[ PRESS RELEASE ] |
![]() 1999-0171 平成11年7月29日 富士通株式会社 |
当社はこのほど、富士通シンター株式会社(代表取締役社長:山川博司、本社:富士通川崎工場内)と共同で、精密部品用に極薄のステンレス板を高精度かつ高速にプレス加工する技術を開発いたしました。これにより、小型化の進む各種精密部品の大幅なコストダウンが可能になります。
[開発の背景]
近頃、PCの出荷台数はデスクトップ型とノート型がほぼ半々ぐらいの割合にまでなってきています。ノート型は携帯性などを増すために、それを構成するための部品には、より小型化が求められるとともに、低価格化も求められています。すなわち、高精度/高信頼性のものを速く製作する技術が重要です。[開発した技術]
PCなどのハードディスクドライブに採用されているステンレス製の極薄板金属精密部品は、30μmという極薄金属板を、形状精度:±5μm、連ピッチ精度:各ピッチ10μm以下/16連ピッチ20μm以下、平坦度・バリ:5μm以下という高精度で製作する必要があります。
従来、この部品は、エッチング加工で大まかな形状を形成し、プレス加工で成形等の塑性加工を加えて製造していました。エッチングを使用すると、マスク精度/エッチン グ条件により、形状精度が±10μm(片側でエッチングした場合)が限度であるとともに、製造能力及び歩留りに難点があるためコストダウンすることが難しいという問題がありました。
高精度で高速な下記の2つの技術を開発し、コイル素材を500spmで順送型プレスすることが可能になりました。本技術により、ステンレス製の高精度精密部品を、従来のエッチング製造法に比べて当社比で、コスト1/5かつ10倍の生産能力で製造することが可能になりました。なお、この技術は、ハードディスクドライブの部品だけでなく、ダウンサイジングの進む電子機器、情報機器および、半導体の機構部品などへも適用可能です。
◆ 高精度成形技術
金型精度を±2μm以下で製作する微細加工技術と、高精度の金型組立技術の開発により、プレス加工1度によりステンレス薄膜の成形を実現いたしました。◆ 高速製作技術
コイル状に巻いてある極薄金属の素材を帯状に戻しながら高速に搬送する技術を開発しました。具体的には、搬送方法、型寿命を左右する潤滑油、型内搬送と位置決め機構を従来と違った方式で解決しています。さらに、切断するときに発生する微小なバリを、部品を帯状素材から完全に分離しないでも取り除く技術を開発しました。
以 上