[ PRESS RELEASE ] |
![]() 1998-0233 平成10年11月9日 富士通株式会社 |
当社はこのほど、アプリケーションに音声機能を簡単に組み込むためのソフトウェア開発環境「Fujitsu Voice Series」を開発し、当社ならびに株式会社アニモ(代表取締役:服部一郎、本社:神奈川県 横浜市)より、アプリケーションを開発する企業向けに、11月9日からライセンス販売を開始いたします。
昨今、よりよいユーザインタフェースのアプリケーションを開発するために、音声合成技術と音声認識技術は重要な要素となっています。
当社および富士通研究所は、音声に関する研究・開発を約30年にわたり進めており、パーソナルコンピュータ/携帯電話/カーナビゲーションシステムなど多くの分野で研究の成果を活用しています。特に、日本語における音声合成技術は品質の高さに定評があり、「音声合成技術の開発とその実用化」において、本年10月に第46回 電気科学技術奨励賞(オーム技術賞)(*1)を受賞しました。
当ソフトウェア開発環境は、この日本語の音声合成技術と、不特定話者用(*2)の音声認識技術を採用しております。 これにより、企業が開発するアプリケーションに品質の高い音声合成と音声認識の機能を組み込むことができます。
例えば、開発するアプリケーションに、テキストデータを合成音で読み上げる機能や、マイクから入力した音声を認識する機能の組み込みが容易に行えます。
【税別の基本価格と出荷時期】
「Fujitsu Voice Series」以下の二つの開発環境からなります。【販売目標】
なお、企業が開発したアプリケーションを販売/配布する場合には、別途ライセンス費用が必要です。
音声合成開発環境 V1.1 : 50,000円、11月9日から 音声認識開発環境 V1.1 : 50,000円、11月9日から
ライセンス料金を含み、今後3年間で、10億円の販売を見込んでいます。【製品概要】
(1) 音声合成開発環境 V1.1
- | 企業が開発するアプリケーションに、テキストデータを合成音で読み上げる機能を組み込むことができます。 |
- | 2種類の声(男/女)、5種類の波形辞書(縮小辞書、標準辞書、高品質辞書3種)から音声の種類を選択できます。 |
- | スピード、ボリューム、イントネーション、ピッチのきめ細かい制御ができます。 |
- | 基本言語辞書には、約14万単語が登録されており、漢字、かな、英単語、数字、記号の混じった文章を読み上げることができます。 |
(2) 音声認識開発環境 V1.1
- | 企業が開発するアプリケーションに、マイクから入力した音声を認識する機能を組み込むことができます。 |
- | マイクから入力した単語および連続単語を認識することができ、コマンドや項目の選択・入力に使うことができます。 |
- | 不特定話者用の認識技術の採用により、話し手を選ばずに使うことができます。 |
- | IBM Corporation が提唱しているSMAPI(*3)に準拠しています。 |
【組み込み例】
(1) | 音声合成開発環境 V1.1 メールソフトやエディタなどの付加価値機能として、テキストの読上げ機能を組み込むことができます。 これにより、長文のメールや多数のメールを読む場合の省力化や、作成した文章の推敲に利用できます。 |
(2) | 音声認識開発環境 V1.1 アプリケーションの実行を音声により行うことができます。 |
(3) | 音声合成開発環境 V1.1と音声認識開発環境 V1.1の組み合わせチケットの購入システムで、場所や日時などの入力に音声認識機能を使用し、購入内容の確認に音声合成を利用し読み上げます。 |
【動作環境】
-対応OS | : | Windows 95/98、Windows NT 3.51/4.0 |
-対応機種 | : | i486 66MHz以上を搭載し、上記OSが動作するPC/AT互換機 |
-ディスク容量 | : | 25MB以上 |
-必要メモリ | : | 16MB以上、推奨 20MB以上 |
-使用可能な開発環境 | : | Visual C++ 5.0、Visual Basic 5.0 |
-対応OS | : | Windows 95/98、Windows NT 4.0 |
-対応機種 | : | Pentium90MHz以上を搭載し、上記OSが動作するPC/AT互換機 |
-ディスク容量 | : | 10MB以上 |
-必要メモリ | : | 16MB以上、推奨 32MB以上 |
-使用可能な開発環境 | : | Visual C++5.0 , Visual Basic5.0 |
「Fujitsu Voice Series」は、以下の展示会に出展します。
【用語説明】
【商標について】
*1: 電気科学技術奨励賞(オーム技術賞)
わが国の科学技術の進歩、発達に寄与することを目的に活動している「電気科学技術奨励会」が、昭和28年より電気科学技術に貢献した功労者に対して、顕彰しているものです。*2: 不特定話者認識
事前に話者の声の学習を必要としない認識形態のことです。*3: SMAPI
IBM Speech Manager API
以上