VCO(*1)とPLL(*2)周波数シンセサイザの1チップ化を実現
移動体通信用PLL周波数シンセサイザLSI新発売
従来比30%の小型化と40%の低消費電流化を実現
当社はこのほど、株式会社九州富士通エレクトロニクス(本社:鹿児島県薩摩郡、社長:泉 忠博)と共同で、バリアブルキャパシタ(*3)搭載のVCOを内蔵した移動体通信向けPLL周波数シンセサイザ「MB15C703」を開発し、4月より量産を開始いたします。また、お客様の周波数ニーズにきめ細かく対応するために、セミカスタムLSI「MB15C7XX」シリーズもご用意しております。
携帯電話市場(PHS含む)は、ここ数年、ワールドワイドで年間30%以上の成長率を示し、平成11年度の総加入台数は2億8,400万台が見込まれ、平成12年度には4億台の規模になると推測されております。 また、国内では平成12年2月に5,400万台以上と予想されており、3月には、固定電話機の契約台数を追い抜く勢いです。
本製品は、PLL周波数シンセサイザと入力電圧値に応じた周波数を発振できるVCO(100MHz〜400MHz対応)を1チップ化し、超小型パッケージ「BCC(*4)-20ピン」に搭載いたしました。これにより、従来のPLLモジュール(当社製PLLシンセサイザMB15C1xx相当+VCO)に比べ実装面積約30%の小型化(3.4mm×3.6mm)を実現いたしました。また、CMOSプロセスに0.35ミクロンを採用したことにより、消費電流を標準2.5ミリアンペア(電源電圧:2.5V,クロック:129.55MHz)と、 従来のPLLモジュールにおいて約40%の低消費電流化を図りました。
当社は、現在PLLシンセサイザにおいて、世界シェア約33%(当社調べ)とトップシェアをもっております。今後も、市場の拡大が見込まれる無線周波数帯向けPLLシンセサイザや、インターネット関連デバイスへ積極的に展開してまいります。
【出荷時期】 | 平成12年4月(量産) |
【サンプル価格】 | 300円 |
【販売目標】 | 50万個/月 |
【用語説明】
(*1) |
VCO(Voltage Controlled Oscillator):
入力電圧値に応じた発振周波数を設定し発振する電圧制御発振器。
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(*2) |
PLL(Phase Locked Loop):
位相同期ループ。出力された発振周波数と入力または基準周波数との位相差を検出して帰還回路を制御し、発振器の周波数を一致・同期させる。
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(*3) |
バリアブルキャパシタ:
可変容量を意味し、入力端子に電圧を印可することにより任意のキャパシタンスを設定できる。
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(*4) |
BCC(Bump Chip Carrier):
携帯機器向けに開発された超小型パッケージで、実装面積はSSOPに比べ約50%と小さい。
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