[ PRESS RELEASE ] |
![]() 1998-0186 平成10年9月4日 富士通株式会社 |
当社はこのほど、英国における半導体前工程の生産拠点である富士通マイクロエレクトロニクス(FML)ダーラム工場(ダーラム州ニュートンエイクリフ)の生産活動を停止し、閉鎖することを決定いたしました。同工場は直ちに生産活動を停止し1998年12月に閉鎖いたします。その後、1999年2月末まで工場の設備を維持し、同工場の売却先を探す予定です。
ダーラム工場は、1991年9月に4MビットDRAMの生産を開始しました。半導体市場の拡大に伴い、生産能力の増強と16MビットDRAMへの品種転換を進め、現在に至っております。この間、欧州におけるメモリの前工程の生産拠点として、累計350百万ポンド(約750億円)にのぼる設備投資や雇用拡大等を行い、北東イングランド地域の経済発展に貢献するとともに、当社のワールドワイドなDRAM生産体制の一翼を担ってまいりました。しかし、1995年末以降、16MビットDRAMの価格が2年で約三十分の一に下落するなど、半導体市場は全世界的に急激に悪化し、当社も含め半導体各社の損益に大きな打撃を与えました。当社では、半導体事業の損益の大幅な改善と事業の再構築を図るためには、ワールドワイドでの半導体生産体制の見直しが必要不可欠であると判断し、ダーラム工場の閉鎖を決定したものです。この決定は、英国経済の状況とは関係なく、あくまでもワールドワイドな半導体メモリ市況の悪化によるものです。同工場の従業員570名の再雇用促進については十分な対応をする予定です。工場の売却先についても、英国の貿易産業省(Department of Trade and Industry)および北イングランド開発公社(Northern Development Company)のご協力をいただきながら、1999年2月末を目途として探してまいります。
当社は、DRAMの前工程生産については、岩手工場(岩手県胆沢郡金ヶ崎町)およびグレシャム工場(米国オレゴン州)で継続して実施し、所要の急増しているPC100対応64M SDRAMの供給に努めると共に、今後ともFCRAM(Fast Cycle RAM)などの新技術を活かしたDRAMの製品開発および量産を引き続き行ってまいります。また、英国での半導体事業についても、販売活動の推進に加え、マンチェスターとバークシャー州メイドンヘッドのロジックLSI開発拠点の拡充により、今後とも強化してまいります。
当社では、システムLSIをはじめとする高付加価値製品へのシフトに加え、ワールドワイドの生産体制の見直しの推進と工場生産性の改善を通した事業体質の強化を図りつつ、半導体事業の拡大を図ってまいります。
[ダーラム工場の概要]
[富士通マイクロエレクトロニクス(FML)の概要]
・所在地 : ダーラム州ニュートンエイクリフ ・工場長 : 猪又 重郎 ・操業開始時期 : 1991年9月 ・敷地面積 : 430,000m2 ・建屋面積 : 20,838m2(延べ床面積30,393m2) ・従業員数 : 570名
・社名 : Fujitsu Microelectronics Limited ・本社 : 英国バークシャー州メイドンヘッド ・代表者 : 近藤 好介 ・設立 : 1983年8月
以 上