコンポーネントの品質公開情報の規約もまとめます。
コンポーネントの開発者にとっては、本コンソーシアムの策定する規約に基づくことで、EJB対応した各アプリケーションサーバの違いを意識することなく、流通性の高いコンポーネントを効率的に開発することができます。
また、コンポーネントを利用するアプリケーション開発者にとっては、可搬性のある各社開発のコンポーネントを組み合わせてアプリケーションを構築することで、開発期間の圧倒的な短縮化と信頼性強化を実現することが可能となります。さらに、マルチベンダー環境においても全く同一のアプリケーションプログラムを動作させることも可能となるため、企業間の合併、提携による複数プラットフォームにまたがったアプリケーションの構築も容易になります。
本コンソーシアムは、これら規約の策定およびその公開と採用の呼びかけによって、国内各コンポーネント開発者さらには海外のコンポーネント開発者が本規約に基づく製品を開発し、利用者の利便性を追求するとともにアプリケーションソフトウェア業界のさらなる発展を期待しております。
なお、策定予定のポータブルコンポーネント規約については、日本IBMと富士通の2社から、両社が提供しているアプリケーションサーバ上での動作確認なども踏まえたドラフトがポータブルコンポーネント規約の素案として提出されることになっております。今後、他のアプリケーションサーバ上での動作確認も踏まえ、本コンソーシアムとしての規約策定を目指していきます。
- (*1)
- EJB (Enterprise JavaBeans)は、Javaを基盤としたサーバアプリケーションのための共通プラットフォームJ2EE(Java2 Enterprise Edition)体系の中のコンポーネント仕様です。ソフトウェアのコンポーネント化を実現できるものとして、米Sun Microsystems,Inc. が1998年に初版であるV1.0を公開しております。EJBに基づいてソフトウェアをコンポーネント化することで、特定のOS(基本ソフト)、データベースシステム、アプリケーションサーバに依存しない企業システムを効率的に開発できるようになります。
[商標]
- EJB(Enterprise JavaBeans)、Java、J2EEは米国およびその他の国における米国 Sun Microsystems, Inc.の商標です。
[添付資料]
以 上
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