[ PRESS RELEASE ] |
1998-0018 平成10年1月29日 富士通株式会社 |
当社はこのほど、世界最先端の0.25μm CMOS(*1)テクノロジと並列処理技術を採用した、世界最高速のCMOS大型汎用機「GS8800モデルグループ」を開発し、本日より販売を開始いたします。
今日、企業を取り巻く経営環境はこれまでにない急激な変化に見舞われており、企業の情報システムにおいては、ビジネス構造の変化・利用者の拡がり・グローバル化への迅速な対応に加え、TCO(*2)の削減と21世紀を睨んだ新たな展開が求められています。
当社はこのような課題に応えるために、グローバルサーバGS8000シリーズを、当社ネットワークコンピューティングの体系「SOLUTIONVISION」のベーシックレイヤに位置づけ、企業内に散在するサーバを束ね、企業情報システムを支える全社サーバとして提供しています。
今回、発表したGS8000シリーズの最上位モデルGS8800モデルグループは、世界最高速のCMOS大型汎用機であり、現行シリーズの処理能力を大幅に上回っています。(GS8600と比較し、単一CPU性能で約1.8倍、12CPUモデルである最上位機種で約2.3倍)これにより、全社情報の一元管理、全社ユーザによる情報共有、他サーバとの情報交換、さらには企業の競争力強化を図るための全社データの有効活用など、従来にも増して飛躍的に増大する大量データを高速に処理します。
GS8800 CPUマルチチップモジュール |
GS8800モデルグループの追加により、GS8000シリーズは6モデルグループ(全41機種)となり、シリーズ全体で約3400倍の性能レンジをカバーします。
【月額レンタル価格(税別)・出荷時期】
GS8800モデルグループ【販売目標】
シングルクラスタモデル : 4,784万円より、1998年4月末出荷予定 (モデル100A、120Aについては1998年9月末出荷予定) マルチクラスタモデル : 8,227万円より、1998年7月末出荷予定
GS8800モデルグループ、3年間で300台(クラスタ数)【GS8800モデルグループの特長】
GS8800モデルグループは、一昨年販売を開始した「GS8600モデルグループ」の上位に位置づけられ、当社グローバルサーバGS8000シリーズの中で最高速の処理能力を有する高性能・高信頼サーバです。 最新のCMOS技術を駆使し、単一CPU性能で現行GS8600の約1.8倍、当社ECL機M-1900の約1.5倍の性能を実現しました。
- 最先端の0.25μmCMOSテクノロジを採用した、世界最高性能のプロセッサを開発。
- 超高密度MCM(*3)やシステムボードといった世界最先端の実装技術を採用し、世界最高性能の12CPUによるTCMP(*4)を実現。
- マルチクラスタモデルでは最大8クラスタまで拡張が可能。 モデルグループ全体で約23倍の性能レンジをカバーし、業務量に応じて段階的な能力拡張が可能。
今回、GS8800モデルグループに加え、大量・高速処理に対応するハードウェア・ソフトウェア製品も提供します。
〔ハードウェア〕
- I/O装置との接続ポートを最大で240まで拡張でき、従来モデル
(F9160A2)に比べ、設置面積を最大1/3に縮小したOCLINK(*5)ステーション「F9160B」
税別月額レンタル価格:207万円より、1998年4月末出荷予定- 高速光チャネル「OCLINK」によるグローバルサーバとの高速通信を実現したLAN制御装置「F9186A3」
税別月額レンタル価格:11万円より、1998年4月末出荷予定
GS8800モデルグループ マルチクラスタモデル 〔ソフトウェア〕
- マルチクラスタモデルでバッチ処理時間を大幅に短縮する「OSIV/MSPPDCF(*6) V12」
税別月額レンタル価格:38万円より、1998年4月中旬出荷予定GS8800モデルグループは、国内のみならず海外関連会社より、欧州・アジア・パシフィックで販売する予定です。 また、GS8800モデルグループで開発したテクノロジーは、米国アムダール社に供給します。
当社では、今後もますます進展するネットワークコンピューティングに対し、グローバルサーバを核とした「マルチサーバ形態による基幹サーバシステム」を実現する製品・サービスを提供し、ネットワークコンピューティング環境における基幹サーバシステムのソリューションを提供してまいります。
【用語解説】
*1 : CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)
相補型金属酸化膜半導体。 静止状態では、ほとんど電流が流れないため、消費電力が少ない特長がある半導体。*2 : TCO(Total Cost of Ownership)
システム導入時のハード・ソフトの価格に、システム稼働中の運用管理や教育費用などサポートコストを含めたシステムの保有コスト*3 : MCM(Multi Chip Module)
複数個のLSIチップを薄膜セラミック基板上に搭載したモジュール。*4 : TCMP(Tightly Coupled Multi-Processor)
密結合マルチプロセッサ。 複数のプロセッサが主記憶を共有しながら、1つのオペレーティングシステム(OS)で動作するシステム。*5 : OCLINK(Optical Channel LINK)
最大17MB/Sの高速転送が可能な光チャネル。*6 : PDCF(Parallel Data Control Facility)
ジョブ内の複数のジョブステップを並行実行及びシステム記憶装置(SSU:System Storage Unit)経由でのデータ引き継ぎによるバッチ処理時間を短縮するソフトウェア。
以上