[ PRESS RELEASE ] |
![]() 1999-0214 平成11年10月18日 富士通株式会社 |
当社はこのほど、株式会社富士通研究所(本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長:佐藤 繁)と共同で、業界で初めて、国内のデジタルテレビ向けに、BSデジタル放送のXMLデータを受信するためのプロセッサ組込みソフトウェアを開発いたしました。本製品はシステムLSIソリューションとして、平成11年12月末より提供いたします。
日本国内におけるBSデジタル放送は、2000年12月よりスタートする予定です。それを受信するためのBSデジタルテレビやセットトップボックスは、2005年までの累計で、1500万台と大きな市場になると予想しています。
BSデジタル放送の特徴の1つに、データ放送と呼ばれる、インタラクティブなマルチメディアサービスがあります。本データ放送方式には、XML(*1)をベースとしたマルチメディア符号化方式「BML」(*2)及び「B-XML」(*3)が採用される予定(現在ARIB[社団法人電波産業会]にて策定中)であり、BSデジタルテレビなどでは、XMLデータを受信するためのプロセッサ組込みソフトウェアが必要になります。
そこで当社は、XML技術における早期からの積極的な取組みや、ブラウザ開発技術の蓄積を元に、ARIBで策定中のマルチメディア符号化方式案に準拠した製品をいち早く開発いたしました。本製品はBSデジタルテレビのセットメーカー様に組込用ソフトウェアとして提供いたします。また、ソフトウェアハウス様からのライセンス供与のご要望にもお応えいたします。早期にセットメーカー様に提供することにより、セットメーカー様の開発期間やリスクを大幅に軽減いたします。
本製品は、組込みソフトウェアにとって重要な「少資源」(1MB以下のプログラムメモリ等)を特色としており、当社製デジタルテレビ・リファレンス・ボード(*4)において、90MHz動作の32ビットRISCプロセッサSPARClite(*5)(当社製,実効性能:約100MIPS)と、約800KBのプログラムメモリを使用して、実用的な動作速度を実現しております。
当社は、国内BSデジタルテレビ/セットトップボックス市場において、2002年までにシェア20%の獲得を目指しています。今後は、XML技術を始めとする情報/通信技術を、デジタルテレビや情報家電向けの組込ソフトウェアとして積極的に展開し、システムLSIのソリューション力を更に強化していく予定です。今回の開発は、その第一弾となります。
(*1) XML
XMLとは、eXtensible Markup Languageの略称です。次世代のインターネット用情報記述言語とも言われており、非常に拡張性と汎用性が高いメタ言語です。Internet関連規格の標準化団体であるW3C(World Wide Web Consortium)より、XML Ver1.0が1998年2月10日に勧告されています。(*2) BML
BMLとは、Broadcast Markup Languageの略称です。ARIB〔社団法人電波産業会〕にて、XMLを ベースにデータ放送用の方式として策定中です。技術要素として、XHTML1.0, CSS1, CSS2, ECMAScript, DOM1, DOM2のサブセットを含み、一部拡張仕様も含まれています。(*3) B-XML
B-XMLとは、Broadcast XMLの略称です。XSL-T(XSL Transformations)機能により、XMLタグをBMLタグに変換して端末に提示する方式をであり、BMLとともに、ARIB〔社団法人電波産業会〕にて方式を策定中です。BMLよりも高度で柔軟なデータ放送サービスが可能になります。(*4) 当社開発のデジタルテレビ・リファレンス・ボード(製品型格:MB86374-RB02)
民生用デジタルテレビのハードウエアリソースを想定したリファレンス・ボードです。
当社のデジタルテレビ関連のシステムLSIが搭載されています。主な搭載LSIは、BS放送対応(8PSK)のベースバンド復調LSI、MPEG-2(MP@HL)ビデオデコーダLSI(製品型格:MB86374)、90Mhz動作のSPARClite(製品型格:MB86832)、IEEE1394入出力LSI(製品型格:MB86612)などです。BSデジタルテレビの一連の動作を実現し評価を行えます。(*5) SPARClite
SPARCliteは、SPARC International, Incの米国における商標であり、Fujitsu Microelectronics, Inc.がその独占使用を許可されているものです。
以 上