当社はこのほど、システム内に行き交うデータをすべてIP(インターネットプロトコル)で処理するコミュニケーションサーバ「IP MEDIASERVE (アイピー・メディアサーブ)」を開発し、6月5日より発売いたします。
インターネットの急速な普及により、ネットワークのトラフィックはIPベースに移行しております。IPネットワークにおいては、コミュニケーションの重要な手段である音声をIPパケット化(VoIP)し、データと統合することで、回線コストばかりでなく、保守・運用を含めたTCO削減が可能です。
当社は、着実な実績をあげてきたPBX分野のIP化の流れに対し、既存資産を活用する形でIPテレフォニー*を実現する次世代PBX「i・force」からのアプローチと、今回発表する、IPテレフォニーをすみずみまで(End to End)適用する「IP MEDIASERVE」からのアプローチで対応していきます。複数の商品を用意することで、お客様の業務、環境にあった最適なソリューションを提供してまいります。
今回新たに提供する「IP MEDIASERVE」は、電話制御を行う「IP MEDIASERVE Call Manager」、公衆網(ISDN)やPBXとの相互接続を行う「IP MEDIASERVE Gateway」、パソコン上で電話機能を実現するソフトウェア「MEDIATOP」(Soft-Phone)、従来と同様の操作性で電話発着信が行える「i-station10A」(IP-Phone)で構成されます。さらにオプションとして、ユニファイドメッセージなど電話以外の各種メディアを制御する「IP MEDIASERVE Media Manager」を提供いたします。加えて、IPテレフォニーの企画、構築・導入、運用をトータルでサポートすることで、お客様の最適なシステム構築を支援いたします。
当社は、サーバプラットフォーム、LAN/WAN製品、ソリューションビジネスなどを提供するトータルサプライヤとして、今後も音声とデータを統合した快適なコミュニケーション環境を実現するさまざまなアプリケーションを開発していきます。同時にCRMのほかSFA、EC等これまで培った業務アプリケーションとIPテレフォニーとの融合を進め、新しいオフィス、新しいコミュニケーション、新しいビジネスをお客様に提案してまいります。
上記のような方針は、当社の提唱する新しいコンセプト「e-Volving(イー・ヴォルビング)Telephony」として包括します。当社は、このコンセプトに基づき、IPネットワーク時代に向け進化し続けるコミュニケーション手段の提案に注力していきます。
【「IP MEDIASERVE」の特長】
- フルオープンアーキテクチャの採用により新しいビジネスモデル(CRMなど)に対応
- ビジネスアプリケーション連携
開発ツールの提供により、グループウェア、CRM、SFA、SCMなどのアプリケーションにIPテレフォニーを組み込むことができます。業務上必要なコミュニケーションをアプリケーションでコントロールすることが可能となり、確実で効率のよいコミュニケーションが実現できます。
- 快適なコミュニケーション環境の実現による生産性向上
- オンラインコミュニティ
「今誰がいるかな」「彼は会議中か、メッセージを残そう」など、部課、グループを自由に組んで、メンバーの状態を「MEDIATOP」の画面に表示できます。これにより、不要な電話連絡を抑え、電話応対のムダを省くとともに、連絡内容に応じて適切なコミュニケーション手段を使い分けることで業務の効率化が図れます。
- 簡易メッセージ
「MEDIATOP」を利用することにより、「電話が終わったら連絡ください」「緊急の用事なのでちょっと割り込みたい」といったメッセージを相手のパソコン画面上に表示させることができますので、緊急時など、何度も電話をかけ直すことなくコミュニケーションをとることができます。
- ユニファイドメッセージ
「IP MEDIASERVE Media Manager」により、音声、FAX、Eメールなど、メディアの違いを意識することなく、一元的に扱うユニファイドメッセージの機能が利用できます。また、テキスト−音声変換、音声−テキスト変換などの機能も順次提供していきます。
- デスクトップコラボレーション
「Microsoft NetMeeting」と連携し、アプリケーション画面を共有しながら通話が可能です。これにより、電話だけでは伝えにくい内容を的確に伝えることができ、業務の効率化が図れます。
- 配線統合/運用管理の一元化によるTCO削減
- 配線統合によるTCO削減
従来のオフィスでは、電話線とLANの配線が両方敷設されていましたが、「IP MEDIA-SERVE」ではLAN上(IP上)に音声を統合します。これにより、レイアウト変更等で内線電話機を移設する際でも電話線の工事が不要となり、データ設定も不要となります。
- 運用管理の一元化によるTCO削減
従来は電話ネットワークとIPネットワークを別々に保守管理する必要がありましたが両者を統合することにより、一元的な保守管理が可能となります。また、ネットワーク管理サーバを使用して、「IP MEDIASERVE」と他のネットワーク機器やサーバを集中的に保守管理することも可能です。
