富士通株式会社(本社 : 東京都千代田区、代表者 : 代表取締役社長 秋草直之)と大日本印刷株式会社(本社 : 東京都新宿区、代表者 : 代表取締役社長 北島義俊)は、半導体フォトマスク分野での協力について基本合意に達しました。
この度の合意に基づき、両社はフォトマスク分野における経営資源の集中を図り、次世代フォトマスク技術の共同開発を行うとともに、価格競争力のある最先端フォトマスク製造についての協議を進めます。本件は、本年7月を目途に正式契約を締結する予定です。
<基本合意の内容>
- 共同開発について
両社は0.13μm以下のフォトマスク開発における要素技術や、バイナリーマスク*1、位相シフトマスク*2、OPCマスク技術*3を含む製造技術の共同開発を行います。開発は当面富士通三重工場内で行い、スケジュール等については今後両社で協議していきます。
- フォトマスクの生産について
富士通は、今後自社内におけるフォトマスク製造工程を先端技術開発中心にシフトし、既存の製造ラインを順次縮小していきます。大日本印刷は、共同開発の成果として、フォトマスクを富士通に供給していきます。
急速に微細化技術が伸展する半導体事業において、先端技術の開発力強化と生産の効率向上が重要な課題となっています。今回の提携により富士通は、最先端フォトマスクの技術の維持・発展と半導体事業の効率的な伸展を図ります。また、フォトマスク事業において世界最大メーカーである大日本印刷は、技術開発力を強化するとともに、規模拡大による一層の量産効果を高め、フォトマスク事業の拡大を目指していきます。
- *1 バイナリーマスク
- 透過部(石英基板)と遮光部(クロム)からパターンを形成する一般的なフォトマスク。半透明膜を持つハーフトーンマスクに相対して称されるマスク。
- *2 位相シフトマスク(Phase Shift Mask)
- 物質を通過する光の伝播速度の遅れを利用した、位相反転機能を有するマスク。位相を反転する為にシフターと呼ばれる薄膜を置くか、石英基板を掘り込むことでシフターを形成する。ハーフトーン型とレベンソン型が代表的。
- *3 OPC(Optical Proximity Correction)マスク技術/光近接効果補正法
- 微細化が進むとマスクのパターン形状をウェハー上に忠実に形成することが困難になる為、予めマスクパターンに図形を付加したり、疎密に応じサイズを補正する技術。
以 上
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