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1999-0078
平成11年4月20日
富士通株式会社

世界最高速のCMOS(*1)LSIを搭載した
HPCサーバ「FUJITSU VPP5000シリーズ」新発売

〜 ベンチマークテスト「LINPACK(*2)」で、世界最高速を実証 〜

VPP5000

当社はこのほど、世界最高の演算能力を持ち、Fast:超高速大容量処理、Flexible:システムの柔軟性、Friendly:ユーザとシステムの親和性のからなるHPCサーバコンセプト『トリプルF』に基づくHPC(High Performance Computing)サーバ「FUJITSU VPP5000シリーズ」を開発し、4月20日より、独シーメンス社へのOEM供給をあわせて、全世界での販売を開始いたします。

ハイパフォーマンス・コンピュータは、全地球レベルの問題解決、真理の探究、産業界における最先端技術の開発などに使われ、いつの時代にも限りない処理性能の向上が求められています。 加えてハイパフォーマンス・コンピュータの利用が進むと、超高速な演算性能と大容量データの処理性能だけではなく、豊富で柔軟な運用機能とシステムの使い易さも重要になります。

当社はこのようなニーズに応えるため、HPCサーバの新コンセプト『トリプルF』のもと、演算装置(PE:Processing Element、*3)あたりの理論ベクトル性能が最大9.6ギガフロップス(*4)、最大512PE構成で4.9テラフロップス(*5)と、従来機(VX-E、VPP300E、VPP700Eシリーズ)に比べて4倍の性能となる、世界最高の演算性能を提供します。
「FUJITSU VPP5000シリーズ」は、理論ベクトル性能だけでなく、標準のベンチマークテストである、LINPACK 100元および1000元(単一CPU)において、LINPACK 100元では1,125メガフロップス(*6)、LINPACK1000元では8,758メガフロップスと、これまでの世界最高性能(*7)を大幅に上回る結果を達成しています。 特に、当製品は、CPUクロックサイクルの向上だけではなく、ベクトルパイプラインやスカラキャッシュ機構の強化などにより、LINPACK100元の性能において、従来機に比べて5倍以上の実効性能向上を達成しており、理論ベクトル性能比以上に実効効率が向上しています。

【税別価格】

FUJITSU VPP5000U」(シングルPEモデル)
FUJITSU VPP5000」(マルチPEモデル)
:
:440万円より(月額レンタル価格)
890万円より(月額レンタル価格)
【出荷時期】
平成11年9月末からの、国内出荷を予定しています。
【販売目標】
今後3年間で、国内と海外を合わせて、150システムの販売を予定しています。
HPCサーバ「FUJITSU VPP5000シリーズ」は、当社が開発するUNIXサーバ「GP7000Fファミリー」やグローバルサーバ「GS8800モデルグループ」と共通のCMOSテクノロジを採用しており、さらにベクトル演算に有効な技術を付加することで、コストパフォーマンスだけでなく性能にも優れております。
また、HPCサーバ「FUJITSU VPP5000シリーズ」は、R&Dサーバ「VX-Eシリーズ」「VPP300Eシリーズ」とスーパーコンピュータ「VPP700Eシリーズ」の後継機に位置づけられ、共通なベクトルパラレルアーキテクチャ採用しています。このため、現在、お客様がお使いのアプリケーションプログラムやデータなどの資産を、そのまま使用することができます。

ハイパフォーマンス・コンピュータは、全地球規模での長期的な気象の予測、航空宇宙工学、素粒子物理などの地球レベルの問題解決や真理の探究に使われています。 加えて、安全で環境に配慮した自動車開発、居住性に優れ災害にも強い建造物の設計とそれらを支える部品や新素材の研究などの産業界における最先端技術開発などにも使われています。
当社は、このような研究・産業界のニーズに応えるために、1982年スーパーコンピュータ「VPシリーズ」を発表して以来、常に最高速のハイパフォーマンス・コンピュータを提供しています。1999年3月末までに、全世界で累計約400台の販売実績をあげており、日本市場ではトップシェア、海外市場においても第2位のシェアを維持しております。
このような、豊富な実績とノウハウを蓄積し、最新のテクノロジーを採用することで、今回のHPCサーバ「FUJITSU VPP5000シリーズ」を開発しました。