- フリーオフィス対応
座席が決まっておらず、その日の作業内容に合わせて自由に席が選べる、そのようなオフィス環境が容易に構築可能です。「MEDIATOP」では、ログイン画面でIDを入力するだけで、自分用のコミュニケーション環境を即座に作ることができます。
これにより、サテライトオフィスや支店などへの出張時でも、出先の「MEDIATOP」で自分宛の電話を直接受けることができ、オフィスに不在であることによる業務効率の低下を防ぐことができます。
【「IP MEDIASERVE」の構成品】
- 「IP MEDIASERVE Call Manager [GateKeeper]」
- ●IPネットワーク上で通話処理を制御するソフトウェアコンポーネント
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- 発信、着信、応答、転送、保留、切断など代表的な電話サービス機能を提供。
- GUIを備えた開発キットを採用、パラメータを設定するだけで容易にコールフローを設計可能。
- 業務アプリケーションとのCTI連携によるコラボレーション機能を提供。
- ●プラットフォームに最新鋭IAサーバ「PRIMERGY」を採用
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- 最新CPU「Pentium(R)III」プロセッサを採用。
- コストパフォーマンスの高い「PRIMERGY ES200」と、信頼性に優れた「PRIMERGY MS380」の2機種をラインナップ。
- 「IP MEDIASERVE Gateway」
- ●既存の電話網と接続するゲートウェイコンポーネント
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- INS64に対応した「LR-V1150T」(ソフトウェアインストールタイプのVoIP対応ルータ。既存製品)
- 規模、用途に応じたゲートウェイを順次提供。
- 「MEDIATOP [Soft Phone]」
- ●パソコン上でのコミュニケーションを統合するデスクトップツール
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- 発信、着信、応答、転送、保留、切断など代表的な電話操作をGUIで実現。
- 通話録音(自動/手動)/再生機能を標準で装備。
- ハンドセット、ヘッドセットの2種類の運用が可能。
- 「IP MEDIASERVE Call Manager」や業務アプリケーションと連携してデスクトップCTIを実現。
- 「i-station10A」
- ●操作性を追及したIP電話機
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- 発信、着信、応答、転送、保留、切断など代表的な電話操作を従来の電話機と同様な操作性で実現。
- 20個の機能ボタンを装備。局線発信などワンタッチ操作で可能。
- 発信者電話番号、日付、時刻などをディスプレイに表示。
- パソコン接続インタフェースを装備しており、配下にパソコンを接続可能。
なお、SOHO市場向けには、関係会社である富士通アイ・ネットワークシステムズ株式会社が、先日発表・発売した「ip-friends」を提供し、グループ全体でIPテレフォニー市場の確立に向け製品を拡充してまいります。
【販売目標】
「IP MEDIASERVE」は、今後2年間で5,000システムの販売を予定しております。
【税別価格と出荷時期】
システム価格 : | 1,800,000円より(税別):BRI×1回線、8クライアント(MEDIATOP使用)(IP MEDIASERVE Call Manager、PRIMERGY、GW等含む) |
「IP MEDIASERVE Call Manager」 | : | 700,000円 | から | 平成12年7月末より出荷開始 |
「i-station10A」(IP-Phone) | : | 35,000円 | | 平成12年7月末より出荷開始 |
【用語解説】
* IPテレフォニー : IPネットワーク上の電話サービス
【商標について】
- IP MEDIASERVEとその関連製品は富士通株式会社の登録商標です。
- Pentiumは、Intel Corporationの登録商標です。
- Microsoft、Windows、Windows NT、NetMeeting、Outlookは米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標です。
【添付資料】
製品紹介ホームページ: http://www.fujitsu.co.jp/jp/cover/network/mediaserve.html
本製品は、6月7日〜9日まで幕張メッセにて開催される 『NETWORLD+INTEROP 2000 TOKYO』に出展いたします。
以 上
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