[ PRESS RELEASE ]

1998-0135 平成10年6月30日 富士通株式会社

当社はこのほど、富士通デバイス株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:増永 彦太郎)と共同で、マイコン用統合開発環境「SOFTUNE V3」(32ビットマイクロコントローラ「FR Family」,16ビットマイクロコントローラ「F2MC-16 Family」,8ビットマイクロコントローラ「F2MC-8L Family」向け)を開発し、7月より販売を開始いたします。
「SOFTUNE V3」はSOFTUNEシリーズの新製品であり、コーディング、コンパイル、デバッグというソフトウェア開発過程での各作業の繰り返しをマウスの右ボタンのクリックだけでスムーズに実行することができます。

今回新たに、コード生成最適化性能を10%向上したCコンパイラを開発しました。
また、C言語のキーワードを色付け表示する内蔵エディタや、C言語で書かれたソースプログラムを検査/解析するCチェッカ/Cアナライザにより、コーディングミスを削減し、C言語でのプログラム開発の効率を向上させました。
リアルタムOSを使用したプログラムのデバッグ効率を上げるため、μITRON準拠の「REALOS」のタスク単位でのデバッグ機能と状態表示機能を追加しました。
また、ソフトウェア設計時に便利な状態遷移表を使用したプログラム開発、デバッグにも対応しています。

• 「SOFTUNE V3の特長」
  本ツールの特長は、以下の通りです。
  

  (1)	コーディング、コンパイル、デバッグの作業を、ボタン一つでスムーズに実行
  (2)	Cのコーディングミスを削減
  (3)	Cコンパイラのオブジェクト生成サイズを10%縮小
  (4)	ソースプログラムの世代管理が可能
  (5)	リアルタイムOSのタスク単位でのデバッグ機能、状態表示機能を追加
  (6)	「状態遷移表」による開発・デバッグが可能になり、生産効率を4倍アップ

  (1)コーディング、コンパイル、デバッグの作業を、ボタン一つでスムーズに実行

  • 「SOFTUNE V3」は、エディタと開発マネージャとデバッガを一体化させたことにより、コーディング、コンパイル、デバッグという各作業の繰り返しをマウスの右ボタン一つでスムーズに行えます。

  (2)Cのコーディングミスを削減

  • C言語のキーワードを色付けして表示するエディタを内蔵したことにより、Cソースプログラムのコーディング時のタイプミスを削減します。
  • Cチェッカ/Cアナライザにより、Cソースのコーディングミスの箇所を自動的に検出します。

  (3)Cコンパイラのオブジェクト生成サイズを10%縮小

  • Cコンパイラ、アセンブラ、リンカの言語ツールを新しく開発しました。
    Cコンパイラは、コード生成最適化性能を強化し生成するオブジェクトサイズを10%削減しました。(F2MC-8Lの場合)

  (4)ソースプログラムの世代管理が可能

  • ソース世代管理ツールを組み込むことにより、ソースプログラムの世代管理を行うことができます。
    (Microsoft社のVisual Source Safe,コンポーネントソフトウェア社のCS-RCS,インターゾルブ社のPVCSが組み込み可能。)

  (5)リアルタイムOSのタスク単位でのデバッグ機能を追加

  • μITRON準拠のリアルタイムOS「REALOS*」のデバッグにおいて、タスク状態の表示とブレークポイントの設定が可能となりました。
  • タスクの遷移状態を解析し、ビジュアルに表示するREALOSアナライザを追加しました。
    これによりリアルタイムOSのシステム動作の解析、最適化が簡単に行えます。

  (6)「状態遷移表」による開発・デバッグが可能になり、開発効率を4倍アップ

  • キャッツ社が提供する「ZIPC」は状態遷移表を使用してプログラム開発を行う制御系 CASEツールで、プログラムの生産効率が4倍アップします。
    「SOFTUNE V3」では、「ZIPC」と富士通製エミュレータ(ICE)を接続し、状態遷移表を見ながらのICEデバッグが可能になります。(9月末予定)

■「SOFTUNE V3の製品構成」
統合開発環境「SOFTUNE V3」は以下のツールにより構成されます。

1)	開発マネージャ機能とデバッグ機能を統合した「SOFTUNEワークベンチ」
2)	高いコード効率と品質の「SOFTUNE Cコンパイラ」
3)	豊富な機能を持つアセンブラと使いやすいリンカをセットにした「SOFTUNEアセンブラパック」
4)	C言語記述ソースの品質を高める「SOFTUNE Cチェッカ」
5)	C言語を使用したソース構造を調べる「SOFTUNE Cアナライザ」
6)	μITRON準拠のリアルタイムOS「SOFTUNE REALOS」

