[ PRESS RELEASE ] |
![]() 平成11年4月7日 富士通株式会社 富士通ピー・アンド・エス株式会社 |
富士通株式会社と富士通ピー・アンド・エス株式会社(注1)はこのほど、法人向け富士通製全レーザープリンタの使用済み消耗品を対象に、回収及びリサイクルのシステム(注2)を構築し、本日より運用を開始いたします。
本システムは、大型から小型までのレーザープリンタをトータルに提供するベンダーでは、国内初の取り組みであります。
これまで、富士通製レーザープリンタの消耗品(トナー、現像剤(注3)、トナーカートリッジ)については、一部のリサイクルを除き、ほとんどが埋め立て処理されてきました。使用済みのトナーと現像剤は年間220トン、カートリッジは年間686トン発生しております。(98年度実績)
このたび、リサイクルシステムを構築することで、回収された使用済み消耗品の90%(重量%)をリサイクル可能にいたしました。今後は、このシステムをさらに推し進め、2000年度には、プリンタ消耗品の埋め立て処理ゼロを目指します。
消耗品の回収および分解・分別は富士通ピー・アンド・エス株式会社が行います。金属部分の約30%を再使用可能部品として検査・清掃後、工場に戻し、新製品にそのままの形で再使用(リユース)します。それ以外の金属部分は原料化されます。
また、プラスチックとトナー、及び現像剤は高炉還元剤(注4)として資源活用いたします。特に現像剤については、従来はリサイクルの方法がなく、このたび、日本鋼管(株)殿と協力し実験を重ねることにより、高炉還元剤として資源活用することが国内で初めて可能になりました。
昨今、自治体等でもグリーン調達が普及する傾向にあり、使用済み消耗品の回収に対するお客様の要望も高まっています。富士通では、単に回収後廃棄するのではなく、リユース/リサイクルできるシステム作りを追求してきました。今後は金属部品、プラスチック部品のリユースの割合を増やしていくために、新製品において消耗品の材料選定や設計を進めてまいります。
以上
(注1)富士通ピー・アンド・エス株式会社
(注2)リサイクルシステム
使用済み製品を回収し、分別・分解後、再使用できるものはそのままの形で再使用(リユース)し、他用途で使用できるものはその原料として再資源活用することで埋め立て処理される廃棄物を少なくする方法(システム)。富士通では情報機器(コンピュータ等)に関しても従来より積極的にリサイクル活動を推進している。
(注3)現像剤
現像剤は、トナー(プラスチックでできた黒い粉)を用紙に付着させる補助剤の役割をするもの。鉄粉が95%ふくまれており、プリンタの中でトナーと混ぜ合わせて使用される。
使用済み消耗品の中でも最も重量割合が高いが、トナーと混ざった細かい粒子であるため 、従来の技術ではリサイクルすることが困難だった。
(注4)高炉還元剤
高炉還元剤は、鉄鉱石から鉄を取り出すのために使用するもの。鉄鉱石中の鉄は酸化鉄として存在する。酸化鉄の酸素を取り除くためには、これまでコークスを使用してきた。プラスティックと現像剤はコークスと同様の役割を果たす。