当社はこのほど、LSIの電源ノイズを低減する低イノズ化回路技術を開発し、本回路を適用した世界最高水準の低ノイズMCU(=マイクロコントローラユニット)[8/16/32ビット]を平成12年7月初旬より提供開始いたします。
近年、LSIの高速化に伴い、LSIの電磁波ノイズが増加しており、他のシステムに影響を与えるケースが増えています。特に、欧州では、EU圏内で流通する機器および輸出される機器に、強い電磁波を出さないこと、外部からの電磁波の影響を受けないことがCEマーキング規制で規定されており、機器の低ノイズ化が必須になっております。しかし、従来の実装基板上における低ノイズ化だけではシステム全体の低ノイズ化が難しくなっております。
当社は、新たに、LSIの電源ノイズを低減する低ノイズ化回路技術を開発いたしました。本回路は、ノイズ低減のために、LSI内部の電源配線および接地配線にMOS型のコンデンサを挿入し、当社独自機能の周波数変調回路により、発生ノイズピーク値を分散させております。また、高周波ノイズを遮断するために、LSIの電源・各接地端子と内部回路の電源・接地配線間にローパスフィルタを挿入しております。
本回路をMCUに適用することにより、従来のFM周波数帯(*1)で比較して電源ノイズ値を-50dBから -80dBに30dB低減(周波数スペクトルアナライザ(*2)による測定結果)した、世界最高水準の低ノイズMCUを実現いたしました。
当社は、従来から、クロック逓倍回路(*3)や、内部電源の低電圧化などLSIの低ノイズ化に取り組んでおります。今後も、低ノイズ化回路技術の開発や、適用製品の拡大など、重要性が高まるLSIの低ノイズ化に積極的に取り組んでまいります。
【提供開始時期】 | 平成12年7月初旬 |
【価格】 | カスタム価格 |
【適用製品】 | ・8ビットMCU 「F2MC-8Lシリーズ」
・16ビットMCU 「F2MC-16LXシリーズ」
・32ビットMCU 「FRシリーズ」 |
【用語説明】
- *1 FM周波数帯
- 一般的に、60メガヘルツ〜110メガヘルツのFM放送の周波数帯。
(日本のFM放送の周波数は76メガヘルツ〜90メガヘルツ)
- *2周波数スペクトルアナライザ
- 各周波数における強度を測定する装置。
- *3クロック逓倍回路
- 外部基本周波数に対して、内部回路を高速動作させるために、内部で整数倍の周波数を発生させて内部クロックとして供給します。
以 上
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