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1999-0179
平成11年8月19日
富士通株式会社

3次元仮想設計支援シミュレータ 「FJVPS」 新発売

〜 製品の構想設計から分解性検証・地球環境負荷の評価まで 〜

当社はこのほど、3次元CADシステムと連携して製品設計の組立性・分解性・機能性・保守性・リサイクル性・地球環境負荷等が評価できる3次元仮想設計支援シミュレータ 「FJVPS」(エフジェイブイピーエス)(*1)を開発し、8月19日より販売開始いたします。
*1:Fujitsu Virtual Product Simulator

近年、製品設計の開発部門では、資源リサイクルや地球環境への配慮が求められており、高性能/高信頼性の追及とともに、解体性やライフサイクルでの環境負荷軽減を考慮した製品開発が重要課題となっています。
従来、解体性や環境負荷の評価は、設計完了後に環境関連部門が手分解などにより評価していたため、改善が必要になった場合には、設計部門では多くの手戻りが生じていました。解体性や環境に配慮した製品を効率よく開発するためには、設計者が設計段階でこれらの評価を行う必要があり、CADシステムと連携した評価ツールが強く求められてきました。

「FJVPS」は、この課題に応えるため社内適用で培ったノウハウをシステム化した、設計者向けの3次元仮想設計シミュレータソフトウェアです。
設計者は、本製品を使用することにより、3次元CADを用いて設計をしながら、分解手順の作成や、分解時間計算などの解体性検証が可能となります。また、3次元設計モデルに材料データベースと環境負荷データベースを連携させることにより、CO2などの発生量の自動計算ができ、環境負荷評価を実現します。設計変更した場合は、変更前と後での発生量の比較をグラフ化することにより、改善効果を即座に把握できます。
社内適用の実績では、従来の手分解などによる評価と比較し、作業日数が約1/10に低減しました。

【価格と出荷時期】

・FJVPS/DIGITAL MOCKUP(基本システム): 250万円(税別)99年9月
・FJVPS/ECODESIGN(解体性、LCAオプション): 200万円(税別)99年12月
【連携可能な3次元CAD】
・ICAD/MX(V30/L13以降)・Pro/ENGINEER(V19以降)・UNIGRAPHICS(V14.0以降)
I- DEAS(Masterシリーズ)、ICAD/SX Mechanical PRO(V2L9以降)は対応予定。
【販売目標】今後3年間で300システムの販売を見込んでおります。

【「FJVPS」の主な特長】

  1. 保守・操作性検証
    3次元製品モデルとヒューマンモデル(日本人、外国人、男性、女性等の人体モデル)を組み合わせ、製品が利用される空間での操作性、視野範囲の確認や工具モデルを用いた機器の保守性等の検証が行えます。

  2. 機構部の動的干渉チェック
    製品の組立検証を行うとともに、製品機構部の動作時の部品間干渉をリアルタイムに検出し(*2)、干渉箇所を表示します。
    また、製品のアセンブリモデルに対して各部品の分解経路と順番を動的に指示し逆再生することで、組立過程での組立経路や組立順番を部品間干渉有無を含めて検証できます。

  3. リアルタイム断面表示検証
    装置内部のレイアウトを検討するために任意の角度からリアルタイムに断面表示することができます。モデルの半透明表示による部品種類ごとの実装位置識別も可能です。

  4. 分解性検証・リサイクル性評価
    3次元CADと連携して製品の分解性検証、装置レベル/部品レベルでの分解時間の計算が可能です。また、部品を材料ごとに識別表示し、部品の分別性を確認すると同時にリサイクル可能率の算出、旧機種との比較表示も可能です。

  5. LCA支援機能(地球環境負荷)
    材料データベース、環境負荷データベースを用いてCO2の発生量等、製品の設計におけるライフサイクルでの環境負荷を自動計算します。
    部品形状、部材変更時のCO2等環境負荷をリアルタイムで自動算出、複数設計案の比較表示が可能です。

*2: FJVPSは、株式会社富士通研究所と共同開発した世界最高レベルの性能を持つ動的干渉チェックアルゴリズムを活用

【動作環境】

対応機種: FMVシリーズなど、Microsoft Windowsが動作する機種
OS:Microsoft Windows NT4.0 SP3以降(Intel版)のみ
CPU:PentiumII 400MHz以上推奨
メモリ:256MB以上推奨
ディスク空き容量:30MB以上推奨
グラフィックス: 1024×768ドット,High Color以上必須,
OpenGL対応グラフィックアクセラレータ推奨

以上


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