BTと富士通は共同で、エージェント技術による
分散ナレッジマネージメントシステムを開発
British Telecommunications Plc(BT)と富士通株式会社は共同で、知的分散インフォメーションマネージメントシステム(IDIoMS:Intelligent Distributed Information Management System)を開発いたしました。このシステムは、最新かつ独自のエージェント技術により開発されました。この成果を、1月末ロンドンで開催されたエージェントに関する国際標準化団体 FIPA:the Foundation for Intelligent Physical Agents 主催の会議で、デモンストレーションいたしました。
[開発の背景]
インターネットの中に分散している情報を有効に利用することにより、専用のデータベースを作ることなく有効な情報を抽出することが可能になります。これを行うためには、大規模分散処理システムを開発する必要があり、そのソフトウェアは極めて複雑になる可能性があります。開発者に、規模の大きさと複雑さを感じさせずにソフトウェアの開発を可能にするひとつの技術が、エージェントです。
[開発した内容]
エージェント技術を使用して開発されたIDIoMSは、インターネットのようなネットワーク上に広く分散している情報に対して、共有、管理、検索および提示を知的に支援するインフォメーションマネージメントシステムです。このシステムは、パーソナルな情報提供のための総合的なツールで、インターネットを使った分散情報システムの柔軟な管理を可能とするプラットフォームです。具体的には、ユーザに対しては、欲している情報を広範囲に探しタイムリーに提供でき、サービスプロバイダに対しては、サービスのプラグアンドプレイにより、システム管理の手間を省くことができます。
このシステムは、1999年7月からBTと富士通が共同で開発し、BTが開発したPAF:Personal Agent Framework(*1)と富士通が開発したOAM:Open Agent Middleware(*2)の技術を統合することにより、システムを実現しました。
BTと富士通は、FIPAを通してエージェント技術の標準化を推進していく予定です。
また、両者はエージェント技術の研究開発に関して今後も協力を継続し、IDIoMSを改良するとともに、それをワールドマーケットに対して提供したいと考えています。
[用語解説]
1) |
PAF
BT研究所で開発され、安全かつプライベートに登録されたユーザの環境を提供するとともに、そのフレームワーク内のエージェント間で共有することのできる動的なユーザのプロファイルを提供するシステムです。ユーザのプロファイルは、共通のAPIによりアプリケーションを個人々々に適したものにするために、ユーザ自身がチェックするのと同等の効果があります。たとえば、毎日の新聞や、同じ興味や嗜好を持つユーザの紹介、Webの検索、タイムリーな情報提供です。PAFは2年前に開発され、その有効性が検証されています。
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2) |
OAM
富士通研究所で開発され、サービスコンポーネントの動的かつ柔軟な運用と管理を可能にし、結果として広域分散環境下でのコンポーネントのプラグアンドプレイ、コンポーネント・リポジトリ管理、異種コンポーネント連携、非定型なワークフロー、ユーザに合わせた動的カスタマイズなどを可能にするミドルウェアです。現在、TeamWARE Group(http://www.teamware.com/)のWebアプリケーション環境であるPl@zaエンジンに実装されています。TeamWARE Pl@zaはコミュニティのメンバー間で専門的インターラクションを増進するための動的なインターネットのサービスプラットフォームです。
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以上
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