VPP5000U
*VPP5000U

今後も当社は、「トリプルF」のコンセプトのもとにお客様のニーズに的確に応えるため、ベクトル化技術と並列化技術をキーテクノロジーとした製品を開発し、ハイパフォーマンス・コンピューティング分野においてサービス・サポートを含むトータルソリューションを提供してまいります。

【HPCサーバコンセプト トリプルFの特長】

  1. Fast(超高速大容量処理)

  2. Flexible(システムの柔軟性)

  3. Friendly(ユーザとシステムの親和性)

【主な諸元】

「FUJITSU VPP5000U」
PE数
最大ピーク性能
主記憶容量
:
:
:
1
9.6GFLOPS
SDRAM 4GB/8GB/16GB、SSRAM 2GB

「FUJITSU VPP5000」
PE数
最大ピーク性能
主記憶容量
クロスバーネットワーク
:
:
:
:
2〜512(注)
19.2〜4,915GFLOPS
SDRAM 8GB〜8TB、SSRAM 4GB〜1TB
最大3.2GB/s×2(送受信)
(注)129PEを超える構成は、特別注文品となります。

【ソフトウェアベンダーからのコメント】
今回「VPP5000シリーズ」の発表に対して、衝突解析分野のアプリケーションで著名な「PAM-CRASH」の日本総代理店、日本イー・エス・アイ株式会社のキシエルヴィッチ・トマ代表取締役は『富士通が世界最高速のマシンを投入することは、HPC市場にとって非常に有益であり、歓迎します。 さらに今後もより一層我々との関係を緊密にし、お客様にとって最適なハイパフォーマンスコンピューティングを提供していきたい。』と述べています。

米国の衝突解析とメタルフォーミング分野で著名な「LS-DYNA」の開発元であるリバモアソフトウェアテクノロジー社(LSTC)の社長 Dr. John O. Hallquistは、「LS-DYNA is a state-of-the-art analysis tool that is suited for simulating complex real-world problems such as car crash and metal forming. It is optimized to run large-scale simulations on the new Fujitsu VPP5000 supercomputers for today's most challenging engineering applications.」と述べています。
(車両の衝突や金型設計のような複雑なシミュレーションに適した最先端の解析ツールであるLS-DYNAは、高度な大規模シミュレーション用に、「VPP5000シリーズ」上で最適化して提供いたします。)

【用語解説】
*1: CMOS
Complementary Metal-Oxide Semiconductor、相補型金属酸化膜半導体。静止状態では、ほとんど電流が流れないため、消費電力が少ないのが特長。
*2: LINPACK
LINear equations software PACKage、米国テネシー大学のJ.Dongarra博士によって開発された連立一次方程式の解法プログラム。このベンチマークテスト結果は、スーパーコンピュータからワークステーション、パーソナルコンピュータに至るまで数多くの計算機について登録・報告されている。
*3: PE
Processing Element、演算装置
*4: ギガフロップス(GFLOPS)
1秒間に10億回の浮動小数点演算ができる演算能力。
*5: テラフロップス(TFLOPS)
1秒間に1兆回の浮動小数点演算ができる演算能力。
*6: メガフロップス(MFLOPS)
1秒間に百万回の浮動小数点演算ができる演算能力。
*7: 世界最高性能
これまでの世界最高性能は、LINPACK100元で1,097MFLOPS(CRAY T94 3CPU:出典 Linpack Report 1999.4.12現在)、LINPACK1000元で7,219MFLOPS(NEC SX-5:出典 NEC News Release 1999.1.19)。
【商標について】

【添付資料】

以上


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