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1998-0001
平成10年1月6日
株式会社富士通研究所

IEEEモーリス・N・リーブマン記念賞受賞

〜 受賞理由は「高融点ゲートセルフアライメント型GaAs集積回路技術の開発」 〜

富士通研究所(社長:佐藤 繁、本社:川崎市)基盤技術研究所機能デバイス研究部長の横山 直樹が、1998年のIEEE (電気電子学会)モーリス・N・リーブマン記念賞の受賞者に選ばれました。受賞理由は「高融点ゲートセルフアライメント型GaAs集積回路技術の開発」です。1998年2月5日、ISSCC(国際固体素子回路会議, 米国サンフランシスコ)におきまして受賞式が行われます。
本技術を利用したICは、スーパコンピュータをはじめ携帯電話や衛星放送受信機など身近な製品にまで使用されています。また、日米欧で基本特許を取得しており、日米欧メーカの半数以上が、同一、あるいは同様の技術を用いています。

1. 受賞者
工学博士 横山 直樹(48歳/厚木市在住)
(株)富士通研究所 基盤技術研究所 機能デバイス研究部 部長
1949年3月28日生 (大阪府堺市)
1973年3月 大阪大学大学院基礎工学研究科修了

2. 受賞理由
「高融点ゲートセルフアライメント型GaAs集積回路技術の開発」
シリコンデバイスよりも高速性、低消費電力性に優れた化合物半導体デバイスを集積化するための基本技術を発明し開発したことが評価されました。本技術により、化合物半導体であるガリウムヒ素(GaAs)を用いた集積回路の実用化が可能となりました。

本技術による実用化製品例

3. 賞の概要
(1) モーリス・N・リーブマン記念賞
1919年に創設されたIEEE技術賞 (IEEE Technical Field Award) で、IEEE本部から一年に一度、電子デバイスの分野において革新的な技術の開発に貢献した者に与えられます。IEEEの出す技術賞には18種の賞がありますが、その中ではもっとも歴史のある賞です。
IEEEはTHE INSTITUTE OF ELECTRICAL AND ELECTRONICS ENGINEERING, INC.の略で、1884年設立のエレクトロニクス分野における世界最大の学会です。主体は米国ですが、メンバーは147ヶ国、32万人に登ります。

(2) 過去の主な受賞者(詳細は添付資料をご参照下さい)
[参考資料]
ISSCC: International Solid-State Circuits Conference
半導体のオリンピックとも呼ばれているエレクトロニクス関係の世界最大の会議。

賞の正式な英文名
1998 IEEE Morris N. Liebmann Memorial Award

受賞理由(英文)
For contributions to and leadership in the development of self-aligned refractory-gate gallium arsenide MESFET integrated circuits

モーリス・N・リーブマン氏
IEEEの前身であるIREの68人目のメンバー。"The Wireless Specialty Apparatus Company"において、"IP-76"受信機や"Perikon crystal detector"を開発した技術者として知られています。第一次世界大戦に突入し、陸軍大佐にまで昇進しましたが、英国とのフランダースでの対戦において戦死しています。

過去の代表的な受賞者
1930A.W. Hull(米)真空管(四極管)の発明
1945P.C.Goldmark(米)カラーテレビの開発
1951W. Shockley(米)接合型トランジスタの発明(ノーベル賞)
1961,江崎玲於奈(日)トンネルダイオードの発明(ノーベル賞)
1965,W.R. Bennett,Jr.(米)He-Ne レーザーの試作
1969,J.B. Gunn(米)ガン効果の発見
1978K.C. Kao他2名(米)グラスファイバー通信の可能性の提案
1990,三村・冷水(日)HEMTの実証
1997,舛岡(日)フラッシュメモリの開発

過去の日本人受賞者
1961,江崎(IBM)トンネルダイオード
1986板倉(名古屋大)音声処理における線型予測コーディングへの貢献
1989,大越(東大)コヒーレント光ファイバー通信に対する貢献
1990三村/冷水(富士通/阪大)HEMTの実証
1996小倉(IBM)LDD MOSFETの開発
1997舛岡(東北大学)フラッシュメモリの開発

過去の主な研究機関別受賞者
ベル研究所14名
IBM6名
富士通1名

以上


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