[ PRESS RELEASE ] |
![]() 1998-0024 平成10年2月4日 富士通株式会社 |
当社はこのほど、富士通ヴィエルエスアイ株式会社(本社:愛知県春日井市,社長:羽仁 利幸)と共同で、3V電源の世界最高速CMOS 6ビットA/Dコンバータを開発いたしました。
今回、改良型「IAZ(Interleaved Auto-Zero)方式」と、新たにエラー訂正アルゴリズムを開発したことによって、CMOSでは世界最高速の400MS(メガサンプル)/秒の高速動作を実現しております。
また、新規に考案したエラー検出/訂正機能により、エラーの発生率が従来に比べて1万分の1*になると同時に、コード変換による遅延時間の短縮を実現しております。
このA/Dコンバータは、ポリシリコン一層, アルミニウム二層 0.35ミクロンCMOSテクノロジを採用しております。
特に、CMOSでのアナログ/ディジタル混載LSI上での動作を前提として開発されており、A/Dコンバータがシステムの性能を左右するHDD,DVD,LANといった分野への応用が期待されます。
*エラー訂正無しの場合と比較した値
今回の開発成果は、2月5日から米国サンフランシスコで開催されるISSCC(国際固体素子回路会議)98で発表いたします。
【改良型IAZ方式】
一般にCMOS高速A/Dコンバータは、アナログからディジタルへのデータ変換を並列に配置したチョッパ型コンパレータと呼ばれる回路で行っています。
当社では、このコンパレータを必要数より1個多く配置して、他のコンパレータが比較動作中にコンパレータを順番にAuto-Zeroと呼ばれる自己校正の動作をさせることによって、変換動作を大幅に高速化できる「IAZ(Interleaved Auto-Zeroing)方式」をISSCC96で発表しております。
今回、さらにこのIAZ方式の動作設定を改良し、Auto-Zeroから実際の比較状態にコンパレータが遷移した直後の準安定出力を実際のA/D変換に使わないようにすることで、高速化を実現しました。
【新規考案のエラー検出/訂正機能】
新規に考案したエラー検出/訂正機能によって、変換動作の高速性を保ちながら、A/D変換器エラー発生率を大幅に低減しております。
今回、これらの新技術により、世界最高の変換速度400MS/秒を達成いたしました。
以 上