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1999-0173
平成11年8月4日
富士通株式会社

世界最少クラスの低消費電力を実現

移動体通信向けPLL周波数シンセサイザ3製品新発売

〜実装面積を約36%小型化〜

当社はこのほど、株式会社九州富士通エレクトロニクス(本社:鹿児島県薩摩郡、社長:泉 忠博)と共同で、移動帯通信向けの50MHz〜2.5GHz帯対応PLL周波数シンセサイザとして、世界最少クラスの低消費電力を実現したMB15F72SP、MB15F73SP、MB15F78SPの3製品を開発し、9月初旬より量産出荷を開始いたします。
(*PLL=Phase Locked Loop:出力した発信周波数と、入力や基準発振器の周波数の位相差を検出して、帰還回路を制御し、発振器の周波数を一致・同調させる。)

PLL周波数シンセサイザは、携帯電話などの移動体端末で必須の部品で、外部から入ってくる電波により、機器内部で行われる信号処理に必要な周波数を生成します。

近年、機器の低電圧化に伴い、半導体への省電力化への要求はさらに高まっております。そこで当社は、これらのニーズにお応えし、世界トップクラスの低消費電力を実現した3シリーズを開発いたしました。

本シリーズは、従来のBiCMOSプロセスU-ESBIC3(*1)と低電流回路を向上させ、1.3GHz帯対応で、 電源電圧が2.7Vの時2.7mA(Typ.)と従来比約10%減の低消費電力を実現いたしました。
さらに、今回新規小型パッケージとして BCC-20(BCC;Bump Chip Carrier)を採用し、実装面積を従来比約36%と小型化いたしました。

当社のPLL製品は、パワーセーブ機能や低電圧動作により、世界最少クラスの低消費電力を実現し、幅広い周波数帯に対応した豊富なラインアップを取り揃えております。
現在PLL市場におけるワールドワイドシェアは25%(*2)の実績を誇っており、本製品を販売することで、今後成長が見込まれるPLL市場での拡大を図ってまいります。

【量産出荷時期】
【価格】
【販売目標】
平成11年9月初旬より (3製品)
400円 (3製品)
800万個/月 (3製品合計)

【主な特徴】

  1. 最大消費電流を最適化した製品群を用意し、さまざまな携帯電話(PDC、GSM/DCS、W-CDMA等)に対応。
    ・MB15F72SP
    ・MB15F73SP
    ・MB15F78SP
    :
    :
    :
    0.3GHz/1.3GHz
    0.6GHz/2.0GHz
    1.2GHz/2.5GHz
    2.7mA
    3.5mA
    5.5mA

  2. 低消費電力:標準電源電流 2.7mA(1.3GHz帯,Vcc=2.7V時)

  3. 低電源電圧動作保証:±1.5mA、±6.0m
    シリアルデータ(*3)より、2値電流切替えの定電流型チャージポンプ回路(*4)を採用。

  4. 高感度Vfin(min.)=-15dBm(50Ω系)

  5. パッケージ:TSSOP-20, BCC-20

【用語説明】

*1: U-ESBIC:U-groove isolated EmitterEmmitter base Self aligned BiCMOS
当社のBiCMOSプロセステクノロジーのプロセス名称。素子分離に誘電体分離を使用し、エミッタ、ベースを自己整合する。バイポーラの高周波、CMOS部の低消費電流化と2つの長所を兼ね備えている。
*2: 当社調べ
*3: シリアルデータ:マイコンから制御される信号
*4: チャージポンプ回路
位相比較器より出力された2値論理"H"、 "L" の位相差信号を、3値論理"H" 、"Z"、"L" に変換し、位相差に比例した電流を流入/流出する回路。

以 上


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