1)	「SOFTUNEワークベンチ」 メイク/ビルド機能やエディタ、ソース管理を行う開発マネージャと、デバッガの操作(エミュレータ/シミュレータ/モニタデバッガ)機能を一体化しました。 これにより応用プログラムの開発に必要なすべての操作を統一した手順で行うことができます。
2)	「SOFTUNE Cコンパイラ」 FRシリーズ用のCコンパイラを元に、FR/F2MC-16/F2MC-8L用コンパイラの仕様を統一しました。
3)	「SOFTUNEアセンブラパック」 開発に必要なアセンブラ、リンカ、ライブラリアン、ロードモジュールコンバータと各種のユーティリティプログラムがワンセットで提供されます。
4)	「SOFTUNE Cチェッカ」 C言語で記述したプログラムの品質と性能を検査します。記述上の問題点や移行時の注意点を自動的に検出できるため、ソースレビューに必要な工数を大幅に短縮できます。
5)	「SOFTUNE Cアナライザ」 C言語で記述したプログラムの構造や変数の配置等の情報を自動的に解析できます。ドキュメントの作成や製品の保守に必要な情報を管理できます。
6)	「SOFTUNE REALOS」 μITRON準拠のリアルタイムOSです。リアルタイムOSのタスク遷移をグラフィカルに表示するREALOSアナライザを含みます。SOFTUNEワークベンチと連携してタスク単位のデバッグが可能になります。

これまでのツール単体(コンパイラ、アセンブラ、デバッガなど)販売に加え、必要な製品をまとめて提供するパック販売の商品も設定しています。
また複数のパソコンにインストールして使用が可能なライセンスパック(3,5,10ライセンス)も用意しております。

製品名	対象チップ	製品番号	定価 (1ライセンス)	備考
SOFTUNE V3 プロフェッショナルパック	FR	SP3650Z008-P01	\600,000-	SOFTUNEワークベンチ SOFTUNE Cコンパイラ
	F2MC-16	SP3607Z008-P01	\500,000-	SOFTUNEアセンブラパック
	F2MC-8L	SP3603Z008-P01	\400,000-	SOFTUNE Cチェッカ SOFTUNE Cアナライザ
SOFTUNE ワークベンチ	FR	SP3650W008-P01	\300,000-	開発マネージャ機能デバッガ機能
	F2MC-16	SP3607W008-P01	\250,000-
	F2MC-8L	SP3603W008-P01	\200,000-
SOFTUNE Cコンパイラ	FR	SP3650C008-P01	\260,000-	最適化Cコンパイラ
	F2MC-16	SP3607C008-P01	\200,000-
	F2MC-8L	SP3603C008-P01	\150,000-
SOFTUNE アセンブラパック	FR	SP3650K008-P01	\100,000-	・アセンブラ・リンカ・ライブラリアン・各種コンバータ
	F2MC-16	SP3607K008-P01	\100,000-
	F2MC-8L	SP3603K008-P01	\100,000-
SOFTUNE Cアナライザ	FR	SP3691X008-P01	\78,000-	C言語の記述ソースコードの構造解析ツール
	F2MC-16
	F2MC-8L
SOFTUNE Cチェッカ	FR	SP3691Y008-P01	\38,000-	C言語の記述ソースコードの構文解析ツール
	F2MC-16
	F2MC-8L

(*)ライセンスパックの価格については弊社営業までお問い合わせください。

製品名	対象チップ	製品番号	定価	備考
SOFTUNE REALOS	FR	SP3650M008BA	\3,500,000-	REALOSアナライザを含む
	F2MC-16	SP3607M008BA	\2,500,000-	REALOSアナライザ開発中
	F2MC-8L	SP3603M008BA	\2,000,000-

• 発売時期
  平成10年7月から

• 動作環境
  

  動作マシン	FMVシリーズ、またはDOS/Vマシン
  動作OS	Windows 95,Windows NT 4.0、(*)Windows98は動作確認中。
  CPU	i80486以上(Pentium 90以上を推奨)
  メモリ	Windows 95...16Mバイト以上(32Mバイト以上を推奨) Windows/NT4.0...32Mバイト以上(48Mバイト以上を推奨)
  ディスク使用量	70Mバイト

「ZIPC」

キャッツ株式会社

222-0033横浜市港北区新横浜2-7-19 天幸ビル50 4F Tel:045-473-2816Fax:045-473-2673

• 用語解説
  「SOFTUNE」
  富士通製マイコン開発環境の総称。「SOFTUNEワークベンチ」を中心に、言語ツール、デバッガを有機的に結合、効率のよい開発が可能である。

  「ZIPC」
  キャッツ社が提供する制御系CASEツール。状態遷移表からソースを自動的に生成し、そのままデバッグが可能。デバッグ結果を記述した状態遷移表に反映できるため、もれの無いシステム設計が可能。

• 登録商標
  「SOFTUNE*」「REALOS*」は富士通株式会社の登録商標です。

以 上