[ PRESS RELEASE ] 1999-0177
平成11年8月12日
富士通株式会社
SS&C Technologies,INC

資産運用システム分野における富士通とSS&C社の業務提携について

富士通株式会社(以下、富士通)とSS&C Technologies社(以下、SS&C社*1)は、日本市場における資産運用会社(投資顧問会社、生保、信託銀行等の機関投資家)向けの資産運用システム分野において、両社の保有するシステム関連ノウハウと、先進的な資産運用アプリケーションノウハウを統合した、資産運用システムソリューションを提供するための、ジョイントマーケティングに関する基本合意を締結しました。

両社はこの基本合意により、新規参入による競争の激化と、年金改革を背景とした受託者責任の明確化への対応を大きな課題とする資産運用会社各社に対し、資産運用システムソリューションの第一弾として、SS&C社の先進的な資産運用システムパッケージソフトである、「Antares2000(アンタレス)」および「CAMRA2000(カムラ)」の日本市場向け提供を開始いたします。

これらの製品は、富士通の金融ビッグバン対応統合ソリューション体系「@FINANCIALVISION」の、「キャピタルマーケットソリューション」に位置づけられます。これにより、すでに提供済みのセルサイド(証券会社)〜バイサイド(機関投資家)間の標準プロトコル(FIX:Financial Information Exchange)通信をサポートするFIXソリューションおよび、セルサイド向け業務システムパッケージのMetaOfficeソリューションとの機能連携が可能となり、金融機関の資産運用業務のSTP(Straight Through Processing)化の実現を強力に支援いたします。

[資産運用会社を取り巻く環境の変化と課題]

規制緩和による業態垣根の低下により、金融機関はいずれの業態も、与えられた条件下で資金を安全かつ効率的に運用する資産運用業務の強化を優先課題としています。また、確定拠出型年金、いわゆる日本版401(k)の導入もこの動きを大幅に加速し、年金資産運用の受け皿としての、外資系金融機関との提携による資産運用会社(投資顧問等)の設立、あるいはグループ内資産運用会社の統合による機能強化の動きが相次いでいます。

このような環境下で、資産運用会社に求められるものは、優れた運用能力に加え、委託者(年金基金等)から強く求められる受託者責任を果たすための、組織体制/情報開示能力の強化にあります。
具体的には、最先端の運用手法・システムの装備に加え、共通基準の策定が進んでいる投資パフォーマンス基準(*2)に則した顧客資産管理および報告資料作成が大きな課題となっています。

富士通とSS&C社は、世界最新鋭の資産運用システムである「Antares2000」と、グローバルな投資パフォーマンス基準であるAIMR(*2)に対応したポートフォリオ管理を実現する「CAMRA2000」の提供により、この様な資産運用会社の課題にお応えします。

[資産運用システム全体図とAntares, CAMRAの位置づけ]
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[Antares2000]
<機能と特長>
  1. ファンドマネージャによるファンドのポジション管理から、売買発注モデルの作成、トレーダーへの注文回送、トレーダーによる証券会社への注文発注、発注済注文の執行状況管理、約定済注文のファンドへの配分(アロケーション)までの全ての処理を自動化したSTP化を実現します。

  2. 全資産・格付け・国別/産業別持ち高等に加え、多様なパラメーターとお客様独自のコンプランアンスルールの登録による、運用及び執行のトレード前、トレード後のコンプライアンスチェックが可能です。

  3. 基本機能として組み込まれた多彩な「モデリング(売買シミュレーション)機能により、ファンドマネージャの意思決定を支援し、業務執行を効率化します。

  4. 多通貨によるキャッシュフロー管理を実現します。

<価格(税別)>
<販売目標>
<出荷開始時期>
最小構成で2000万円から
3年間で30社
平成11年12月から

[CAMRA2000]
<機能と特長>
  1. 顧客別・ファンド別・商品別等の様々な切り口で統合化・階層化した顧客資産のポートフォリオ管理を実現します。
    さらに、マルチカレンシーに対応し、多様な会計処理への対応、多通貨によるキャッシュフロー管理が可能です。

  2. 多様なパラメーターとお客様独自のコンプランアンスルールの登録による、コンプライアンスチェックが可能です。

  3. グローバルな投資パフォーマンス基準(AIMR,SAAJ-IPS )に対応したパフォーマンス評価を行うことができます。

  4. 各種定型レポートに加え、委託者(年金基金等)にニーズにあわせた非定型レポートを柔軟に作成する事ができます。

<価格(税別)>
<販売目標>
<出荷開始時期>
最小構成で5000万円から
3年間で20社
平成11年12月から

以上

*1 会社名SS&C TECHNOLOGIES,INC.(NASDAQ:SSNC)
本社所在地80 Lamberton Road Windsor, CT, USA(米国コネチカット州)
代表者William C. Stone(President, CEO & Chairman of the Board)
日本支社 東京都品川区東五反田1-10-7 AIOS五反田ビル
電話03-5791-3425
従業員数600名
98年度売上70millionドル(約85億円)
設立1986年
ホームページhttp://www.ssctech.com/
*2 投資パフォーマンス基準
資産運用会社が顧客に対して運用成果を共通のルールに基づいて示す事により、その信頼性を高めると共に、資産運用会社の運用力の比較を容易にする事を目的に作られた基準。
米国では、米国投資管理・調査協会(AIMR)の前身である全米ファイナンシャル・アナリスト協会(FAF)が、1987年にパフォーマンス報告基準(AIMR Performance Presentation Standards, AIMR-PPS)の草案を公表して以来、資産運用業界全般にこの基準が浸透している。
さらに、米国協会及び各国の専門家で構成されるグローバル投資パフォーマンス基準委員会により、AIMR-PPSをより一般化したグローバル投資パフォーマンス基準(GIPS)が1999年4月に公表されている。
日本では、上記GIPSの必須基準をすべて取り入れたうえに、日本固有の制度や業界慣行を意識した日本証券アナリスト協会投資パフォーマンス基準(SAAJ-IPS)が、1999年6月に公表されている。

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